ワンダー 君は太陽

ALLTIME BEST

劇場公開日:2018年6月15日

ワンダー 君は太陽

解説・あらすじ

全世界で800万部以上を売り上げたR・J・パラシオのベストセラー小説「ワンダー」を、「ウォールフラワー」のスティーブン・チョボウスキー監督・脚本で映画化したヒューマンドラマ。ごく普通の10歳の少年オギーは、生まれつきの障がいにより、人とは違う顔をもっていた。幼い頃からずっと母イザベルと自宅学習をしてきた彼は、小学5年生になって初めて学校へ通うことに。はじめのうちは同級生たちからじろじろ眺められたり避けられたりするオギーだったが、オギーの行動によって同級生たちは少しずつ変わっていく。「ルーム」で世界中から注目を集めた子役ジェイコブ・トレンブレイがオギー役を務め、「エリン・ブロコビッチ」のジュリア・ロバーツが母イザベル役、「ミッドナイト・イン・パリ」のオーウェン・ウィルソンが父ネート役をそれぞれ演じる。

2017年製作/113分/G/アメリカ
原題または英題:Wonder
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2018年6月15日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第90回 アカデミー賞(2018年)

ノミネート

メイクアップ&ヘアスタイリング賞  
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(C)2017 Lions Gate Films Inc. and Participant Media, LLC and Walden Media, LLC. All Rights Reserved.

映画レビュー

3.5 難病ものをユーモアで描く

2018年6月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

笑える

「最強のふたり」以降、難病ものを感動ものとして単純に描く作品は減り、代わりにユーモアを交えて描く作品が増えた印象を持っていたが、本作もまさしく新タイプの作品。お涙ちょうだいよりも、やさしい笑いで作品全体を包んでいる。

顔が生まれつき歪むトリーチャーコリンズ症候群を抱える少年、ジェイコブが初めて家庭以外の社会、すなわち学校に行くことで起きる様々な障害、葛藤、そして友情を描いている。イジメはもちろん起きるのだが、彼の持ち前のユーモアと優しさで少しずつ友達が増えていき、楽しいスクールライフを送れるまでになる。

この映画は悪人が出てこない。いじめっ子はいるが、彼らとも和解する。おそらく現実はもっと冷たい悪意があるのかもしれないが、こういう世界であってほしいという作り手の願いが優先されているようにも思う。でもこの映画はそれでいいんだろう。世界のどこかに優しさがある、と信じる力になれるのだとしたらこの映画はそれだけで価値があるはずだ。

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杉本穂高

4.5 互いに照らし合い、輝き合う。登場人物らが織りなす有機的で澄み切った関係性に自ずと涙がこぼれた

2018年6月28日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

楽しい

幸せ

こんなに心からの涙が流れたのは久しぶりだ。何も泣けることだけが作品の基準ではないが、主人公のみならず、彼を支える家族や友人の側からも独自の章が語られる時、それぞれが互いをしっかりと照らし合って生きている現在進行形の姿がとても輝かしく胸を貫いたのだ。ああ、この登場人物は、口では言い出せなくても、内面ではこんなことを思っていたのか・・・その心の内側の混ざりっ気なし、純度100パーセントの感情に触れられる幸せ。これほど人間の明るく肯定的な側面に光を当てた映画は、最近では珍しいかもしれない。

人間関係は決して一方通行ではない。我々は時に太陽になったり、惑星になったり、月になったりしながら、支え支えられ、照らし照らされつつ、生きている。こういったテーマを決して説教くさくならない等身大の視点で、爽やかに描ききっている部分が本当に素晴らしい。『ウォール・フラワー』の逸材は又しても傑作を作り上げたのだ。

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牛津厚信

5.0 皆、孤独を抱えて生きている

2025年11月13日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:その他

泣ける

幸せ

人は誰しも、コンプレックスを抱えて生きている。見た目、親からの愛情、性格、家庭環境、経済力…周りと比べ、普通から外れることを恐れ、嫌悪する。子どもの世界では特に、だ。
主人公は生まれつきの見た目のことで、最初は他の子ども達から煙たがられてしまう。「いじめられるくらいなら学校に行きたくない。」集団の中で感じる孤独は、とても辛いものだ。しかし、学校に行くのをやめた時、人間関係を諦めてしまった時、主人公は本当に孤独になってしまうのではないか。すれ違いや衝突を繰り返しながらも、諦めずに言葉を交わす先にある「孤独の克服」こそが、社会を生きていく上で必要な経験であり、喜びなのだと思う。
劇中では、数々の登場人物の視点から見た世界を知ることができる。それぞれが孤独の克服に向かって、ぶつかって、支え合って、勇気を出して生きている。皆、陰ながら闘っているのだ。その闘いに上下関係は存在しない。だからこそ家族、友人、恋人、誰でもいい。分かち合える者同士で、各々の健闘を讃え、労り合おう。その時間こそが、幸せなのだと思う。

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がんもどき

5.0 優しい気持ちになれる作品

Yさん
2025年11月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

「なぜもっと早くこの作品を見なかったのか」と後悔しました。
外見で人を判断してしまう世の中が憎いです。でも、最初から内面だけを見られる人なんていないとも思いました。

私も最初は、宇宙服を着た可愛らしい子だと思っていました。けれども、実際は顔に違いを持つ子供で、ぱっと見では“可愛げがない”と思ってしまった自分がいました。
でも、彼の中身は本当に普通の子供で、楽しいことも悲しいこともある。みんな同じなのに、外見が違うだけでこんなにも判断されてしまうのが悲しいです。

オギーは苦しい思いをしながらも、諦めずに頑張っていました。だからこそ、本当に信頼できる友達ができたのだと思います。彼はとても強く、立派な子です。

そして、オギーの家族にもちゃんと光が当たっていて、それがまた素敵でした。みんな本当に良い子で、誰もが賞をもらっていいくらい頑張ったと思います。

また、映像の描写がとても綺麗で、色合いも優しく、誰でも見やすい映画だと感じました。重いテーマを扱っていても、全体が温かく包まれていて、安心して見られます。

見終わったあと、心が温まり、優しい気持ちになれる作品でした。

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Y

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