007 ノー・タイム・トゥ・ダイのレビュー・感想・評価
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007好きにゃたまらん
ダニエル・クレイグはついに一本も外すことなく007を引退した。
まだ、コロナ禍だったが、僕は公開日に映画館に駆け込んだ。ちょうど1日だけなぜか秋休みだったので初回のを観た。
大好きなシリーズの大好きな俳優主演の作品群の最終作ということで、僕は期待で弾けそうなあまり、中々家から出れず、もう少しで遅刻しそうだった。
とうとう、始まってしまい、あのオープニングシークエンスを映画館で観た時、それだけで、ここにきて良かったと思った。
その後の3時間弱はとても幸せだった。たっぷりと007を堪能して、寂しさと次作への期待感を胸に劇場を去った。
その割に星が低いのは、正直今観ると色々粗い作りになっているから。
長すぎる上映時間、収まりきっていないストーリー、雑でありきたりな展開、どうしょうもないご都合主義と身内ノリ(身内と言っても世界の007なので身内が広すぎる)、正直007好きじゃない人が見れば、よくある良作大作アクションに見えるだろう。
しかし、007としてみればテンポの悪さや脚本の荒さを除けば、中々だ。
だって兎に角映像の迫力が凄い。セクハラで捕まってしまったが、フクナガ監督の映像技術はコッポラに比肩すると思う。
さらに、セット。こんな馬鹿馬鹿しいSF的で大掛かりなセットは久しぶりに観た。ちょっと古い映画、特に60年代の007映画みたいで凄く良かった。
主題歌は歴代最高の出来だった。
ダニエルは歳とってて、正直鈍い動きだが、頑張ってるからよし。(甘い)
007好きは当然観て、ブルーレイも買ってるだろうが、他の007観た人は是非是非。
ダニエル・クレイグ好き
これが最後のジェームスボンドなので良い評価つけたいんだけど正直そこまで良くなかった。映画館で見られずVODで見たせいなのかイマイチ引き込まれず途中でうとうとしてしまった。改めて元気なときに見直したいと思う。ダニエルはやはりかっこいいし素敵。でも年齢は重ねてるからどんな女も落とすプレイボーイ演じるのはきついかも。イメージを壊したくないだろうしここでボンド引退を決めたのは理解できる。
ジェームズに献杯
冒頭ジョンバリー風の懐かしいメロディが流れる
いや、これ「愛はすべてを超えて」やん。
おーようやく製作者も音楽というものがわかってきたか。
しかしこれがエンディングの重大な伏線だったとは。
恒例の話のまくらでは強烈なダニエルクレイグのアクションと
レア・セドゥとの関係を一気に見せてつかみはオッケー。
引退したジェームズボンドがお友達のCIA諜報員の協力に
キューバに飛び、現地連絡員にアナ・デ・アルマス登場。
途中で引っ込めるのがもったいないのほどの格闘技量を見せる。
次の007は是非あなたに。
敵の力量をみせつけるためスペクターもあっけなく全滅させ、
ブロフェルドまでえー?!って感じで死亡。
それにしちゃラミマレックは力感ないんだけどね。
MI6本部ではちゃっかり後釜の007がいて
ジェームズはビジター扱い。
けど真打ちだけにあっさり復帰。なんやそれ!
ラスト、おーいQよ。俺って結局帰ってもみんな不幸になるんか?
Qの答えはそのとおりです!正解!
で、予想だにしなかった結末へと。
ダニエルクレイグ5作サガで見事にジェームズボンド物語を
殺しのナンバー授与からスペクターとの闘い、結婚まで
完結してくれました。
まあ一旦シリーズをリセットするにはなかなか練った脚本であり
ボンドをこうする必要があったのかと。
初めて劇場で見たのは「私を愛したスパイ」でしたが
当時月曜ロードショーでテレビ改変期に007の新作がたびたび
観られ、以来50年余。
映画史上最高最強のシリーズだったことは間違いありません。
90点
TOHOシネマズ日比谷 20211007
パンフ購入
ひとつのマルチバースが終焉
映画としての迫力はありましたが、カジノロワイヤルで感じた様な、能動的なハチャメチャ感は影を潜め、どちらかと言うと受動的に振り回されながらアタフタしている印象でした。
人間的で良いといえば良いのかもしれませんが、これまでの様に、飄々としつつも鋼鉄の信念に基づいて行動していたボンドのイメージからすると、ややこしい女性呪縛に囚われた、情け無い男のイメージを受けてしまいました。
最後も、別に死ななくても、隔離するなりすれば良いだけで、もっと色々と打てる手はあったと思いますが、それらを全無視しての行動には違和感を感じました。
製作サイドの大人の事情が見え隠れして、少し興醒めしてしまいました?
