「革命的映像表現」スパイダーマン スパイダーバース kazu6279さんの映画レビュー(感想・評価)
革命的映像表現
スパイダーマンシリーズとしては初の長編アニメーション映画。
並行世界に存在する複数のスパイダーマン達が悪と戦うというさらに荒唐無稽さが増すが決して支離滅裂にはなっておらず、脚本も非常に秀逸な仕上がりだ。
一番の魅力はやはり映像表現。
アニメならではの心理描写、コミカルな演出、キャラクターの質感が非常に美麗で魅力的。
アメコミをそっくりそのままアニメに反映させたかのような世界観が実に新鮮で目を奪われた。3D, IMAXが推奨される作品です。
CG、絵画、ドット、コミック、などのあらゆる手法を用いて完成された、「生きた絵」(wikipediaより引用)
キャラクター各々に手法を変えたビジュアルタッチも製作者たちの手間と努力が伺えます。
日本の映画会社ではまず真似できない手法で製作された映像表現であろう。
ストーリーのプロセスも秀逸で、高校生マイルズ・モラレスのアイデンティティーを丁寧に描き、成長の段階、メンターとなるピーターBとの関係の変化。
思春期ならではの悩みなどをコミカル、シリアスな場面ごとの色分けに舌を巻き見入ってしまった。
個人的には初めは「これは失敗しそう」感があり、完全にハードルが下がりきっていましたが、それを見事に払拭してくれました。
文句なし。趣向を凝らした良作です。
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