劇場公開日 2018年2月24日

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「イグアスの滝には何か共通項が?」ナチュラルウーマン kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0イグアスの滝には何か共通項が?

2019年7月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 映画『ブエノスアイレス』(1997)ではトニー・レオンとレスリー・チャンのベッドシーンなんかがあって話題を呼んだが、こちらの作品では冒頭に滝の映像が流れ、オルランドがマリーナをイグアスの滝に誘う場面がある。「白い封筒をどこに置いたか忘れてしまって・・・」などと、忘れっぽくなっている57歳の社長オルランド。恋人は生物学的には男性である、トランスジェンダーのマリーナ。いきなりオルランドが倒れ、病院で死亡するというショッキングな展開だ。

 警察の取り調べは性犯罪を中心に扱ってる女性刑事。すぐに犯罪と結び付けたがる、いけ好かない刑事だ。そして、弟ガブリエル、元妻ソニア、息子ブルートと家族が現れ、彼女を偏見の目で見始める。そして、通夜も葬儀にも来るなと通告が・・・そんな中、ただ一人ガブリエルだけが「彼女は女性だ」と、援護射撃をしてくれる。この弟だけが人間を理解してる人なんだな~と、優しい気持ちになれる。

 一緒に住んでた恋人という設定ですが、最初は「友達です」と言ってたマリーナ。その恥じらいと、遠慮がちなところがとてもキュート。徐々に女性らしさを発揮して、前向きに生きていこうとするところが心地よかった。あのサウナでの心境は難しいけど。

 ストーリー的には普通の評価でしたが、ダニエル・ベガ本人もトランスジェンダーだということを後で知り加点(あの胸も自然だったのですね)。また、アレサ・フランクリンの「ナチュラル・ウーマン」も、アラン・パーソンズ・プロジェクトの「time」も作品にマッチしていて気持ちがいい。個人的には冒頭の「あなたの愛は昨日の新聞紙」(タイトルわからず)をもう一度聞いてみたい!

kossy
きりんさんのコメント
2019年7月14日

追伸:
レスリー・チャンの早世は重ね重ね残念でした。
「さらばわが愛、覇王別記」を観ると、あっという間に命を終えてしまったレスリーの人生の炎の熱さを感じます。
⇒TSUTAYAでお取り寄せレンタル出来ますからいつか機会が有りましたらどうぞ。

「イグアスの滝」か・・
何か地球の裏側1万メートルで轟くあの瀑布の振動が、自分の生き方を探り求める心の奥底の震え・渇望と、どこかで“共振”をしているのかもしれませんね。マリーナやブエノスアイレスのウィンにとって。そして私たちにとって。

僕もイグアスの滝、行ってみたくなりました。

きりん
きりんさんのコメント
2019年7月14日

イグアスまで行って確かめるしかないですね。
何かわかるかも。

きりん