日日是好日のレビュー・感想・評価
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ほっとする
黒木華さん演じる主人公をはじめどのキャストにも特別な出来事はない。その分、自分の人生や悩みと重ねながら、感じることや考える部分がたくさんある。
所作の綺麗や、お庭、掛け軸、いろんな部分で四季の美しさなどを感じ、日本の良さを感じることも出来る映画だった。
落胆も大きいが日日是好日
土台のテーマが深いので、監督含めて「わかってない」レベルの人達が無理して作っているという感じが全体的ににじみでており、途中で寝てしまっているヒトも多かったですね。無理もないと思います。お茶のシーンの映像の切り取り方や表情の切り取り方、お茶を極めたヒトが監督や脚本をやらないと多分ダメな作品だと感じました。原作は良いのでしょうか。。期待せずに見てみようとは思いますが、まあこんな作品に二時間近く使ってしまう日もあります。日々是好日。
心に沁み入るような作品でした
主人公・典子が母親の勧めで何気なく始めた茶道を通じて、感じ、そして学んだ様々な人生訓を、20数年に亘る武田先生との子弟関係を絡めて描いた作品。原作未読。所作の「形」を学んだその先に、自然と人の世の移り変わりにさり気なく寄り添う茶道の深遠な世界を垣間見たような気がしました。毎年毎年、同じように繰り返されるお茶事には何か悠久の営みのようなものを感じます。その前では、人の苦しみや悲しみも季節の移ろいのようなもので、毎日を迎えられたことこそが僥倖であり、それが作品のタイトルである「毎日が好日(よきひ)」に通ずるのでしょう。主人公の20数年を一人で演じた黒木華さんが見せる多彩な表情は、多感な主人公の心情を映し実に見事でした。そしてその主人公の人生の困難な時も優しく包み込む先生役の樹木希林のたおやかさが何とも心地良く、観る者の心まで慰さめてくれるようでした。「続けられることが幸せ」、武田先生の最後のこの言葉は、生涯役者を貫いた樹木希林さんの人生とも重なって心に染みました。合掌。
見るだけで心静かに
「日日是好日」は前から好きな言葉ですが、劇中の「毎年同じですが同じことを出来ることが幸せなんだと思います」「日々季節の移ろいを感じることが幸せ」という台詞に、そういうことなんだと再確認しました。
女優と日本伝統にうっとり
何気なく観たのですが、実に良い映画だったと思います。
茶道を通じて若い女性が人生を学んでゆく姿が、清涼な空気感の中で語られていて心地よい。日本の伝統的所作の美しさ、特に茶道における手先の美しさにうっとりとしました。静かだけど、決して退屈することはありません。
女優陣が皆さん素晴らしい演技をする中で、やはり樹木希林の存在感と緩急付けた芝居が作品に面白さと深味を与えてます。
新年の茶席で希林さん演じる先生の挨拶は、この映画のタイトルにも、女優樹木希林の生き様にも通じるもので感動的でした。
がん告知から数年の希林さんの演技はどれも素晴らしく、リアリティー溢れる人間像でした。
共演の黒木華、多部未華子等、若い女優に彼女の魂が受け継がれる事を信じ、冥福を祈りたいと思います。
雨音がこれほど心洗わる気分にさせてくれる映画はなかなかない
「頭で考えずに手を信じなさい。」
なるほど、その言葉の意味するところがすとんと腑に落ちてきた。現代人はなにかと、それは何故か、その意味はどこにあるのか、と納得ができないと気が済まない質である。それは、ググればたいていのことが明らかになる世の中になってしまったからであろう。400年以上も続いてきた茶道には堅苦しそうな様々な形があり、初心者には不可解な決め事が多いと映る。だけど、その形にはそれなり理由がある。何度も何度も繰り返すことで、いつしか自然とその無駄のない動きとなっていく。その時に「頭で考えないうちに手が動く」所作となっている。その言葉の意味を、この映画は押し付けがましくもなく教えてくれる。
「世の中には直ぐにわかることと、直ぐにはわからないものがある。」と言う言葉もそうだ。「気づき」を知った人は、日々これまで気にも留めなかったことに気づきだす。すると、自分に関わる全ての人、もの、感情、季節、気象、日々変わっていくもの、変わらないもの。そんな諸々の物事が愛おしくなる。本当に大切なことは、あとからゆっくりと気付くのだ。そしてそれに気付いたからこそ、とめどなくじんわりと流れる典子の涙が清らかなのだ。
この映画は雨のシーンが多い。あるシーンで典子が床の間に掛けられた言葉に気付く。そして何かを思い出しながら、優しい笑顔をしたまま目に涙を溜めた。とても心優しいシーンだった。僕も、先生が雨模様の天気に合わせて選んだ掛け軸だと気付いていた。典子も、そう感じたのだ。先生のその気持ちに気付いて、今の自分の境遇と重ね合わせて、自然と潤んできたのだ。そんな典子の感情を共有するかのように、微笑みとともに僕の目にも涙があふれた。
心温まる作品でした
お茶の世界から季節の移り変わりや年々の経過を感じる感覚が伝わってきました。華ちゃんも未華子ちゃんも良い感じで師匠の伝統を受け継いでください!
