君の名前で僕を呼んでのレビュー・感想・評価
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人生における「幸福な出会い」について
恵まれ過ぎた少年の 年上の青年との ひと夏の物語 障害は ほとんど無く、北イタリアの別荘地で 人目も気にならない 原作は読んでいないが、映画では 同性愛については エリオが 教会の屋根の十字架を 一瞥する程度である アカデミックな両親のもとで、音楽や文学に親しむ早熟なエリオに 自分を、彼とオリバーの幸福な出会いに 長年のパートナーであった イスマイル・マーチャントとの関係を ジェームス・アイヴォリー(脚本)は重ねたのだろうか? 美しい風景の中で 少年の揺れる心と体が 瑞々しく描かれているが、光と影の 光ばかりを見せつけられていると、少々 だれる アイヴォリーには もう一人 、ルース・プラワー・ジャブヴァーラ(脚本家)と 仕事上の幸せな出会い があり、彼女との共同執筆だったら… と、思ったりもしたが、 製作過程に「大人の事情」が絡み、大胆なベッド・シーンのある アイヴォリー監督案が 見送られたことを知る これが全体の 緩慢さを招いている 出資者の反対と 主役二人の「全裸撮影禁止条項」なるものがあり、アイヴォリーは これに疑問を呈している (映画界は 女優を いとも簡単に、全裸にしてしまうのに!) 個人的には 折中案でなく、ジェームス・アイヴォリー監督作品で 強行突破して欲しかった それでも、エリオ役のティモシー・シャラメは 思春期の早熟な少年を 好演している そして 最後に父親が エリオに語る言葉が この映画の 総てを表している このために ジェームス・アイヴォリーは老骨に鞭打って、製作・脚本を手掛けたのだと思う この脚色が 数々の評価を得たのは、この名匠へのリスペクトと、その衰えぬ気骨や感受性、美意識に対する称賛、そして作品から 溢れる想いが伝わるからだろう
恋愛不感症でも、胸キュン
予告編でピンときた通り、大変好みの映像でした。 自然光でフィルム撮影、素晴らしいです。 レンズも一本しか使用していないとは(観直しに行こうかな??) 父ちゃん加点が0.5、車加点が0.5。 恋愛ものに胸キュンすることなど、滅多にない年頃になってしまいましたが、本作ではグッと来てしまいました(ストレートですけど)。 エリオ視点と同時に、オリヴァー側の気持ちも汲みすると、胸キュン度が上がりますね。 両親も含めて、なんて恵まれた環境なんでしょう。 でも車のセレクトのように、趣味が良すぎて信用ならない、みたいなところもあってちょっと面白いです。 『サスペリア』のリメイク、期待しちゃいますね。 楽しみにしています。
難解だが美しく。
美しい風景や心安らぐ音楽が素晴らしいが、なにより難しい…。今まで見た中でも5本の指に入るほどの難解さ。しかしこの難解さの訳を考えれば考えるほど人間本来の姿が浮かび上がってくる。 人間の感情は単純じゃない。単に好きだったり、単に嫌いだったりではない。この映画はその人間の抱く感情を細部まで丁寧に表現しようとしている。 他人の考えてることは全て分かるはずがないから、この映画が難解なんだと思う。エリオを囲む人々の温かさに触れ、オリヴァーの包容感が観客までにも伝わってくる。 でも主人公はこの映画の空間なのかもしれない。人の人との交わりこそがこの映画の主人公だとも思える。
映像だけの中身の無い映画、ただ眠くなる。気だるいだけでハツラツさと...