そもそも、自分で依頼した攻撃命令だし、ハナから自殺するつもりだったのかと、なんかチョット感は否めませんでした。
これはこれとして、ひとつのシーケンスは完結し、次作はパラレルワールドの様に、全く別のシーケンスが始まるのでしょうか?
何だか、ボンドという存在が、人物としてのMI6のスパイではなく、歌舞伎役者の○代目襲名の様な気がしてきました。
有終の美
007らしく、アクションシーン満載で楽しめました。
ダニエル・クレイグ版として、いい終わり方だったと思いました。
気になる点は、ラスボスのからみが微妙なこと。
ラストは対峙がありますが、少なかったのは残念。
また、前作との話の続きではあるのですが、期間が空きすぎて記憶が曖昧だったので、視聴する人は復習を忘れずにしてください。
パルマ役ででていた、アナ・デ・アルマスですが、シーンこそ少なかったですが、彼女の持つキュートさと新人という役どころが重なり好印象を受けました。彼女の出演する作品は何作かみてますが、今後の活躍にも期待したいです。
圧巻の180分弱
ドルビーシネマで鑑賞。映像の美しさやスケール感、見やすさ等々パーフェクト、音響はサラウンド感がもう少し欲しいかなあとは思いますが聞きやすさと迫力が上手くバランスしていました。ここだけでも観る価値はあります。
話の方ですが、本作の前提条件(発生条件)、ラブ・ロマンスからの疑心暗鬼、絶体絶命への一気の切り替わりは、お約束として分かってはいるんですがハラハラドキドキしました。ここで007の世界にハメられます。もう抜け出せません。ここからはひたすら007シリーズのいいところが次々と襲ってきます。カーアクションに銃撃戦、爆破、そして国家主権をガン無視(笑)したミサイル攻撃まで。MI6の権力ってすげえなw。派手なスタントアクションだけでなく、各々のキャラの心理描写も巧みでした。そういう点では抜き差しが上手く出来ていました。あ、パロマ役のアナ・デ・アルマスがいい味出してたなあ。次回作にも起用して欲しい。 なお、本作の上映は延期に次ぐ延期でしたので、散々、予告編は眺めていたわけですが、改めて予告編の作りは上手かったなあと関心しました。「あああ!あれってこういうシーンだったのか?!」とか「ん?さして重要なところじゃなかったんだなあ」とかとか。なお、予告編と本編で明らかに変更している/されている箇所もありました。すぐに気付くと思います。
とても面白い映画になってはいますが、ストーリーのつなぎ込みがやや雑で話が寸断されているところがいくつかあるのが気になります。
ああ、ダニエル・クレイグはこれで終わりなんですよね。残念というか、この結末からどうなって/どうやってジェームズ・ボンドが新たな話を紡いでいくのか気になって、楽しみで仕方ありません。
(追記) グランドシネマサンシャインにてIMAX鑑賞。やはりデカくて綺麗なスクリーンだと迫力が違います。機会があればIMAXでの鑑賞をお勧めします。 ただ、フルサイズは前半のイタリアのみでした。
僕の眼だ
当時、映画館で観ました。
ダニエルボンドが見納めということで、若干寂しげに鑑賞。
マドレーヌを演じた、レア・セドゥは相変わらずきれいでした。
冒頭ヴェスパーの墓参りで、罠にはまったボンドはマドレーヌも裏切っていると断定していましたね。
そんなこんなで、マドレーヌとは一旦別れますが、5年後再会。
途中フェリックスが死んだのは、残念でした。
ブロフェルドの尋問で、案の定ぶち切れるボンド。
と思ったら、ブロフェルドが死亡したり。
黒幕のサフィンは、不気味さは出てましたね。
なぜ少女マドレーヌに撃たれて助かったのでしょうか?
