劇場公開日 2019年3月8日

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「なぜ我々は、スパイダーマンがこんなに好きなんだろう」スパイダーマン スパイダーバース 文化的雪かきさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5なぜ我々は、スパイダーマンがこんなに好きなんだろう

2020年4月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

興奮

幸せ

 アマゾン・プライムビデオで、レンタル100円だったので課金して視聴した。外出自粛の今、この映画を鑑賞できたことは本当に幸運だったかもしれない。とてつもなく爽快な作品だった。

 もうなんだか、雄叫びをあげたいくらいの映画的喜びがのべつ幕なしに襲いかかってくる。テンポは鬼のように良く、疾走感が半端ではない。全身を興奮が貫き、気分を覆っていた暗いモヤみたいなものが一瞬で吹き飛ぶ。

 1秒も“面白くないシーン”がなかった。映画館に行けずに、くさくさしているときに見られて、人生がいくらか取り戻せたような気がした。

 素敵な要素はそれこそ無数にあるが、なかでも印象に残ったのは、アニメーションの質だった。

 ショットは全てがバチバチに決まりまくっていて、どのシーンを切り取ってもデスクトップの壁紙にできる。ドラマやアクションが皆無の“主人公が歩いているだけ”の場面を見ていて、「なんてすごいんだ」とため息が漏れてくる映画なんて、本作が初めてだった。

 それと、鑑賞中にずっと考えていたことがある。それは、「なぜ我々は、スパイダーマンがこんなに好きなんだろう」ということだ。本作に登場する“何人ものスパイダーマン”の群像劇、そして「何度でも立ち上がってきた」など綺羅星のようなセリフに浸り、その理由がわかった気がした。

文化的雪かき