樹木希林さんの御冥福をお祈りします!
是非映画館で🎦
難しい事は時間をかけてゆっくりと「道」を紐解いていく自然に即した世界観が素晴らしいですね!
私は残念な事に森田典子氏の原作を未読の為、原作の素晴らしさや、面白さ、人気の秘密を知らない。
本作の物語は至ってシンプル。主人公の典子は大学時代に将来に対する展望が見出せずに、モンモンとしていた矢先に、両親の薦めで全く正反対のキャラの従妹の美智子と一緒に茶道を習い始める事になる。そのお稽古の日々を追いながら、学生から大人へと成長していく一人の女性の姿が描き出される物語。シンプルな物語だが、実に典子の成長する様が清々しく、心が洗われる作品だった。
私は、茶道も書道も習った経験は無く、武道の類も習った経験がゼロの為に、日本古来の伝統文化の神髄を全く何も知らないでこれまで過ごして来た事はとても残念だと、本作を観て思った。
映画の中心には、常に茶道のお稽古のシーンが描かれていて、四季折々の時の変化の流れの中で少しずつ大人へと成長していく、典子の姿を詠い挙げて行くのが実に晴れ晴れとして、映画を観ている私達にも、典子の気持ちの変化が自然と伝わって来る、素敵な作品だった。
茶道等の日本の伝統文化とは、一つ一つのお作法を重んじ、その一つ一つの手順を忠実になぞり、真似る事で日常の忙しさの中では決して観えてくる事の無い世界へと、自らを誘い、その様式美を追及する事で、自己の内感を深めていくと言う誠に深い世界感を持っている文化で有る事をお恥ずかしながら、この歳で本作を観る事で知りました。
この作品では、お軸の大切な意味も出て来ましたが、茶室でお茶を本来頂く時は床の間に飾るお花まで御亭主の心遣いが現れ、茶室全体の空間その物を、お客様に提供する訳ですから奥深い、おもてなしの心の総てが詰っている世界なんですね。
最近では時代劇が映画化される機会も激減し、日本人の護ってきた伝統美、様式美、そしてその中心に息付く、自然の流れと共に有る日本人の心、魂をみつめる「道」の世界の素晴らしさを描いた作品が少ない現在、こうした心のぶれない生き方を示してくれる本作に出会えた事は実に素晴らしく意義深い事だと思います。
戦後の日本、占領政策の中で一番に阻止された事が武道や書道、華道。これらの伝統文化は日本人の根幹で有る精神性の向上を育む大切な習い事である為に、「道」と名の付く伝統文化が余り一般的に普及されないように西洋式重視の文化へとシフトされた事は残念な側面でもある。
2020年オリンピック開催を目前に控えた私達の国、日本で、日本人の心を表現出来るような本作が制作された事は非常に嬉しい事だ。
映画本来の話から脱線しているが、どうかお許し頂きたい。
黒木華は最近公開作品で「散り椿」「億男」等沢山お目見得する機会の多い女優さんだけれども、
彼女の女優としての成長する姿が本作の典子と自然と重なり合い、そしてお茶の師範を演じた樹木希林も、本作で描かれる「一期一会」の心の総てを、武田先生を演じながら、俳優人生の力の総てを懇親の芝居でご披露して下さって逝った事に、心より感謝を申し上げたい。
私は子供時代「寺内貫太郎」のドラマを観て育った世代なので、立派な名脇役と言うより、もっと身近なお茶の間、お婆ちゃん俳優と言う気持ちが強いのだが、本作程彼女の遺作として相応しい作品は他にはないだろう。希林さんのご冥福を心よりお祈りすると共に、本作の更なるヒットをお祈りしたい!
