黒い箱のアリス

劇場公開日:

黒い箱のアリス

解説

事故で母親と右腕を失った少女の身に起きる奇妙な出来事を鮮烈な映像で描き、ジャンル系映画を多数上映するシッチェスやプチョンなどの国際ファンタスティック映画祭で評価されたスペイン製SFスリラー。父親が起こした事故で母親を亡くし、自らも右腕を失った少女アリス。それ以来、彼女は周囲に対して心を閉ざし、人間の言葉を話す装置をつけた愛犬をママと呼ぶように。ある日、森で巨大な黒い立方体に遭遇した彼女は、その中から1通の手紙を発見する。手紙にはなぜか彼女自身の筆跡で「彼らを信じないで」と書かれていた。ほどなくして、森で倒れていたという姉弟を父親が家に連れて来るが……。ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル梅田で開催の「未体験ゾーンの映画たち2018」上映作品。

2017年製作/106分/スペイン
原題または英題:Black Hollow Cage
配給:クロックワークス
劇場公開日:2018年1月14日

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映画レビュー

4.5「あの時ああしていれば・・・」という悔恨を解消する摩訶不思議なブラックボックス

2023年2月8日
PCから投稿

最初に見た時はバイオレンス描写は気にくわないが建築的趣向と絵的構成感にいたく感動し、アートムービーとして強く印象に刻み込まれた。

今回で3度目となるが、バイオレンスサスペンスのシナリオ理解に集中し、本作のテーマは「ある交通事故がもたらした家族の不幸と親子間の不和、被害者家族の不幸を和解するためのファンタジックな試み」という結論に至る。
その手段こそが全く唐突に表れたブラックキューブ状のタイムマシ―ン!

大雑把に言えば相互の家族が「復讐と防御」という形でバイオレンスを相互にし合うわけだが、それではらちが明かないし、重い犯罪行為が残るだけ。
それらの殺戮行為が全く起こらない方法が一つだけあることに最後になって気付き、あの「摩訶不思議な黒い箱」に一縷の希望を託す・・・・・という流れ。

各映画レビューサイトでは平均点は低いし、エンタメ趣向としては全然物足りない内容なのだろうが、個人的には最初に触れたアートムービー的にまず満足しているし、シナリオ構成としても今回合点できたので、揺るぎない名作として記録しておきます。

「自らの強い意志で動かす未来的義手」を最後になって使いこなせるようになったアリスが明確な強い決断で飛び込んだ黒いボックス。
そのひそかに森に佇む黒いボックスに重なるエンドロールを今回もつい最後まで見てしまった。

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resuwisshu311

3.0静かなSFミステリー

2022年11月13日
PCから投稿

スペインのSF+ミステリー映画。

義手の少女、喋る犬、森の中の一軒家、黒い箱とキーワードを並べただけで不条理な感じがして良い。
人の表情を捉えた長回しのカメラワークと詩的な風景の美しさが印象的。

不条理感漂う設定と違って話や伏線は分かりやすく「何かよく分かんない不思議な話」という感じではないので、人はあまりに選ばないかも。
ただ「黒い箱」や後半のアリスの展開で説明不足な部分もあるのでそこは観た人が想像力を働かせるしかない。

アリス以外の登場人物も個性的で全体的な雰囲気は好み。アリス役ロウェナ・マクドネルが義手もあってかたまにアリータに見える。

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エス

4.0意外な拾い物

2020年2月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

スタイリッシュで説明不足
でも意外と親切丁寧な作りなSFスリラー。
こりゃ解りづらい。

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カタヤマ