「いざ、"静かの海"へ」ファースト・マン タランティン・クエンティーノさんの映画レビュー(感想・評価)
いざ、"静かの海"へ
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月探査計画を描くために人間がいるのではなく、
人間を描くために月探査計画がある映画でした。
そもそも伝記を基にした映画なので当たり前といえば当たり前だとは思いますが。
空気が無いため、音も存在しない宇宙空間。
その静かな宇宙の中の、「静かの海」と名付けられたその場所に、一人の寡黙な人間の、静かな悲しみと静かな孤独がありました。
万が一の事態のためにニクソン大統領が用意した追悼文の結びにはこうあります。
「すべての人々は、夜、月を見上げるたびに、そこに永遠に人がいることを想うだろう。」
この言葉は、幸運なことにアポロ11号の生還により実現しませんでしたが、一人の父親にとっては、まさしくこの言葉の通りになったのでした。
そして、もしかしたら、この映画を観終わったすべての人にとっても。
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