劇場公開日 2019年3月8日

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「MCUの世界観から解放された痛快作」スパイダーマン スパイダーバース よねさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0MCUの世界観から解放された痛快作

2019年1月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

黒人警官の父とヒスパニック系の母を持つマイルス君はブルックリンの名門私立校に通う高校生。勉強よりもグラフィックアートが好きな彼は得体の知れぬ蜘蛛に噛まれてから異常な吸着力と体が透明になる特殊能力を持ってしまう。そんなある日謎の組織が加速器による実験を行なっている現場に迷い込んでしまったマイルスは時空が歪み複数の次元が交錯する事故に遭遇、信じがたい光景を目の当たりにする。

要するに異次元世界から複数のスパイダーマンがやってくるという荒唐無稽な話であることは予告のまんま。正直イマイチスパイダーマン達のキャラが立ってなくてインフレーション感は拭えず。じゃあつまらないのかというとそんなことはなく、MCUと無関係で伸び伸びとした世界観の中で好き勝手やってる感じは好印象。ピーター・パーカーではなくマイルス・モラレスというヒスパニック系黒人少年を主人公に据えてソウルフルなテイストを全面に出し、アニメでなければ表現できないスラップスティックかつスピーディーな描写は見応えあり、サム・ライミ版を要所要所で参照している辺りも観ていて楽しいです。マーク・ウェブ版では残念なことになってしまったグウェンがこちらではきっちり大活躍、声をあてているヘイリー・スタインフェルドもバッチリハマっています。鑑賞中は全然気づきませんでしたがニコラス・ケイジもきっちり好演してますし、10年かけてガッチガチの世界観になってしまったMCUに食傷気味の人にはちょうどいい湯加減。

今回4Dxで鑑賞しましたが、ガッタガタ揺れたり背中をボコボコ押されたりといったギミックが少々物足りないお話をマスキングしてくれるし、3D効果が結構きめ細かくてクレジットに至るまでずっと楽しめたので、本作鑑賞にはこれがベストかなと思いました。

よね