劇場公開日 2018年3月30日

  • 予告編を見る

「やはり異議あり」ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0やはり異議あり

2018年9月9日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

『台頭するナチに徹底抗戦すべく立ち上がった男の物語』に見えてしまうのだが、そんな簡単なものか。

ベルサイユ条約を破棄したナチに対して、英国内には逆にある程度の軍備を許容し、対共産主義との盾になってもらう政策があった。無論、王室はソ連の台頭など脅威でしかない。チェンバレンがヒトラーとの和平を推す背景には、過去の英国内の対ナチ戦略があるはずなのだがバッサリカット。

英国としての失敗・間違った判断を覆した男の話、ならまだしも、映画にするなら。また、ヒトラー以外のファシズム指導者に好意的であった姿も隠さないのが誠実だろうよ。ムソリーニを小馬鹿にする件はあるが、基本、彼はファシズムから何かを守るどころか、自分が見下して来た成り上がりモノが、大英帝国に手を出す事に、ヒステリックに応じただけに過ぎない。なんて方が今時な映画になりそうなもんだ。

地下鉄の市民の声に力を得たチャーチルは、あの歴史的な演説をする。そこまでの過程を美しく、少しだけ生々しく、一本道で描いた映画です。

リリー・ジェームス、きれいだわぁ。
ゲイリー・オールドマンの演技、すごいよ。

でも近現代史を題材にした映画としては認められない。Neverですわ。異議を唱えます。

bloodtrail