「制作当初の感動が薄れ気味か…」僕の帰る場所 てつさんの映画レビュー(感想・評価)
制作当初の感動が薄れ気味か…
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二回目の鑑賞である。一回目は、子どもを含むミャンマー人家族が日本に来て遭遇するできごとをドキュメンタリーに仕立てたかのように自然に描き出しており、当時やはり子役を前面に押し出した難民映画作品であった『存在のない子どもたち』よりも日本人にとって必見の作品であると感じていた。しかし、同じ監督作品である『海辺の彼女たち』や、他にも日本に関係した難民映画作品が増えてくると、色々と難点を感じるようになってきた。粗筋でも、父親が日本の入国管理局に拘束されたとなっているが、家族が出国するときには空港で別れをすることができていたし、それほど厳しさを感じなかった。長男が日本で通っていた学校では、周りの子どもたちや先生も、精一杯の親愛の情を示していたようにみられ、ミャンマーに来てからは、その子がミャンマーを汚い、と嫌がり、日本に帰りたい、と「白い仮面」的な価値観を身につけてしまった様がわかり、彷徨っても、日本語のわかる子どもたちと出会い、現地日本語学校への入学が可能かどうか不安視されながらも、最終的には受入れられる。子どもだから仕方ないのかもしれないけれど、父母の対立に振り回されながら、その子も受入れられそうな現実的な着地点がみつかった、という感じであった。
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