君の名前で僕を呼んでのレビュー・感想・評価
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純愛もの
【紺碧の空の下、80年代の北イタリアの避暑地の美しい風景を背景に描かれるボーイズラブ映画】
ステロタイプな物語の、完璧な具現化
ギリシア彫刻のような美少年と美青年の一夏の恋の物語。
エリオ(美少年)は、若干17歳にしてイタリア語もフランス語も英語も堪能なトリリンガル、川遊びに興じながら編曲を愉しむミューズのような少年。オリヴァー(美青年)は、ギリシア考古学を専攻する、太陽のように陽気なアメリカ人の博士課程の院生。
……と、設定を書くだけで、気恥ずかしさに思わず顔がにやけてしまう。誰もがどこかで一度は聞いたことがあるような、ステロタイプな物語だ。でも、多分それでいいのだ。この映画に、物語の斬新さや、あるいは深い感動を求めてはいけない。ミューズのような美少年と太陽のような美青年が北イタリアの美しい景観のなかで奔放に愛を語り合う、そんな手垢にまみれたステロタイプな物語を、誰も見たことがないような完璧なビジュアルで再現した点にこそ、この映画の見所がある。
女たちは物語の踏み台。男も、美と知性がすべて。
知性と温かみはあるが凡庸な中年男性そのもののパパによる唐突なカミングアウトは、美の世界から追放され、永遠にそれを手に入れ損なった男の悲哀を物語る。
御親切に、パパは専門家としての権威を発揮しながら、ギリシア彫刻の美の解説までこなしてくれる。彼自身は決してその世界に参入することはできないが、知を司り、エリオとオリヴァーの欲望を権威付けてくれる、最も重要な脇役だ。
深みのある話だとも、もう一度観たいとも思わないけれど、完璧な様式美の世界だった。
全てが美しい
美しい映像と切ない物語
美しいんだけどさー
君の名前で僕を呼んで
兄弟愛
淡々と、一夏の出会いと別れを描く。
淡々とし過ぎている(?)長い導入は、全てお父さんの語りかけに向けての助走だった。
あの寄り添いは白眉。
17才にしては幼いエリオ。駅まで迎えに来てくれるお母さん像も大好きなシーン。
イタリア映画にはかねてより“一夏の経験物”がいろいろあったが、エリオには男友だちがいない状況で そんな一人っ子エリオが兄貴分に惹かれてしまうというシチュエーションは新鮮だ。
ヘレニズム~ローマ時代の研究者としての父親は、男性同士の愛・フィリアがあの時代には自明の文化であることを知っていたし、その研鑽が身内に起こったまさかの事態をも受容する力となれた。
質実乖離しなかった父よ、あっぱれ。
⇒「ある少年の告白」との対極。
ただしトランクスを下げさせるシーンだけは不要だ。映画の持つ精神性はあそこで とことんぶち壊しになった。
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アイボリーの脚本は大好き。
「眺めの良い部屋」オススメです。
イタリアものはつい手が伸びます。
つまらん以上微妙未満
親の対応は大事
一生忘れられない映画。
タイトルなし
音が綺麗。風景が綺麗。登場するもの全てが美しいです。
男性同士の愛の物語でしたが、男女間の恋愛とほとんど変わらないのかなと。少し姿が見えなくなっただけで不安になったり、夜中に会おうと言ってるのに昼間から時間ばかり気にしたり、お互い傷つかないようにと片方が一方的に距離を置いてみたりと初々しい二人のやりとりが微笑ましく思えました。燃え盛る恋を暖色で演出し、哀しみを寒色で演出しているのも良かった。
ただ、全てが美しすぎて逆に疑問も。
あれだけの登場人物の中に同性愛に対して否定や拒否反応を示す人が誰一人出てこない世界観は(悲しいことだけど)リアリティに欠けるかなと。
終盤にオリヴァーの親にこの事がバレたら殺されるみたいな表現があったと思うけど、そういう登場人物を身近に置いておくべきだったと思う。オリヴァーの両親はその会話でしか出てこないから、エリオが裏切った彼女なりが担っても良かったと思う。 実際、ヤリ捨てられたも同然なんだから怒りの描写、もしくは悲しみの描写(こちらは多少あったが)があっても良さそうなのに、「私怒ってない~一生友達」の件はあの年齢にしては悟りを開きすぎじゃないかと(笑)
そういった観点から、最後はとても切ないけど、痛みに関してはもう一声欲しかったという印象が残りました。
最後のエリオの父の言葉は本当に心に染みました。ここが一番の見せ場だったかな。
たしかにイケメン度は高い
避暑地での一夏の恋って設定は観たことある。本作はそれが男同士の恋愛ってことがポイント。
たしかにイタリアの風景は美しかった。それだけで喜べる人もいるかもしれない。でも私が重視するのは脚本なのですよ。
そういう意味で本作は盛り上がりが足りない。隠れて関係を結ばなければならないのに、意外と無頓着。周りで何か妨害する出来事が起こるわけでもない。最後の電話が唯一の見せ場な気がした。
でも、電話の後で父親が言った言葉がとてもよかった。あれが言いたかったんだろうな。あのシーンだけで評価が0.5~1は上がる。
あと、ラストのエンドロールはたしかに意欲的。いろんな意味が含まれたラストだった(と深読みする楽しみを残した)。でも、それだけでは評価できないなー。
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