飢えたライオンのレビュー・感想・評価
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どれだけ発信しても、不特定多数の制裁は止まらない
デマに飛びつく大衆
フェイクを鵜呑みにするその他大勢
『へぇ〜そうなんだ』
『やっぱりね〜そうだと思ったんだ』
軽く流す人の中に、私も含まれる
ただ、時にSNSに発散しても
誰かの書き込みに興味は無いし
Twitter?今はX?
つぶやきもしなければ、書き込みもしない
ハラスメントなんて言葉が氾濫してない時代は
民事訴訟にでもなりそうな嫌がらせが
社会人の中でも横行していた
けど、小さなカテゴリーの中で蠢くだけで
世界的に発信されたりはしなかった
今時の子供達は、多分
いい意味での暴力を知らない
宿題を忘れて、ゲンコツ食らう事も無ければ
怒鳴られる事も無いだろう
痛みを知らないから
集団心理で、虐めなんていう
胸糞悪い事が出来るんじゃないだろうか
同じ痛みを味わってみればいいんだ
と、つくづく思う
作品としては、悪くはないんだと思う
同じ様なショッキングな映画やドラマは
あって、問題を発信しようとしても
虐めやネットでの拡散は止まらない
いっそ、重罰でも与えてしまえば
多少はマシになるかもしれないね
30年くらい前にKinKiKidsが出演した
「人間失格」というドラマがあった
あれくらいのものを今作れば
もう少し、響くのかも知れない
メイキング映像が流れてホッとした
淫行先生が撮った動画が流出したことにより、相手の女性が高校2年の杉本瞳(松林うらら)じゃないかとデマが拡散する。付き合っていた男・ヒロキもデマを信じてしまい、瞳が連絡取れなくなってしまう。やがて、ヒロキの友人2人が瞳を暴行し・・・といった展開。
カメラは大きな動きを見せなく、ワンカットワンカットでリアル感を出しているのが特徴。しかも台詞を最後まで流さずブツ切り状態。これをリアルと感じるのも、自分がSNSの動画に慣れてしまっているからだろうか。
また、クラスメートの女子が毎日のように迎えに来る様子や、教師たちからも「登校しないように」と勧められたり、家族との会話もよく出来ている。そのうえマスコミの取材やワイドショーの作り方も上手い。教師たちのおざなりな対応により何も出来なかったことも拍車をかけているのだ。
唯一の救いはヒロキがクリスマスプレゼントをこっそり持ってきたことくらいか。でも、連絡しなかったのは残念。ここの彼の心理描写も欲しいところだ。
教室からもカラスの鳴き声が聞こえてきたし、ゴミ捨て場でいつも瞳がいつも出会っていた近所のおばさんもいなくなってからカラスに荒らされていた。彼女もまたマスコミの取材に嫌気がさしてゴミ捨て場がほったらかしになってしまったのか・・・電車の遅延もそうだし、深掘りしようと思うと、色んなことが目についてしまう。
暗転が…
たまたまAmazonで見かけて
見てみた。全体的に気分はよくない映画だった。
ただ悪い噂は全く事実無根のものでも真実とされてデマじゃない!と全く見ず知らずの人間が拡散していく不気味さがリアルだった。
高校生の親世代ですが、こんな高校生胸糞悪いなあという印象。でもリアルでも薄い会話をして知りもしないことを広げるモンスターかもしれないと思うと不安になる。一方で大人が早くからスマホを持たせネットどっぷりにしてしまった責任を感じる。昔はこんな事件は無かったのだから、というニュースのコメントはリアル。
あと人が死んだ後の日常もリアル。家族だけは苦しむけど周りや世間は変わらず時間が流れていくのが残酷。
暗転が多すぎて余計に胸糞悪くなった。ワンカットで撮って急にぶつ切りする演出なんだろうけど、回数が多すぎて画面酔いしそうだしこだわりすぎで星1つ減の星3つ
胸糞悪い
時代の先取り
【無自覚なる多数の女子高生を追い込み殺した殺人者達の姿。短カットで追い込まれて行く女子高生の姿を映し出す手法が斬新でありながら恐ろしい。現代のSNS社会の邪悪さと闇を描いた作品である。】
■ある朝のホームルームで、高校生・瞳(松林うらら)のクラス担任が未成年への淫行容疑で警察に連行された。
担任と性的な関係を持った相手が瞳だという根拠なき噂が学校内で流れ、周囲の男たちは瞳を性の対象として見始める。
そして、徐々に精神的に追い詰められた彼女は、自ら死を選択し、列車に飛び込む。
◆感想
・非常に恐ろしい作品である。
