ラブレスのレビュー・感想・評価
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Europe before This Millenium's Darkness
Loveless is the story of a missing child set in Russia during the coming dawn of Ukraine's Maidan Revolution in 2012. While it was made during the war in Donbas, the film seems to foreshadow the coming Ukraine-Russia full scale war quite horrowingly. The director stated he is not a political director. Certainly he is not in the literal sense; but the images tell us much more than words can.
ロシア政府が破壊した人間感情
【"利己的人間の愚かさと、無償の献身をする人々の姿を、シニカルな視点で対比的に描いた”愛亡き”作品。両親に愛されず行方不明になった少年と、ウクライナの民の哀しさがダブって見えた作品でもある。】
<Caution 内容に触れています>
□利己的人間
・言うまでもなく、愛無き結婚をして、12才のアレクセイを悲しませてきた、会社での自分の保身を考えるボリスと、スマホ依存症のジェーニャ夫婦である。
しかも、二人はそれぞれ愛人がおり、定期的に愛し合っている。
アレクセイは、ある日、両親の言い争いを聞いてしまい・・。
ー あの、涙でくしゃくしゃになった顔は忘れ難い・・。そして、彼が友達が一人しかいなかった理由も垣間見えるのである。
彼の捜索中に、ジェーニャが言った言葉
”子供なんて、欲しくなかった”
物凄く、腹立たしいシーンである。ー
□無償の献身をする人々
・言うまでもなく、頼りにならない警察の代わりに、リーダーの元、統率の取れた組織編成で、整然とアレクセイを探す姿。
ー ロシアって、あんな組織があるんですか? 警察が頼りにならないから??
警察よりも、余程頼りがいがある。
”政府組織は頼りにならないので、民は自警する・・”ということかな・・。ー
<冒頭と、ラストのシーンの繋ぎ。
年は経て、貼られたアレクセイの捜索願は風で飛びそうだ・・。
そして、モノトーンのショットの中、枯れ枝に引っ掛かった冒頭でも映されていたビニールテープも風に靡いている。
下には、冬枯れの景色の中映し出される池。
再後半、TVから流れるウクライナで起きた事件。泣き叫ぶ母親。
TVのニュースが流れる中、無表情でランニングマシーンの上で走る”ロシア”と大きく書かれたジャージを着たジェーニャの姿。
暗澹たる気持ちになるが、アンドレイ・ズビャギンツェフ監督が発するメッセージは、しっかりと伝わってきた作品である。>
憎悪の噴出
熟年層には共感できるかも、悲しい愛のかたち。
責任
ラブレス
世界の終わりは来なかった
2012年10月10日に失踪した息子アレクセイ。元々できちゃった婚であったボリスとジェーニャの夫婦はすでに別のパートナーがいるため、息子を互いに押し付けようとしていたのだ。うっかりそんな夫婦のやり取りを聞いてしまったアレクセイは翌日失踪してしまう。
愛のない夫婦。息子に対しても全く愛情が感じられない。妻の実母にいたっては、自分のところに連れてくるなと叫ぶほど毛嫌いしている。テレビから流れるニュースではウクライナの内戦と、「世界の終わり」を告げるマヤの予言ばかり。まるで厭世観漂う世紀末の様相をも示していたが、とにかく個人主義に徹する愛のない世界。こんな現実もあったんだな・・・とにかく寒くなる映像ばかりで冷房要らずでした。
『父、帰る』は満点をつけてしまうほど衝撃的な作品でしたが、この映画ではあとからじわじわと来る寒さが印象的。愛がないことのつらさ。戦争ではさらに愛する者が奪われていく。マヤの予言がまた一層人間を変えていってしまう。捜索しても見つからないモヤモヤした気分はそのまま答えのないエンディングに終息してしまう・・・
『無関心』が1番残酷
ただひたすらに怖かった。辛かった!
無関心で家にも帰らなかったくせに、居なくなった途端探し回り、泣き喚き。きっとこれは愛情などではなく、ネグレクトが明るみに出るようで都合が悪いからなんだろう…というのが手に取るように分かる、失踪後の両親の過ごし方。父母共に既に外に相手がおり、セックスに浸ってはふと虚無感漂う虚ろな目。人と理解し合う為にぶつかり合うわけではなく、苛立ちを放出する為だけにぶつかり合ってきた2人は結局ラストにも何も変わる事はなく、同じ事の繰り返しを示唆するような映像でエンディング。
子を持つ親には、たとえその人が幸でも不幸でもリアルに感じる映画作品だと思った。決して「楽しめる映画」ではないけれど、観る価値がある。
悶々とする
ただ風が吹くのみ
気持ちよいくらいわからない映画
久しぶりに気持ちよいくらいわからない映画を観た。
離婚寸前の夫婦の家から、12歳の一人っ子の少年がいなくなる、という話。それがどう展開するのか、子供はみつかるのか、最初に長回しで撮った子供が学校から帰ってくるシーンが最後に重要な意味をもってくるのか、とどきどきしながら観ていたが、何も起こらなかった。ほんとうに何も起きなかった・・。
終わりかよ!
冷たい雪が降り積もる川を三羽の鳥が泳いでいく冒頭シーンも、学校からマンションまで黙々と歩いて帰る少年を追っていくだけの絵なのに何だか緊張する、何がおきるかわからずハラハラしながら観たあの映像も、なんにもなしかよ!
では現在のロシアでは、政治的主義主張をストレートに映像で現せないから(つかまっちゃうから)、なんらかの寓意を含ませた話だったのに、自分が気づかなかったのかも、と考えた自分はパンフを買いました。
その結果、「現代のロシアの子供には頼るべき親がいない。両親がたとえ上流階級であっても」という事実を、ひたすら丁寧に描いた映画だったらしい。
ただ胸が痛む。「子供を大切にしよう、こんな夫婦にはならないようにしよう」と思うばかりです。
なお、この映画の舞台である12年10月から15年2月は、「ロシアの政治体制がよりよくなると国民みなが期待したがクリミア併合があり、反体制派行動が政府に抑圧された時期と重なっていることは事実なのだそうです。
ボランティア団体「リーザ・アラート」は実在の団体で、行方不明の少年を無償で探す彼らの行動だけが、この映画での唯一の救い。
つまり、観るべき映画だけど、ひたすら疲れちゃう映画」だったわけです。
セックスシーンはたいしたことない。別に刺激的でもない。むしろ、嫁さ...
テーマは重苦しくシリアスなのだが
元妻が、トイレで用を足した後、ティッシュで陰部をふくシーンに生活の...
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