劇場公開日 2018年4月27日

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「若い人も、かつて若かった人も」君の名前で僕を呼んで けちゃっぷさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0若い人も、かつて若かった人も

2018年3月7日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

泣ける

悲しい

幸せ

観終わった後に作品の世界から抜け出すことが出来ず、数日ぼーっとしてしまう、、
そんな映画に時々出会うことがありますが、これはまさにそういう作品でした。

この話は恋愛物であると同時に家族の話でもある思いました。
映画の主人公であるエリオの両親は、息子に対する距離がとても近いのです。

例えば、エリオの両親が17才の息子に膝枕をしながら本を読み聞かせるシーンがあります。自分にはありえないことで違和感すらありました。
けれどこの両親は息子の心の機微を敏感に感じとっています。わかった上で詮索するのではなく見守ります。このような温かい両親の下で育ったおかげで、エリオは繊細で純粋な魅力に溢れているのだと思いました。

終盤のエリオと父親のシーンは大変感動的です。ラヴェルの「マ・メール・ロワ」からの「妖精の園」という曲が効果的に流れます。

私は1983年にはオリバーに近い年齢でした。今はエリオの両親に近い年齢でエリオよりも大きい息子がいます。
自分自身の甘酸っぱい気持ちや、当時を懐かしく思う気持ち、自分の子育てへの反省など、いろいろな気持ちが束で押し寄せて来て涙が止まりませんでした。

若い人にはもちろんですが、かつて若かったすべての人にも刺さる作品だと思いました。

けちゃっぷ