「茶道」の奥深さ
「日日是好日」この映画で覚えた素敵な言葉。この言葉が優美に表現。一期一会とも置き換えられる。日々繰り返される一日一日に幸せを噛みしめられる感受性の素晴らしさは年輪とともに体感できていくもの。それを達観して受け止め表現できた偉大な女優、樹木希林さんが演じることに深みが増す。道を究める「茶道」の奥深さも五感で教えてくれる映画です。
二十四節気☆
「茶道」を通して、いろいろなものが描かれます。
女性の成長、お茶の作法などなど・・
でも、何より二十四節気のうつろいとその言葉の
美しさに心惹かれました。
それにしても、樹木希林はすばらしいです。
彼女なくして、この映画はなかったと思われます。
是枝監督の作品も ずっと見てきたので亡くなったことが
信じられません。
大昔に、お茶を習っていたことを思い出し、いつかまた
やってみたいと思わせる映画でした。
何事も取り組む時は、自分の心の持ち方次第。 素直に、目の前の事に誠...
何事も取り組む時は、自分の心の持ち方次第。
素直に、目の前の事に誠実に。
頭だけで考えるよりもまずは行動、習うよりも慣れる、全てに意味を求めない。
って事を感じました。
上手く言えませんが、随所にこの様な事を感じました。そして樹木さんと多部さんと黒木さんのやりとりにクスクスそしてほっこりな映画でした。
そのころ百歳
樹木希林さん素晴らしい、ボンヤリ座っているだけで、息つくだけで様々な思いに気づかされる、そして笑いをとるのも彼女
本当に百歳での演技も観たかった、残念でならない
鶴見辰吾さんの父親視線もじんわりと温かく登場のたびに心動かされた
比較するものではないが、主人公の演出はいただけない、心情のほとんどをト書き的に言葉で語っているが、演技で伝えないと映画だもの
タイトルなし
主人公の20歳からの二十年間を茶道の習い事を通して淡々と描いている。
茶道の稽古で感じたことを綴ったエッセイを原作に、
よく一本の映画に仕立てあげたものだ。
映画のほとんどは稽古場の茶室が舞台で、
四季の移ろい、時の経過を庭の風景や茶菓子、掛軸などのカットで現す。
それらのカットは、黒木華の静かな語りによって説明される出来事による主人公の心情に重なる。
大森立嗣作品としては新境地と言えるのではないだろうか。
樹木希林の演技はいつものとおり、独特の間合いで微かな笑いを誘いながらも、説得力がある。
あの人が演じると、小豆を煮る様子も、茶道の所作も、本物のように感じる。
地味な顔立ちの黒木華に対して、多部未華子はくっきりとした顔で対比が明確だ。
フェリーニの「道」が例えに使われているが、悶々とする黒木華演じる典子に、典子にとっての茶道は「道」みたいなのもじゃないかと多部未華子演じる美智子が言う。
冒頭、典子と美智子は仲良くないのかと思ったけれど、美智子は物事がよく見えていて、時に典子の迷いを晴らす役割だった。
そして、典子はそんな美智子を認めている関係。
鶴見辰吾が、静かに暖かく娘を見まもっている父親を好演している。
聴く映画
全編通して「音」が主役だったように思う。
熱い、冷たい、温かい、優しい、涼しい、寂しい、楽しい、悲しみ、若い、老い…映画のなかの景色、感情、季節を聴くように鑑賞しました。
ありがちな展開のストーリーを音で聴かせる作品にしたことで特別なものにしている。「音」をそこまで聴かせる俳優さんたちも素晴らしかったです。
終わってからも「音」を思い出せるような映画でした。
2018年度ベストムービー!
"茶の道"に興味を持ちました…自分でもやってみたいなぁ…あんな優しい先生が教えてくれるなら(笑)
*究極の様式美であることの意味が、あまりにも深いと感じざるを得ない茶の心の大らかさ…感動しました!
*雨のシーンが印象的で、ちょっと鳥肌立ちました…。
*とても分かりやすい映画です。
静寂に包まれながら淡々と
四季折々、静寂に包まれながら、長く続く人生を、茶道に反映させて描かれる作品の意図は明確に捉えることはできたけれど、如何せん、茶道や時候に疎い自分では作品の中に込められている真の思いなど感じ取ることなどできるわけなく、目の前に展開する美しい映像をただ漫然と眺めているに過ぎなかった。
力が入っていない樹木希林はお茶の先生にか見えなくて凄いな~、とか、学生の黒木華とその友達はどう見ても社会人にしか見えなかったし着物の黒木華のほうが自然で凄くいいな~、とか、そんな表面的なところでしか作品を楽しんでいなかったような気がする。ついでにいうと、不自然に泣き叫ぶ黒木華の演出は嫌だったな~。
作品の本質を見いだすことができれば、至高の映画のような気がする、自分にとってはそうでなかったけれど…
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