ナチュラルウーマンのレビュー・感想・評価
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それぞれの闘いに それぞれの過渡期だ。
それぞれの闘いに
それぞれの過渡期だ。
だから物語はひとそれぞれだし、一個一個が輝くんだと思う。
ナチュラルウーマン。ドキュメンタリーではありません。心象風景や幻影を交えながらマリーナの人生を綴る秀作でした。
僕の弟はゲイ・カミングアウトしているので応援を込めてレンタル。
関連して、
東ちづるが撮った映画
「私はワタシ over the rainbow」
は、"人間はカテゴリーやジャンル分け、ましてや診断カルテによって分類されるのではなく、ぜんぶ違う" ということを描いてますね。
-「いつか『LGBT映画』という言葉もなくなる日がくる」って、インタビューで東ちづるは話してましたっけ。
ハッとしました。
ナチュラルウーマンもそのひとつ。あの人のオリジナルの人生だと感じました。
人間への興味が、超増しましたよ~!
トランスジェンダーの凛とした姿がカッコいい
自分らしく生きればいい
性より大事なこと
アレサ・フランクリンのご冥福をお祈りします
性同一性障害の主人公が受ける差別ということ以外に、葬儀に愛人が参列...
性同一性障害の主人公が受ける差別ということ以外に、葬儀に愛人が参列することに対しての妻の抵抗があり、それを差別と言うのかどうか。いずれにしても、主人公が自分の意思を貫こうと挑む姿は、逞しく美しいが。
主人公が、マイケル・シャノンに見えて仕方なかった(^^;
みんなで克服しよう
人がいなくなるということ
トランスジェンダーの話なんだけどね、観終わったときには「人が一人いなくなるって大変なことなんだな」と思ったよ。
主人公はどうにかこうにか折り合い付けて乗り越えてね。でも主人公の恋人の家族達も大変だったと思う。夫/父親に同性の愛人がいて、最後を愛人のところで迎えてるんだから。
主人公は愛人の死とその葬儀あるいは相続の関係で酷い目に遭ってくの。「そんな酷いことしないでよ!」とは思うんだけど、相手の感覚も解らないではない。
相手がトランスジェンダーでもそうでなくても、他人には優しくした方がいいなと思ったね。
あと「人間って理解できないものに出会うと拒絶するんだ」と思った。これ本能なんだろうな。原始の時代に理解できないものに「なにこれ?面白そう!」って近付いてく遺伝子は、死滅する可能性高いもんね。
脚本がんばれ。
自分らしく強く美しい最上の女性の生きざまを見ました
邦題の由来が素晴らしい忘れ得ぬ傑作
昼はウェイトレス、夜はナイトクラブでボーカルをやっているトランスジェンダーのマリーナは年上の恋人オルランドと同棲中。中華料理屋で自分の誕生日を祝っている時にオルランドはイグアスの滝を見に行こうと提案、喜ぶマリーナ。しかしその夜、オルランドは体調の異変を訴え、慌てて病院に搬送するが亡くなってしまう。動揺するマリーナはオルランドの弟ガボに事情を告げるがオルランドとマリーナの事情を知るガボはこの件はまだ誰にも知らせるなと告げる。そしてマリーナはオルランドの死に事件性があると疑う刑事、オルランドの家族から偏見に満ちた仕打ちを受けることになる。
オルランドが亡くなった瞬間から自分を待ち受ける様々な困難に自覚的なマリーナが、傷つきながらも愛する人のために何を為すべきかを見つめ行動する姿が痛々しくも美しい。オスカーの外国語映画賞ほか数多の賞レースを制したのも当然の、実に力強く美しい作品でした。マリーナが車の中で聴いているアレサ・フランクリンの曲タイトルがこの邦題の由来ですが、歌詞がさりげなくマリーナの心情を代弁する見事な選曲。そこからタイトルをつける計らいもまた美しいです。
57歳
ヒトを思いやれる人間か。シンプルにそこなのかな、と。
悲しかった。
社会は自分を映す鏡
LGBTというテーマが映画で頻繁に扱われるようになって久しいが、ここ数年はさらにその傾向に拍車がかかっているかのように感じる。少々食傷気味ではあるが、いわゆるストレートな人々を通して描くものには限界を感じている映画製作者たちの事情も伺える。
つまり、映画を量産するような経済的に豊かな国々においては、人々の生活は満たされきっており、観客や映画祭の審査員たちの心をつかむような物語や世界の切り取り方は難しい。
もちろん、政治の世界だけでなく、教育や職場でもLGBTへの偏見や差別をなくそうという機運は世界的に高まっており、これが現在最も人間社会を語るうえで外せないテーマであることは間違いない。しかしこのこととて、物質的に何の不自由もない世界であるからこそ議論される問題なのではないだろうか。
この作品もそんなLGBT映画である。原題の直訳は「素敵な一人の女性」。このような素朴な自意識を持つに至るまでの苦悩が描かれる。
人間は自己の有様を、他人の目を通じてしか意識することができない。とは、社会学の本に書いてあったこと。
差別や偏見に苦しむとは、まさにこのことであることをこの映画は語っている。しかも、鏡という映画ではとてもオーソドックスな道具を使用して表現しているのだ。
自分を映し出す鏡面の状態によって、そこに映る自分の姿は変容する。業者が運ぶ鏡がゆらゆらとゆがむことで、鏡の中の自分が現実とは似つかない姿になるのを見つめるシーンはその象徴である。
そして、膝を抱えてベッドに座るラスト近く。マリーナは股間に置いた鏡に映る自分の顔を見つめる。鏡の下に隠れたものが何であろうと、自分は自分でしかない。
「オンブラマイフ」の歌詞の意味を知り、その言葉を噛みしめるようにこの歌を聴いた。
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