「勇敢なオギー姿には泣けたけれど…」ワンダー 君は太陽 とえさんの映画レビュー(感想・評価)
勇敢なオギー姿には泣けたけれど…
泣いたわー
予想通り泣いたー
生まれつきの障害により、他の子とは違う顔を持つ少年オギーは、これまで自宅学習をしていたが
ミドルスクールからは、他子たちと同じように学校に通い始める
しかし、同級生たちは、オギーを化け物扱いし…
原作が児童小説だけに、子供の心に寄り添った物語になっている
見たものをそのまま感じる子供たちは、オギーを化け物扱いするし
当然のようにイジメにも遭うし、友達の裏切りも経験する
けれど、初めはオギーの見た目に慣れなかった子供たちはも、
やがて幼いなりに「見た目よりも中身」であることを学んでいく
私には子供はいないけれど、すっかり親の目線でオギーのことを見ていて
オギーのような子供がいたら、いてもたってもいられないだろうと思った
それでも、ジュリア・ロバーツ演じるお母さんは、「かわいい子には旅をさせよ」のような気持ちで、誰よりも優しく賢い息子の背中を押して学校に通わせたし、
その苦渋の選択は正解だったと思う
オギーが学校へ通うようになって、オギーだけでなく、クラスメイトたちも、一年でオギーからたくさんのことを学んだからだ
ただし、これはファンタジーだと思ってしまうほどに、全てがうまくいきすぎだし、ここに真実はない
いくら小学生だといっても、悪魔のような子はいるし、そういう子を排除すれば問題が解決するわけでもない
オギーは、これから社会へ出ていくにあたり、いかにそんな悪魔と共存して生きて行けばいいのかを学ぶことが、本当の教育だと思う
周りの子たちが100%改心するなんてことは、ただの理想郷であり
臭い物に蓋をしてやり過ごすのでは、
いつまでも免疫ができない
そうではなく、本当の社会の汚さを知ることも、生きていく上で大切なスキルなのだと思う
さんざん泣いておいて、こんなことを言うのもなんだけど
その辺に児童小説ならではの、物足りなさを感じてしまった
イジメの根っこはもっと深く広く張り巡らされたものだと思う
ただ、どんな時も負けないオギーの強さは素晴らしかったと思う