「"言葉"はノーマジにも使える魔法」ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生 Maryさんの映画レビュー(感想・評価)
"言葉"はノーマジにも使える魔法
アルバスも言ってましたね、言葉は人を癒すことも、傷付けることもできる。
だからジェイコブだって言わなかったのに。
恋は盲目にしても、恋の魔法なんてね。ふたりが心から想い合ってるからつらい。
思っても言わないことが大切なんだって、言葉にしてしまったジェイコブを見て気付けた。彼女の前では何の役にも立たないけれど。
「レストレンジ家の女性は花で表される。美しいけど、ただの飾り。」
"愛情のない親から生まれる子ども"と言えば、ヴォルデモート卿が真っ先に思い浮かぶ。
トム・リドルの母親メローピーは明記はされていないけれど、おそらく恋の呪文を使った。
親からの愛情を受けられず孤児として育てられたトム・リドルは、都合良くマグルの父親を憎み、殺し、母親の血筋だけを自己肯定の頼りにして闇の帝王となった。
そしてリタの父親は、服従の呪文を使った。
父親から愛情を受ける、赤子の弟を煩わしく思ったリタは、米国へ渡る船で赤の他人の子どもとすり替えた。
"みぞの鏡"に"暗い海へ沈んで行くシーツ"を見るリタは、自身の罪を背負いながら生きていく。
ここはアルバスに重なる。
L+Nの文字をなぞって、自分は悪い生徒だったか尋ねるリタに、アルバスは自身を見たかも知ない。この頃のアルバスが既に開心術を使えていたかは謎だけれど。
みぞの鏡にゲラートとの思い出を見ていたアルバスだから、「私は苦しみを背負って生きていく、君はそうなるな」なんて言ったのかも知れない。このシリーズの最終回に、家族を見るアルバスがいたら胸熱だ。
そんなアルバスも"血の誓い"によってグリンデルバルドとの対面を阻まれていたことが判明した。ハリーポッターを読んでいて腑に落ちなかった部分なので、これを知れてかなり満足。
しかし、何故そんなことをしたのか?と考えると、益々つらくなる。未来を予感していた、もしくは彼のことだから…"見えていた"、ゲラートの予防線だったら悲し過ぎる。
さて、リタの話に戻ろう。
レストレンジと言われたら、死喰い人の一族、正直あまり良いイメージは湧かない。しかし、彼女は罪と向き合うという点で高潔だった。弟を殺したという罪を背負って、グリンデルバルドに立ち向かった。絶対に靡かなかった。
シリウス・ブラックの「誰しも心の中に光と陰の面を持っている。大事なのはどちらの道を選ぶかだ。人間はそこで決まる。」という言葉を体現しているように思う。
最期に囁いた"I love you."は、誰に向けたものだったのだろう?
どちらに向けたものだったのだろう。
全く以てずるい脚本だ。そういうとこだぞ、ローリング女史!
リタ・レストレンジ、あぁ、好きだなぁとやっと気付いた頃には…。
今作限りの登場とは思えないくらい、厚くて魅力的な人物でした。
「生まれがあなたのすべてじゃない」
まさかナギニの口からこんな言葉が出るとは…!
後にヴォルデモートと行動を共にすると考えると、この言葉に無限の想いを感じる。
その上、引き留めようとはしても、クリーデンスに着いてはいかなかったのがまた…。ホントそういうとこ。
今後、トム・リドルとの出会いが明かされることに期待。
アイデンティティを探してもがくクリーデンスにこそ、トム・リドルが重なる。
それにしても、ありえない。クリーデンスがアルバスの兄弟だって?
グリンデルバルドの嘘かね、しょうもない奴だなぁ?
と思うにしては、ダンブルドアの象徴とも言える"不死鳥"が現れるという妙な説得力。
不死鳥と言うからには、不死鳥は死なない。炎は灰に還って、また生まれる。そんな不死鳥の雛が、どうしてあのタイミングでクリーデンスのもとに居たんだろう?
やっぱりグリンデルバルドの仕業じゃないのか?
☺️💭💭💭
真相は二年後、もしくは四年後、六年後……。
待ちきれない、待ちきれるわけがない!
"ありえない"今のファンタビの世界は、パラレルワールドなのかも知れない。という考えが過ぎった。
都合良く、魔法界にはタイムターナーなんて便利な道具がありますし、それによってめちゃくちゃになったお話もありますしね…😌💭
そうだとしたら、1920年代にピンクの服を着て300点も減点するマクゴナガル先生がいるのも、死んだはずの母親とアズカバンにいるはず(もしくは既に獄中死している)の父親から弟が生まれるのも、説明が…つ…かないことも無いかも知れない。
ローリング女史のことなので、私達では想像も及ばない展開が待っているのかも知れない!
とにかく、はやく二年経たないかな。