今でもフェイクニュースは巷間に溢れているが、人間の哀しい性として、”他人の不幸は蜜の味”と言う習性に則ったが如く、瞳のフェイクニュースを笑いながら観て、彼女を阻害していく”仲の良い級友”達の姿。
・瞳の恋人ヒロキ(水石亜飛夢)も、瞳のフェイクニュースが流れた途端に、彼女との交流を断ち、別の女と付き合い始める。
ー その姿をプラットフォームで偶然見てしまった瞳が取った、哀しき行動。-
・ヒロキの先輩たちの、人間性の欠片もない瞳に対する行動も許しがたい。
・瞳の母(筒井真理子)も、マスコミの餌食になって行く姿。
ー 瞳たちが住んでいたマンションのガランとした寒々しい風景が、母に何が起こったかを雄弁に物語っている。ー
■最後半のベッドの上のヒロキが撮影したと思われる、瞳の映像はこの作品自体がフェイクである事を示唆しているのであろうか・・。
<SNSでの人権を侵害する書き込みは、今でも続いている。そしてそれにより、命を絶った人もいる。
個人的な意見であるが、無自覚なるSNSを介した殺人者に対しては、現行の刑法をもっと厳罰化して一罰百戒の法制度にするべきであると、思っている。
そうでもしないと、今作の瞳の様に、自殺した後でも心無い人達からの根拠なき噂を流されたりする風潮を止める事は出来ないのではないか、と残念ながら思わざるを得ないのである。>
snsの闇を明確に描写した作品
デマ拡散により追い込まれていく少女
題材は良かった
最後にちょっと救いを入れたのはどうかな
今までで1番良くできている
この監督はデビュー作から追いかけてるが、今まではリアリティを独自の手法で追求するあまり、崩壊した作品という印象になってしまっていた。毎回賛否両意見がわかれ、日本では受け入れられないような作品だったが、海外では受け入れられてきていた。
今や海外に育てられた作品の監督という位置付け。
その緒方監督の作品がようやく日本で受け入れられるようになっただけでも、時代が追いついたのか、監督が追いついたのかは知らんが、新しい邦画の幕開けと言っても良いくらい。
不快感を描ける監督が日本には少ないので、不快感を追求していって欲しい監督の1人。
さて、作品はというと、とにかく胸糞悪くなる人は多いと思う。そのバツの悪さというか、気持ち悪さというか、それがリアリティに直結し、自分の居心地の悪さにつながる。ハネケにアルモドバルといったところを目指してるのかな?
独自のカメラワーク、採光設計、ワンシーン・ワンカット、ショット一つを見ただけで、この監督のセンスがわかる。今後が楽しみな監督だと思う。
全て自分に返ってくる
先生も友達も家族も彼氏も先輩も誰も助けなかったのに、死んだ途端にありきたりな演説垂らされてもね。
校長先生、竹中直人みたいな話し方するじゃんと思っていたら竹中直人だった。
瞳がどんどん追い詰められていくに連れて心がどんどん重くなっていく。
フラリと吸い込まれるような飛び込みに思わず目眩がしそうになった。
その後の報道合戦やメディアを見た一般人の言動はただただ怒りが湧いてくる。
感じる不快感は全て自分に返ってきて、それでも世も自分も変わることなく、たまに起こるセンセーショナルな事件をいいとこ取りで食い散らかして生きていくんだろうと思ってさらに嫌になる。
人の不幸は蜜の味とばかりに面白がり笑い集る人たちの顔が全部自分に見えた。
まあ誇張もあるし、マスをただ批判していればいいとも思わないけど。
本作は多方面への批判の意思が強く現れていると思ったけど、テンポ良くしっかり見せてくれるので面白かった。
自分も他人も色々受け入れて、これから何か感じ方だけでも変わればいいな。
一人がスマホのカメラ向けると何も言わずとも自然にみんな寄って入ってくるのがリアルで好き。
シーンごとの定点カメラのぶつ切りと切り貼りでほぼ構成されていて、ちょっとしつこいなと思ったけど段々癖になってくる。
日常感が強く、瞳の生活を覗き見しているような作品の中に投げ込まれたような感覚になった。
先生の逮捕を受けて教室中が色めき立つ中ずっと机に伏せてる人がいたり、仲良しグループでもチクリと刺すものがあったり、家の中の散らかり具合、一つ一つの会話のテンションなど徹底的にリアリティを追求しているのが伝わってきた。
救いも何も無いけど、机の落書きを消す場面での友達の反応の速さはグッと来て好き。
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