「1994年のナンシー・ケリガン襲撃事件で有名なトーニャ・ハーディン...」アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル よねさんの映画レビュー(感想・評価)
1994年のナンシー・ケリガン襲撃事件で有名なトーニャ・ハーディン...
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1994年のナンシー・ケリガン襲撃事件で有名なトーニャ・ハーディングの半生を描いた実録ドラマ風コメディ。ドラマの合間にトーニャ、元夫のジェフ、トーニャの母ラヴォナ他当事者に対するフェイク・インタビューを挟むという構成ですが、トーニャが否定している行動も描いているし、登場人物がカメラに向かってボケるし、シカゴ、スーパートランプ他70's〜80's前半のヒット曲で彩られたサントラも時代背景に全くシンクロしておらず、まるでトーニャに対して観客が漠然と持っている邪なイメージを全部白紙にするかのごとくデタラメ。それが功を奏してトーニャのトリプルアクセルを物凄い至近距離でカメラが捉えた瞬間に観客は完全にトーニャに感情移入してしまいます。DV夫ジェフ、幼少期からトーニャを徹底的にしごく母ラヴォナ他自分勝手な人間達に翻弄されたあげくにトーニャが辿り着く顛末とその後のトーニャが描かれるクライマックスは、エミネムの『8 Mile』やミッキー・ロークの『レスラー』に通じるドン底に堕ちた人間がぶち撒けるヤケクソに満ちていて感動しました。
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