シェイプ・オブ・ウォーターのレビュー・感想・評価
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会話が聞こえない本作の意味はとても深いです
名作です!
長く長く語り継がれる映画になることと思います
心を鷲掴みにされました
物語は1954年の「大アマゾンの半魚人」のその後のお話しという形です
だから1955年に公開された続編「半魚人の逆襲」と同じですが、リメイクではありません
捕獲された半魚人が研究所につれてこられ、そこで人間の女性と心を通わせるところまでは同じですが、その後の展開が異なります
そこから先は1984年の「スプラッシュ」とほぼ同じです
しかし本当は「美女と野獣」の翻案だと思います
二人だけの舞踏会のシーンがあって監督が教えてくれています
だから冒頭のナレーションで王子と王女様のお話しだと言うのです
野獣はもちろん半魚人
見た目で人間を判断しているのは私達です
半魚人は醜い?
人種の違う人間は醜い?
身体障害者は醜い?
LGBTの人間は醜い?
貧者は醜い?
執拗に監督は問うてきます
魔女にかけられた呪いを、あなたは解いてあげられますか?と
イライザは声帯を傷つけられて話せない女性です
だから聾唖ではなく、耳は正常に聞こえています
なのになぜ、本作では殆ど聞き取れないほど人の声だけが小さな音量なのでしょうか?
それを疑問に思ってくれといってます
彼女は本当は聞こえているんだよ
何故だ?どうして声だけが聞こえないの?
そこに気づかなかったら、自分が無自覚にしている差別にも気がつかないんだよ
監督はそう問いかけています
言葉には意味はないのです
問題は行動なのです
聞こえなくて良いのです
口ではいろいろなことを言える
でも行動であなたのその立派な考えを示すことはできるのですか?
建て前だけじゃ無いんですか?
そう監督から問われていると思います
半魚人とイライザのラブシーンをあなたはどう感じたのですか?
半魚人も知性と心を持つ人間だと言うならば、イライザみたいに行動で彼を受け入れることはできるのですか?と
愛の形は様々です
愛の形 = Shape Of Love
本作のタイトルはShape Of Water
だから半魚人とのラブシーンのあとイライザがバスの窓の水滴が様々に形を変えて流れる様を指で追うシーンがあまりにも美しいのです
アマゾン川はもちろん淡水です
なのに半魚人は塩水でないと衰弱してしまうのでしょう?
なぜ海に帰すのでしょう?
もともと半魚人は海に棲むのならなぜアマゾン川で捕獲したというのでしょう
アマゾンなんて結局のところ方便にすぎなかったのです
イライザは人魚姫だからです
ディズニーアニメの「リトルマーメイド」です
その物語でもあったのです
人魚姫のアリエルは魔女から魔法で足を貰い、声を失います
だからイライザは声を話せないのです
人魚姫は人間になったものの、三日以内に王子様とキスしないと魔女のものになってしまう
だから、イライザはあんなにはやく半魚人とセックスしてしまうのです
分断化された社会はアメリカだけでなく、世界中、日本でも同じです
言葉狩りで私達は声を奪われていっています
果たしてそれで差別は無くなるのでしょうか?
会話が聞こえない本作の意味はとても深いです
映像も見事でした
デジタル撮影とはとても思えないほどの、豊潤な映像が撮れています
撮影と照明の技術も卓越していたと思います
オクタヴィア・スペンサーは、いつもながら見事な演技でした
そしてなにより、イライザ役のサリー・ホーキンスの造形に魅せられてしまいました
あまりにキュートで心を奪われてしまいました
彼女の配役が本作を成功に導いています
なんだかなあ
美しくノスタルジックな大人の童話
ラブストーリー
退屈はしなかった
ディズニー的な映画に食傷したら、ぜひどうぞ。
アマゾン奥地に棲息していた異形の知的生物と、生まれて数十年、ほんとうに幸せ薄かった女性との恋物語です。
難しい設定ではありますが、観る者みんなを納得させ、充分に楽しませてくれる作品に仕上がっていました。
観ていて、おやおやっと感じたのは、エンディング近くです。
きっとカタキ役のケガを治療してあげて、良かったね、仲良くなれたね、おめでとさん、となるんじゃないかと予感させながらも、こういうディズニー/ピクサー映画的な、あるいはキリスト教義の押しつけ的な、昨今の甘っちょろい映画作りの王道に背を向けたこと。
硬派に、おや、そう来たかと思わせる意外なストーリー展開で、終わってみれば、たしかにこのエンディングでなければならないと思わせるツボに収束できていて、一種異様な感動を覚えました。
なんでもありのおとぎ話ハードルの高さ
異色のファンタジー
モスグリーンが映える半魚人ファンタジー
ファンタジーとして。
ディズニー・アニメかと思った。
タイトル通り。
時代としては60年代くらいのアメリカだと思うけど、どうも時代考証がはっきりしない。
なんというか昔話というか、お伽話というか、そんな感じのお話。
話もSFと言えばSFだし、ファンタジーと言えばファンタジーだし、現実感がない。
すごくフワフワした、地に足がついてない感じ。こういう印象の作品って結構珍しい。
実写なんだけど、観終わった後にディズニー・アニメを観たような感じがした。
むしろ、アニメにした方が面白いような・・。
主人公の声が出せない女の人、隣に住む絵描きのじいさん、友達の黒人女性、ロシア人の博士、やたら好戦的な白人の警備主任、そして高飛車な元帥。どのキャラも、キャラクターとしてしっかり描かれておらず、妙に人物像がスカスカな印象を受ける。
ただし、子供向きのお伽話、って考えれば、キャラがちゃんと作り込まれていないこともむべなるかな・・納得はできる。
ってか、そう考えないと納得できない。。
個人的に2回目を観たいとは思わないんだけど、日常の現実感を忘れるために、1回だけ観てみるのは良いと思う。
そんな作品でした。
ターコイズブルーに沈む
とても美しい色調、全体的に青みがかった映像に差し込まれる外套、ハイヒールの赤、部屋に溢れるオレンジの光
ギレルモは本当にそういうの上手い
私たちは映画の中の誇張された悪役になら嫌悪感も抱けるけれど日常によくあることだと思う、ストリックランドはめちゃくちゃ嫌な奴に描かれているけど自分の言葉に微塵も疑問を抱いていない、傲慢で偏見に満ちていても彼の中では当たり前のことを言っているだけなんだろう、そして他の人には沈黙を求める
Twitterとかでよく見る光景だ
自分自身がストリックランドにならないようにしないと彼の末路は悲惨だ、絶えず誰かを蔑み不満ばかりでそんな奴は当然周りから嫌われるので怒りで理論もへったくれもなくなって破壊し破壊されるだけだろう
観賞している間始終ノスタルジーに襲われた、音楽のせいかなと思ったけどあれだな、おしゃれな映像と音楽で(半魚人は出てくるけど)まっとうな恋愛映画やってるけど話の進みがE.Tだからだな
半魚人は拾ってきた犬みたいで可愛いし(猫は食べるが)絵描きのおじさんやロシアのスパイたちはどこか間が抜けていて暗くなりすぎるのを防いでいる
社会の片隅に追いやられながら生きる声なき者たちの精一杯の助けで最後はハッピーエンド、いい話だ
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