「ただ単純に痛快な映画」デッドプール2 ossdansさんの映画レビュー(感想・評価)
ただ単純に痛快な映画
ただ、ジョークの中にはアメリカの文化や政治に根ざしたものも多く、個人的にも、こちらの観客的にも爆笑だったジョークは日本公開時にはスベりまくりそうで心配です。
例えばユキオ(忽那汐里)がネガソニック・ティーn(略)の彼女として初登場した際、
ネガソニック:「レズビアンだからってなんか文句あんのか」
デッドプール:「落ち着けよ、『フォックスアンドフレンズ』じゃないんだから(トランプ大統領お気に入りのワイドショー)」
というやり取りが大ウケでしたが、日本でこういったジョークが通じるとは思えないです。アメリカ社会における人種差別・公民権運動・性別差別などについての冗談もあちこちで飛びますが、これもなかなか訳すのは難しいと思われます。
デッドプールの面白さはなりふり構わないジョークの数々にあるのですが、ジョークの背景がわからないとただ騒いでるだけのバカ映画で終わりかねないと感じました。
どうでもいい話ですが、DP1/2ともにウルヴァリン: X-MEN ZEROとの整合性についてちょっと気になってましたが、今作のポストクレジットでしっかり辻褄が合わされてました。タイムマシンを手に入れたDPが2009年のウェポンXI登場シーンに戻って、ウルヴァリンに謝りながら旧DPを射殺。
「ちょっと時系列を浄化しにきましたー」とのこと(笑)その後グリーンランタンのオファーを受諾した直後のライアンレノルズも無事「浄化」完了。
俳優本人も、ライバル・DCコミックスも、デリケートな社会問題も平気で茶化すなりふり構わないところにこの映画の面白さがあります。