防弾ベストかな。
最後、ボンドは亡くなってしまいましたね。
間際のマドレーヌとの会話が‥とても悲しい。
でもサフィンにウイルスか何かにやられて、もう人体には触れられないみたいなこと言われてましたよね?
どうなのでしょうか‥。
私はこの映画、哀しい結末ですが面白かったですね。
そして他の方も言ってますが、パロマを演じたアナ・デ・アルマスが、美しすぎました。
とても魅力的なキャラクターでした。
本当に彼女は可愛いですね。
意外な筈のジェームズ・ボンド最後の闘い?なのだが、物足りなさを感じてしまった
キャリー・ジョージ・フクナガ 監督による2021年製作(164分)のアメリカ映画
原題:No Time to Die、配給:東宝東和
世界文化遺産イタリア南部マテーラを舞台とした冒頭のアクション・シーンは、いつも通りなかなか良かった。前作に続いてレア・セドゥは悪くない演技。子役の青い目の女の子(Lisa-Dorah Sonnet)も、とても可愛らしかった。新しい今風の明るいキャラ設定だが、セクシーさがボンドガールらしいアナ・デ・アルマスは印象に残り、主演らしい他作品も是非見てみたいと思わされた。ただ、全体としての魅力は今一つに感じてしまった。
一つには、ボヘミアン・ラプソディで素晴らし演技を見せたたラミ・マレックが、期待に反して悪役として魅力が乏しかった。引退していたボンドに変わって、007が黒人女性となっているという設定も悪くないが、演じていたラシャーナ・リンチが、ナオミ・ハリスらレギュラーメンバーと比べるよ、華も愛想も無く、今一つと思ってしまった。
意外な筈のジェームズ・ボンド最後の闘いも、貴重なるシチュエーションに関わらず、何だが予定調和的に思えてしまった。脚本が今一つということなのだろうか。折角の日系人監督・脚本であったが、物足りなさを感じてしまった。
監督キャリー・ジョージ・フクナガ、製作マイケル・G・ウィルソン、 バーバラ・ブロッコリ、製作総指揮クリス・ブリガム、原案ニール・パービス、 ロバート・ウェイド、 キャリー・ジョージ・フクナガ、脚本ニール・パービス、 ロバート・ウェイド 、キャリー・ジョージ・フクナガ 、フィービー・ウォーラー=ブリッジ。
撮影リヌス・サンドグレン、美術マーク・ティルデスリー、衣装スティラット・アン・ラーラーブ、編集エリオット・グレアム トム・クロス、音楽ハンス・ジマー、主題歌ビリー・アイリッシュ。
出演
ダニエル・クレイグジェームズ・ボンド、ラミ・マレックリュートシファー・サフィン、レア・セドゥマド、ラシャーナ・リンチノーミ、ベン・ウィショーQ、ナオミ・ハリスマネーペニー、ジェフリー・ライトフィリックス・ライター、クリストフ・ワルツブロフェルド、レイフ・ファインズM、アナ・デ・アルマスパロマ、ビリー・マグヌッセンローガン・アッシュ、ロリー・キニアタナー、デビッド・デンシックヴァルド・オブルチェフ、ダリ・ベンサーラプリモ、リサ=ドラ・ソネットマチルド。
それは良かった
前作を思い出しながらで長ーいお話しに、色々とお話しがてんこ盛り、結局何がしたいんだっけ?と思いつつもクレイグ007は好きだなぁ。
はぁ日系の方が監督なのに何故かやや不可解な日本文化が登場。畳のシーンはちょっと笑えた。
次のシリーズはどうかなぁ
ダニエル・クレイグ版ボンドの完結編
ダニエル・クレイグのボンド5作品の集大成に相応しい話とアクション。
シリーズは締め方が肝心でそれが微妙だと過去作品も霞んでしまう。
そういう意味では本作は良い締め方だと思う。
ダニクレボンドお疲れ様でした。
殺人サイボーグが人として幕を引く
