「嫌悪感しか残らない全編逆説作品」ザ・スクエア 思いやりの聖域 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
嫌悪感しか残らない全編逆説作品
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まず、主要登場人物の中に、思いやりを持つ人物は1人もいない。どころか、こいつら全員に天罰が下りますように、とさえ思ってしまう。
どこかでこの状況が逆転するかと期待していたが、猿男のパートで、この作品の狙いを思い知る。
最終的に、主人公は失職し少しだけ行動を起こすが時すでに遅し。救いの無いまま物語は終わる。
確かに今の欧州は病んでいると思う。単純な貧困問題ではない。現金収入の手段を持たない移民が、町中にあふれていること自体を人々が受け入れられずにいる。
創作品のザ・スクエアの芸術的な価値はさて置いても、関わる人間の誰も彼もが、クズに過ぎる。故に、何もかもが強烈な皮肉を通り越して自虐的ブラックジョークにしか見えない。
とにかく、共感できる人物もエピソードも何もない。問題提起など、何を今更であろう。都市部の駅をうろつく非白人のホームレスを見たことが無いとでも?
文化人も芸術も、この状況を食い物にはすれども救いはしないと言う嫌味。既に手遅れであるとの警鐘。色々な事を考えさせられるのだが、何一つ心に響かない不思議さが、この作品の価値なの?
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