銀魂2 掟は破るためにこそある : インタビュー
――前作の公開初日から、続編製作は内定していたそうですね。
小栗 僕が福田さんに「来年、何月が空いてるんだっけ?」と言われたのが、前作の公開初日くらい。本当は今作の撮影時期には、僕は別の仕事が入っている予定だったんです。だけどそれがなくなったので、福田さんが「小栗くんが2カ月空いたし、お笑いだけじゃなくて、ちゃんとしたのをつくる!」となって。そしてまず、菅田くんと環奈ちゃんのスケジュールをフィックスさせるのが大変だから、一番早く声がかかっていたと思います。
――出演するにあたって、期待していたことは?
小栗 キャバクラと床屋をやらせてもらえることですね。特に床屋では、マゲを引っ張られた将軍の顔をどうするのかと思っていました。CGでいくのかな、どうするのかなと思ったら、目の前にあの人形が現れて。びっくりしました。
菅田 あの人形、どこかに飾って欲しいですよね。本当にすごかった。作っただけで勝ちだ、というくらい。
橋本 (大笑いしながら)あれはよかった~。めちゃくちゃおもろかった。涙の流れ方とか、完璧でしたね。
――撮影中に思わず笑ってしまうことは、やはり珍しくなかったんですね。
小栗 一番きつかったのは、床屋です。あの日は疲れました、ヘトヘトでした。もう人形がたまらなくて、その横で必死に叫んでいる新八がいて。
橋本 新八、「限界突破です!」って(笑)。
小栗 一瞬、背負い投げみたいな形で僕の顔がカメラから外れるんですけど、そのときは完全に笑っていました。
菅田 床屋でいうと、無言の時間もやばかったですね。
小栗 やばかったな~(笑)。僕ら3人が15秒の間をとった後、新八がセリフを言うシーンがあるんです。でも15秒“無”って、結構長い。それぞれ心のなかで「1、2、3……」と数えるんだけど、8くらいから笑えてきちゃって。
一同 爆笑
小栗 何だ、この間! みたいな。この仕事していて、15秒一切動かないことってなかなかない。セリフがなかったとしても、動きはありますから。
菅田 こっちは音楽もなければ、動きもない。
橋本 ただの“無”。
菅田 無音が明けて、セリフでは僕が「ん?」って言うんです。その後の小栗さんの「ん?」が、まあ~早くて。僕はあの間が、下手したらこの映画で一番好きです。
小栗 (笑)。食い気味の「ん?」ね。(新八)「ん?」(銀時、間髪入れず)「ん?」。
菅田 皆さんには「あの前に15秒の間があった」ことをわかっていてほしい。小栗さん、いつ僕が「ん?」って言うのかわからないにもかかわらず、完璧なタイミングで「ん?」ってきたから、おかしくて(笑)。あの空気は現場でしか味わえないですよ。
小栗 こういう話は万事屋3人ではできるんだけど、ほかのメンバーは今回、ほとんど“おもしろ”をやっていないんですよね。自分たちは面白いことを多くやっていたけど、映画を見たら真選組はド真面目だったから、びっくりした(笑)。
菅田 ラスト付近の真選組を僕らが見ているシーンで、銀時がすごくかっこいいセリフ言うじゃないですか。でも現場では、“おもしろ”の流れで来ている僕らが、格好つけてる銀ちゃんに笑う、みたいな感じだった。
小栗 この2人、現場で僕に「なに真面目ぶっこいてんの?」って(笑)。
菅田 だって小栗さん、「俺、今からかっこいいこと言うわ~」って肩回してるんですよ! 小栗さんが乗ってくるんですよ!
橋本 「かっこいいこと言うわ」はダメですよ(笑)。めちゃめちゃ面白い。ふりにしか聞こえない。
菅田 それでも映画を見たら、(手で口を覆って)「うわ、銀ちゃんすごくいいやん、真選組の気持ちも汲んで……」ってなりました。
――映画冒頭で、万事屋3人のボイスオーバーがあります。多方面をいじる“ギリギリアウト”な内容でしたが、日本の賞レースに対する“魂の叫び”もありましたね。
小栗 今回も、うまくヒットしたとしても、どこの賞にも引っかからないと思います(笑)。
菅田 ただ、真選組は評価してほしいですね。
小栗 そうだね。あそこはちゃんと芝居として見てくれたら嬉しい。でも僕らは、ただの賑やかしなので(笑)。冒頭で僕、「○○○○○賞、くれー!」(編集部注:自主規制)と叫びましたけど、僕にはこないでしょうね……。
菅田 あれ、アドリブですからね。
小栗 賞が欲しいんですよ。もらえねえかな。
菅田 授賞式で「銀魂」テーブルがあったら、おもろいですけどね。
小栗 周りにいる作品、多分「○○○の○○」とかだろうな。でもまあ、皆さんとは
日本○○○○○賞でお会いできたらと思います。
菅田 僕は去年、最優秀主演男優賞をもらったので、今年はプレゼンターで授賞式に行くんです。小栗さんに(ブロンズを)渡したいですよ。
小栗 (笑)。「銀魂2」見て思ったけど、これでは主演男優賞、もらえないわ!
一同 爆笑