シェイプ・オブ・ウォーターのレビュー・感想・評価
全497件中、201~220件目を表示
作品賞おめでとう。御伽話でした
遅ればせながら シェイプオブウォーターを観た。
舞台設定の1962年とくれば、自分たちが生きた時代としても混沌の時代。子供向け雑誌には「神隠し」の話が当たり前のように載っていたので、アマゾンで発見された生物といえば、何でもありとは思う。
さらに米ソ冷戦の只中とあれば、相手に渡すくらいなら殺してしまえという、超短絡的な発想も受け入れられなくはない。
つまり、御伽話の設定としてはありだし、60年代はもうそういう時代として扱われることすらある過去なんだなあと感慨こそある。
時代を背景にしたこんな御伽話を作ってみたよ、ということは楽しく受け入れたし、不思議な世界観の中での人魚姫みたいな話だなあと最初から最後まで関心もって観ることができた。見て損がない映画だよ、と人にも伝えると思う。
ただ、これが作品賞なの??? という点だけは大いなる驚きだった。去年の「ムーンライト」も見てびっくりだったので、俺ももっともっと映画を観ないと真にすごい映画がなにかはわかってこないんだなあ、と思いました。
映画観るとなんでも泣いちゃう俺が泣かなかったけどなあ…
このバランスで良いんだと思う
好きかどうかというと、普通。お話も展開もまっすぐ入ってくる。猫の件は、おっちゃんがそのバランスで許してくれて良かった。彼が人間としてやたら姿勢が良いのが気になった。冒頭が良い。
生き物と生き物の純愛物語
SF、ファンタジー要素が入った映画で私は嫌いなタイプやし見ないでおこうと考えていた。
それが、アカデミー賞を取ったというので見てみることにした。
過去のアカデミー賞に選ばれる作品は好き嫌いが特に分かれていたので、今回もハズレの頭で見ていたが、時間を忘れて出会いから終盤まで流れていった。
言葉が話せないという設定がよく考えられており、クライマックスの場面に繋がりなるほどと納得させられた。
言葉が話せない人と言葉を話せない生き物の恋愛は素晴らしかった。
これも純愛と言うのであろう。
とても作り込んだおとぎ話。
恋に落ちるには理由はいらない。
そういうものだと思う。
ただ、映画には説得力は必要な気がする。
相手が異形であるからではない。
出会う、恋に落ちるに足る物語が必要だと思う。
語られているのだろう。
ただ、自分には届かなかった。
同居している売れない絵描きのおじさんの愛とも憐れみとも言える哀しさが秀逸で、それこそが二人の愛を引き立たせるはずなのだが、いまいち自分は乗れなかった。
とても作り込んだおとぎ話で、ラストシーンはほんとに美しかった。
だからこそなんだか残念な気もする。
絵はキレイ
ストーリー展開が全て予想できてしまう。
映画というより、舞台演劇だなと思った。このまま舞台で上演できそう。
大人向けのおとぎ話だと割りきれるなら、予定調和のストーリーも、美しい絵と共に楽しめるのかも。
個人的には雨上がりの?夕焼けのシーンが好きです。絵がキレイだったという意味で。
恋、か。。。
冷戦下のアメリカはボルチモア。
口のきけないイライザ(サリー・ホーキンス)はある政府機関の清掃人として働いていた。そこで、彼女は恋におちる。
とはいうものの、ここに説得力をもたせるかどうかが本作のキモだと思うが、そこは必ずしも成功したとは思わない。
イライザと彼は毎日、何日も顔を合わせコミュニケーションをとってきたことをイライザのセリフで語ってしまっていた。ここを時間をかけて描けば今世紀最高傑作になったかもしれない。
国も人種も関係ない、というメッセージはよく伝わったが、彼にいろんな人が魅了されてしまう。イライザの隣人のジャイルズもそうだし、生物学者もそう。そこも難しいところである。少なくとも映画の観客はそう思わないと映画は前に進まないはず。
「E.T.」のあのエイリアンがかわいいということにあまり異論はないが、今回の彼に魅力を感じるのには時間がかかる。だからこそ恋の過程をじっくりと描くべきであった。
ギレルモ・デル・トロの思い込みでできあがった映画である。そう思うと本作は愛らしく思える。
不思議で素敵な作品。
全体的に暗い感じの映像でしたが、とてもノスタルジックで美しかった。
特に雨のシーンや水中のシーン、そして部屋を水浸しにしてしまうシーンなと、「水」をとても美しく描いていて印象に残りました。
正直、こういったモンスター物?が作品賞を獲るとは思っていませんでしたが、とにかく妙に余韻の残る作品です。
偽善と差別と偏見に満ちた現代社会を風刺しているようにも感じられましたが、全体的に愛を感じる作品でした。
とても不思議なファンタジーです。
女性性について
とてもとても切ない物語。
冒頭のシークエンスで描かれるイライザが実にチャーミングで、開始数分で映画の世界に引き込む見事な演出。
時に女性は水棲生物のように感じられることがあると、意識下で捉えていたことに気づかされた。はかなさと強さ、愛らしさと醜怪さ。そして神聖さ。それら女性性について考えさせるあれこれを、ファンタジックな仕掛けの中に織り交ぜていて、甘いだけではない余韻が残る。ほろ苦い、大人の味だね。
同じ思いと特徴を持った異性のラブストーリー
まず、かなりどぎつい性描写があったので苦手な方は注意。
それぞれの欲望、思い、感性、愛情がしっかり描写作品でした。
そのなかで、それぞれ自分に正しく動き、「成功」を目指していたんだな、と感じる場面が多々あり、自分にとっての成功や、自分の信念が時に他人を傷つけてしまうこともあるということについて考えさせられる作品でした。
また、監督が監督だけあって、光の使い方にこだわりをとても感じました。
ドンパチものに疲れた時に是非見たい作品だな、と思いました。
デルトロさん相変わらずエロと暴力描写がどぎついな〜と思う所もありま...
デルトロさん相変わらずエロと暴力描写がどぎついな〜と思う所もありましたが、嫌な奴を手を使わず尿をたす男が引き受けてくれて見やすかったww
緑にこだわった作りで、字幕まで緑で作品に合ってた。ミドリ色のケーキ‥食べたい。
確かに
たしかに、この空気感がいい。
1962年の設定で、濃いめの映像が素敵だ。
たしかに、彼女イライザは美人じゃないだろうね。
主人公の女優としてはね。でも心惹かれるものがある。
たしかに、半魚人、見にくいところはあった。
でも中盤からはなんとなくいとしいものが芽生える。
たしかに、イライザの同僚の黒人女性。
どこにでもいそうな善人のようだ。
たしかに、半魚人を連れてきた悪党官僚。
こんな風な一方的な人もいるよね。
たしかに、イライザの初老の絵描きの同居人。
夢が叶えられず彼らの逃亡に力を貸す。
みんなどこにでもいそうな登場人物たち。
でもストーリーはファンタジー。
ありそうな人たちの中で生まれた、あり得ない物語。
しゃべれない女と人間社会に置き去りにされた半魚人の
切なく純粋な恋。
たしかに、人間同士が信じにくい世の中だから、
こんなファンタジーが生きているのかな?
それにしても、彼女が悪党官僚に向かって、
「なんて卑怯なクソ野郎!」と手話したイライザ。
その凛とした姿がいまでも目に焼き付いている。
全497件中、201~220件目を表示