「リアル大人のファンタジー!夢物語だけど生々しい。」シェイプ・オブ・ウォーター ratienさんの映画レビュー(感想・評価)
リアル大人のファンタジー!夢物語だけど生々しい。
異形なものとの愛と言えば「ザ・フライ」。大好きなクローネンバーグ監督の作品が思い浮かんで、これを越えるものはないだろうと思ってました。
でも、この作品、大いに予想を裏切ってくれました!面白い!
話せない女性と半魚人?みたいな水中生物の恋。清廉潔白な無償の愛を描く夢のようなファンタジー。女性も生物も、お互いのことを愛しく想いあう、心と心だけのつながりだと思っていたら・・・
いきなり、女性の自慰シーン!彼女は裸も綺麗でした。
中盤では、しっかりオスとメスの関係も築いて・・・、おまけに同僚にその行為まで、生々しく話す(と言っても手話なんですが)。 この清廉潔白じゃない関係ってのが、ファンタジーにしては、異形のような気がして、非常に楽しませてもらいました。
舞台は1962年、米ソの冷たい戦争真っ只中って感じの緊張感、古めかしさも良かったです。
登場人物は、一癖も二癖もある連中で、笑いあり、涙あり・・・
いやー、ホンッと面白かった。
アカデミー賞(作品賞、監督賞、作曲賞、美術賞)の受賞も納得です。リアルに描かれたファンタジーとして、何度も楽しませてもらってます。エログロ有のストレートな表現も自分好みかな。
そして、音楽が素晴らしい!全編通して、非常に心地好い音楽が流れます。夢のミュージカルシーンも良かったです。
ギレルモ・デル・トロ監督の独特の世界観が画面狭しと展開され、見応えのあるシーンの連続でした。
再見でしたが、すっかり魅入っちゃいました。いや~、ホンッと大好きな一本です。
そっか、やはり作品賞に足る作品だったんですね。俺は、怪獣好きSF好きだからこそ逆に、異形ものを最初から低くみてしまう癖があるのかもしれません。気づかせてくれてありがとうございました