劇場公開日 2018年3月30日

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「チャーチルと外相ハリファックスの対立が印象に残る」ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0チャーチルと外相ハリファックスの対立が印象に残る

2024年3月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

チャーチルの徹底抗戦の主張が持て囃されるが、ハリファックスの和平の主張も大事な一つの意見だ。今では当たり前のように知られているユダヤ人の強制・絶滅収容所の存在は、大戦の途中から報道などで徐々に他国でも把握されるようになった。そのことを考えれば、イギリスの閣僚クラスであっても、ナチス・ドイツの恐ろしい実態については把握していない部分も多かったはずだ。後世の人間は、結果としてチャーチルの下した徹底抗戦の方針を英断だと思う。しかし当時の人間には何がベストな選択かなど知る由もない。だからこそ、ハリファックスによる和平の主張も、国家の将来を決める上で大事な一つの意見なのだということを、2人の激論を見ていて思った。

どのような決断を下しても批判は出る。大事なのは明確な方針を立てて、それに沿った意思決定を迅速に行っていくことだと、チャーチルの振る舞いを見ていて思う。企業も同じなのではないか。

根岸 圭一