ダニエルグレイク以前のボンドは、ユーモアがありながらも、彼の完璧さによりあらゆる展開が許される世界線であった。さながら欠点のない殺人サイボーグの様でもあり、作品として面白いと感じても、決してボンドに共感するものではなかった。
それを現代版にチューニングしたダニエルグレイク版ボンド、彼はすでにロートルであり人間臭さを纏い、失敗をし、感情を露わにする事で、生身の人間として描いているように感じる。
今作に於いて彼が最後にする決断は正にその集約で、物語としてはベタであっても、彼だからこそ許される結末なのではないだろうか。
併せて、今作は過去作以上に絵作りがカッコイイ。全体的にキャリーフクナガの手柄なんだよなぁ。
ちなみに、アナ・デ・アルマスが良すぎてもうちょっと見たかった。という希望が叶わなかったので、-0.5してしまいました…
素晴らしい作品に感謝です
コロナ禍もあり公開が遅れて、自分の都合も合わず
劇場で観れなかったことが悔やまれます。
ですが、大満足でした。
ダニエルボンドとしてのお話は綺麗に完結しました。
自分にとって
007シリーズは大きな軸になっています。
ボンド役が代わる度に慣れるまで
少し違和感があります。
ダニエルさんは歴代のボンドのイメージと
大きく違うので
カジノロワイヤルでは
かなり違和感を感じました。
ですが、今となっては
大好きなジェームスボンドです。
最後は家族までできて。
親父の顔してましたね。
娘のためにウサギの人形を拾うシーンは
007シリーズと思えない感情を覚えました。
ボンドと家族
本来なら相容れないものですが
ダニエルボンドならありだよなぁ
って、すごく嬉しいです。
マチルダちゃんが捕まって
不安そうな表情でちゃんと演技していて
可愛いかったです。
次回作まで何年か空くようですが
しばらくは
この余韻で満足です。
楽しみではありますが
のんびりと待っています。
有終の美
IMAXで3回鑑賞してBlu-rayも購入しました😂
映画の展開も素晴らしく、様々な国に移動したりするので、007と一緒に旅行しているような感覚になりました!
マテーラでマドレーヌと幸せな旅行のはずが、
DB5カーチェイス→駅でお別れ→オープニング曲
の流れがとても芸術的でした👏🏻✨ここでまず泣いてしまいます。。。
その後の展開も個人的には良かったです!
フィリックスは何とか生き残ってほしかったです😢
強敵のサフィンが核ミサイルなどではなく、生物兵器というのが見えない恐怖という事もあり怖かったです。
ラストの島では、家族を守るためにも絶対に失敗できないミッションだったので、みていて辛かったです…
007が殉職してしまい、マテーラでマドレーヌと息子が車に乗っている場面が本当に感動しました😭
カジノロワイヤル・SKYFALLも大好きですが、今作も素晴らしかったです!
ラストまでボンド個人にフォーカスを当てた
ジェームズボンド個人の生い立ちや感情にフォーカスを当ててきたダニエルボンドだと思ってます。過去から逃げられずに追いかけられます。とんでも細菌兵器を作って横取りされて、後始末をする流れとボスの人質をとっておきながらのあっさり開放も、もうちょい何ができたのでは?と思ってしまった。でもこれだけは言えるのが5作連続して見たら面白さ倍増します。ボンドにフォーカスを当ててるからこその話のつながりがあって素晴らしかったです。
007は死ぬ??
ダニエル・クレイグ最終007。
去年公開されましたが、コロナ禍のために劇場鑑賞を断念したものをVODで見ました。
やっぱりね、ダニエル・クレイグいいよ。007辞めないで欲しかったなぁ・・・。体力的にきついかもしれないけど、年上のトム・クルーズがあれだけやってんだから、ダニエル・クレイグも・・・とか言っちゃダメなんですかね?
