「一番怖いのは人間」シェイプ・オブ・ウォーター Raspberryさんの映画レビュー(感想・評価)
一番怖いのは人間
軍人ストリックランドは、トランプの愛読書「ポジティブシンキング」を読んでいた。
トランプがそうであるように、ポジティブシンキングはネガティブなものへの徹底的な否定の上に成り立つ。
発話障害の主人公、クリーチャー、ゲイの老人、黒人の清掃婦。マッチョな支配層側の人間は、彼ら(マイノリティ)に対して公然と差別的な態度をとり、排斥する。
トランプは移民やテロリストへの恐怖を煽ることによって、自らのポジティブな印象を強化し支持に結び付けたわけだが、それが機能してしまう社会的背景がアメリカにはある。アメリカに連綿と流れてきたポジティブ思考や成功哲学。その背景にこそ恐怖を覚えた。
映画は国境線を超えられる。
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