劇場公開日 2018年3月30日

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「見応え十分。イギリスにもあった党派争い。」ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0見応え十分。イギリスにもあった党派争い。

2018年4月1日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

チャーチルの第一次内閣発足から、ダイナモ作戦(ダンケルク大撤退)までの4週間を描いた映画。

ゲイリー・オールドマンが第90回アカデミー賞で主演男優賞、辻一弘が同じアカデミー賞で、その主演男優賞のゲイリー・オールドマンを似ても似つかないウィンストン・チャーチルに“変身”させた事で、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞しています。

ダイナモ作戦(ダンケルク大撤退)と言えば、昨年、クリストファー・ノーランの『ダンケルク』がありましたが、その撤退作戦に至るまで、イギリス政府指導部の内部では、こんな政治的な暗闘が繰り広げられていたんですね。チャーチルが、首相就任の頃、ここまで仲間の政治家たちに人気が無いとは知りませんでした。“挙国一致内閣”と言いながら、全然挙国一致していない。隙あらば足元を掬おうとしている政敵ばかり。リアルに国家の危機に瀕しているのに、議会政治の先進国であるイギリスにおいてすら、こんな状況なのかと、驚きました。まだまだ議会政治の世界で言えば野蛮な国である日本が、下らん政治的駆け引きに終始しているのも仕方ないのかな・・・。

それと思ったのが、いつの時代も、政党を移るような政治家は、政治家から嫌われるんですね・・・。日本でもそうですよね。

って言うか、乱世には暴れん坊・・・。日本でも、戦後の乱世の時代、チャーチルとどことなく風貌の似ている吉田茂が首相になって、長期政権を築いたことに気が付きました。政治家仲間から、なんとなく嫌われているのも似ていますね。

映画の話に戻ります。

ゲイリー・オールドマンがチャーチルを熱演していますが、彼の強気一辺倒のところだけではなく、党派争いで弱気になったり、アメリカからの援助を得ることが出来なくて絶望の淵にたったりと、様々な表情を上手く演じています。確かに主演男優賞モノですね。

上記の通り、似ても似つかないゲイリー・オールドマンがチャーチルになってしまったのですが、それ以外にも、顔を知っている人で言えば、チェンバレンも何となく似ていました。

最後ですが、微妙に“邦題あるある”に汚染されていますね。確かにチャーチルは、ヒトラーに勝ったわけですが、この作品は、その最後のところまでは映画いておらず、政権当初の立ち上がりの部分だけを描いています。そういう意味では、“ヒトラーから世界を救った男”と言うのは、言い過ぎでは無いかと?

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勝手な評論家