007シリーズって、サーガにもなっているので、過去作品のしがらみが今の作品に影響するという事がありますが、これもそういうやつですね。いやぁ、因果は巡るというかなんというか・・・。
サフィンのアジト、あれ、何なんですかね?無駄にジャポニスムを感じさせる装飾や丁度、庭は。どーなってんだ??
最後、007の居る島にミサイルが着弾します。ですが、007が復活する伏線は仕込んでありますね。サフィンが作ったのは、マイクロマシンですが、007はQから強力な電磁爆弾を仕込んだ腕時計を渡されているんですよね。あれで、マイクロマシンが壊れたとか言う設定は可能なんですよねぇ。知らんけど。
日系人監督らしさが出た衝撃的なラストに賛否渦巻いています。でもあまり語りたくはありません。
見終わって、あぜんとしました。あり得ない。「007」シリーズを長く見続けてきた人ほど、そう思うに違いません。衝撃的な結末でした。
ネタバレしてでも訴えたい点は、エンドロールで打ち出される、お馴染みの『007は帰ってくる』という一文字。アベンジャーズだって、一旦は締めくくったのだから、ジェームズ・ボンドもこのまま終わりにして、新たな007でリブートしてほしいものだと願うばかりです。そう叫びたくなるほどのクレイグポンドの見事な完全燃焼ぶりでした。もう彼は戻ってこないでしょうけれど、映画ファンの記憶に永遠に残るエンディングでしたね。
ダニエル・クレイグが、初めてジェームズ・ボンドとして登場したのは、2006年のシリーズ21作目「カジノ・ロワイヤル」。以来この25作目まで、クレイグが演じた5本は壮大な一つの物語になっています。今回も前作「スペクター」のラストから、物語は始まります。手に汗握るカーチェイスに、火薬・弾薬の大量消費、世界を股にかけて製作費を惜しまぬ娯楽映画の醍醐味は、今回もたっぷり味わえました。
英国のスパイ組織M16を引退したボンドは、前作で恋人となったマドレーヌ(レア・セドウ)とイタリア・マテーラで平穏な生活を楽しんでいました。
ボンドは過去と決別するため、かつて愛したヴェスパー・リンドの墓を訪れたのでしたが、そこにスペクターの紋章が描かれた一枚の紙を見つけると直後に墓が爆発し、ボンドはダメージを負ってしまいます。
ホテルに残したマドレーヌの身を案じたボンドは、襲撃してきたスペクターの傭兵たちと交戦しながらもマドレーヌと合流します。傭兵の一人であるプリモ(ダリ・ベンサラ)の発した言葉や刑務所に収監中のブロフェルドからの電話でマドレーヌの裏切りを疑いながらも、武装したアストンマーティン・DB5で追跡者たちを振り切るます。それでもボンドは彼女への疑いを拭いきれず、到着した駅でマドレーヌを突き放して決別してしまうのでした。
5年後。ジャマイカで平穏に暮らす彼は、旧友のCIAエージェントのフィリックス・ライター(ジェフリー・ライト)から、誘拐されたロシアの科学者救出を依頼されます。
岩肌に掘られた洞窟住宅がひしめくイタリアの町マテーラ。絶景の中、石畳の道や階段を、車で、バイクで、ボンドが疾走します。敵に追い詰められるとロープをつかみ、橋の上から空を飛ぶ。さらに集団相手の銃撃戦。生身の格闘。降り注ぐ手投げ弾……。いつも通りの豪快なアクションに次ぐアクション。特に冒頭のマテーラでの攻防はすごかったでした。車や腕時計に仕掛けられた秘密兵器の数々に、お決まりのセリフも登場します。「007」に期待される要素はきちんと用意されていました。
けれども本作の真の魅力は、これまでになく人間としてのボンドに迫っていることでしょう。
1962年以来、ショーン・コネリーをはじめ様々な役者が演じてきたボンドは、洗練されているがマッチョで、現実離れしたヒーローでした。スパイの代名詞となりスパイ映画というジャンルを作り上げましたが、ボンドガールと呼ばれる女性たちとすぐにベッドに入るボンド像は、次第に時代に合わなくなっていきました。