映像だけの中身の無い映画、ただ眠くなる。気だるいだけでハツラツさとかに欠ける。ヨーロッパ映画の特徴でゲイ描写も芸術なのか、。 屋敷の古めかしさやヘコんだソファや飛んでるハエもウザイ。唯一外での朝食がおしゃれ。息子の性のチョイスを寛容なのも凄い。
若さと夏
まず、景色がいい。イタリアの夏が絵になる。プールや川などの水の存在も、雰囲気を作り出している。80年代が舞台だから、携帯がないのもいい。便利だけど、何かを失っているんだろうなと再確認。 17歳の瑞々しい心と24歳の抑えているけど抑えきれない大人になりかけている心が、限られた時間と場所で燃える感じ。辛いね、だけでなく、若いね、と思ってしまうのは、30を過ぎて何かをなくしてしまったからですかね。(主人公のパパがそんなことを言っていた)若い時見てれば泣いたかな。 カシオっぽい腕時計とSONYのウォークマンが80年代の香りを引き立てている。なんて、いろいろ余計なことも考えてしまった(笑)昔を語れる歳になりました。 二人のいい体に癒やされた私って普通ですよね???
美しいけど
風景といい音楽といい色々と素晴らしい作品だと思いますが前半はつまらなくてちょいちょいうとうとしてしまいましたが中盤から徐々に面白くなって行きましたね! なにより俳優が凄い演技力で圧倒されてしまいました。 愛の形は色々とあると思いますが同性愛をこんな形に完成させた監督の凄さはもっと凄い物ですね
恋と愛について(対比ではなく)
想像を遥かに超えて圧倒的かつ細やかな、恋と愛についての映画だった 途中まで「眺めのいい部屋とモーリスを足して80年代に持ってきた感じ」くらいに思ってみてたらとんでもなかった この距離感と当事者感覚の両立ってなかなか達成できない気がする、そういう意味でもとても大人な視点で紡がれ、仕上げられた作品と思った しかも83年ってのがバブル前夜のわたしの好きな年、絶妙!エリック・ロメールを思い出すような絵だが、ちゃんと見る者を引きずり込むしっかりした演出 女の子たちや両親をはじめ、皆の描かれ方に愛があるのがまた素晴らしい この歳だからこそ見ながら考えていたことを、終盤で登場人物がすべて語ってくれ、涙で顔が痒かった James Ivoryは老齢に至って流石というべき置き土産を(殺すな) 原作も楽しみ!
悪くないですが
言葉で多くを語らないフランス映画の趣。正確にはイタリア・フランス・ブラジル・アメリカ合衆国合作らしい。悪くはなかったけど、ちょっと期待値高めすぎたかな、、あと長い。どのタイミングで何が動き始めたのか、私の理解力が足りなかったみたい。
何度も観たくなる美しき2時間
二回観ました。また観に行くつもりです。 一度目より二度目の方が、色々なことが見えてきて 感動します。 映像とBGM、原作と脚本、監督とキャスト。 全てがマッチした素晴らしい作品です。 主人公たちが経験した、人生で最も美しい一夏を 観ることは、観た人の心にも、美しい一夏を まるで自分の思い出のように残してくれます。
前情報なしに観ました。
BLの趣味が無いので、理解できず、ただただ嫌悪。 期待しただけに落胆が大きく、映画館に入ることさえ嫌いになりそうな今がある。 こんなに後悔した映画は初めて、クレイジー達の価値観を見せつけられて苦痛だ。泣
好みではないし感情は特に動かないけど、主人公の今だから出来る美しく...
好みではないし感情は特に動かないけど、主人公の今だから出来る美しくて中性的な佇まいとイタリアの美しい夏が相まって、美術館来たみたいだった。 パパもママも素敵だった。
とにかく美しい情景
評判通りの作品でしたが、同性愛の話なのでどこまで入り込めるか?共感できるか?というところはあると思います。ただそれを補ってもただただ情景描写が素晴らしく、音楽とのリンクと相俟って唯一無二の映像美が出来上がっています。Sufjan Stevensの音楽なしには成立しないと思えるほどサウンドトラックとの融合が見事で、それだけで観る価値はあるのではないでしょうか。強弱のはっきりしたストーリーを求める人には向かないかもしれないですが、映画のはじまりかたや最後の長回しにも美学を感じ、静かにもう一度観たくなる作品でした。
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