クレイグ版5部作は、そんなボンド像を引き継ぎつつ、スパイ映画というジャンルを超えてより深いドラマ性を加える試みでした。それは成功したといえるでしょう。ボンド起用当初、ロシアのマフィア風と揶揄されたクレイグは精悍さを増す一方で、女性への感傷に浸りがち。でもそれはたとえ超人的なヒーローであったとしても、愛する者に対する思いがしっかりと息づいて、胸を打つドラマとなったわけです。
個人的にはパロディーに徹した10作目「私を愛したスパイ」がシリーズで一番好きだという人は多いのかもしれません。でもこの最新作は別格だと思います。スパイのアイコンだった「ボンド」が、この作品で初めて、一人の「人間」として語られる存在となったのですから。
余談ですがボンドが死闘を繰り広げた敵の娘、ボンドガールは複数登場するのが毎作のお約束。メインのマドレーヌ以上に目を引くのが、科学者を救出する場面でボンドのパートナーとなるキューバのCIAエージェント、パロマ役を務めた超美人のアナ・デ・アルマスでした。
「わたし、まだスパイ研修して3週間なの」とウブな微笑みで現れますが、胸元が大きく開き深いスリットの入ったロングドレスからハイキックを繰り出して大暴れ!前半しか登場しないのが実に惜しいです。パロマを見るためだけに、もう一度観たいくらいですから。
日系人監督らしさが出た衝撃的なラストに賛否渦巻いています。でもあまり語りたくはありません。それでも163分間の長尺は絶体に飽きさせないことをお約束しましょう(^^)(日本公開:2021年10月1日/上映時間:163分)
さよならダニエル・クレイグのボンド!!
6代目ジェームズ・ボンド役のダニエル・クレイグの見納めです。
「007 カジノロワイヤル」2006年
「007 慰めの報酬」2008年
「007 スカイフォール」2012年
「007 スペクター」2012年
そして本作
「007 ノー・タイム・トゥ・ダイ」2021年。
監督はキャリー・ジョージ・フクナガ。
驚くべきことは、5作品が繋がりをもつストーリーなのです。
最も印象的なのは、スペクター(クリストフ・ヴァルツ)と、マドレーヌ(レア・セドゥ)の存在だ。
今作で明かされるマドレーヌとスペクターの血縁関係。
ボンドの愛を受けるマドレーヌ役のレア・セドゥ。
なんとも役不足の感が強い。
色気なし。ナイスバディの見せ場なし。
(怪しさや妖艶さ酷薄なエヴァ・グリーンが死んでるのが悔やまれる)
恋多きクレイグ・ボンドの「最後の女」には、極上のファム・ファタールがほしかった。
ボンドのカーチェイスをが見られるのはイタリアの世界遺産マテーラの細い石畳の道。
追手から逃走するボンド御用達のアスティンマーティンDB5のヘッドライトが、
マシンガンに早変わりして、車をグルグル回転させながらの銃弾連射。
敵を蹴散らす。
すかさずスモークを炊いて煙に撒いて逃走するなど、古典的手法も楽しい。
そんな、お約束のアクションシーンも満載です。
今作の悪役はサフィン(ラミ・マリック)
そして舞台はサフィンの要塞に移ります。
極東の孤島へ。
ポイズン栽培基地は、極東の孤島にあった。
(ロケ地はフェロー諸島の火山島)
要塞でのポンドとサフィンの死力を尽くす闘い。
ラミ・マレックも細身でそんなに強そうな男には見えない。
相変わらず、要塞基地のデザインはモダンにして複雑怪奇。
入り組んだ要塞を縦横無尽に走り抜けマシンガンを連射して、
スタイリッシュに戦うダニエル・クレイグ。
彼ももうお歳だ!息切れもする!脚ももつれる。
そんな人間的匂いを残した007に、
最強兵器の被弾の時間が迫る。
「ノー・タイム・トゥ・ダイ」
“007は、ただの数字よ!!“
さて次の007は「WHO?」
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