「美しくはある」シェイプ・オブ・ウォーター テツさんの映画レビュー(感想・評価)
美しくはある
面白い映画だった
物語としては孤独な喋れない清掃係の女性がその仕事場(軍の研究施設?)にやってきた奇妙なモンスターと交流を深め、彼の為に脱出を企てる。
そして、彼等は結ばれるが別れの時は迫り…みたいな話かな?
モンスターとの交流を深めていくあたりはどこか微笑ましく、観ているとモンスターが愛おしく感じる(この辺がさすがデルトロ監督といったところか)
徐々に交流を深めていく中で2人の心を通わせていくわけだが、この辺どうにもあまりにも急激というか劇的というか、2人があそこまでになるというのがどこか急すぎるというかなんというか…(彼女の表情が徐々に豊かになっていくのは良かったけど)
他に仲間もいない孤独な彼と、彼女自身がお互いにシンパシーを感じてる?運命?と言えば、美しいのだろうがこの辺の心の機微がどうしても読み取れない(勉強不足は認めます)
隣人の画家の老紳士や同僚の女性もとてもステキなキャラクターで主人公を支えてくれる。
また、悪役とも言うべき警備主任の変態じみたサディスティックで高圧的な態度も嫌らしく、彼の不快感(そしてどこか愚かな)感じが出ていてとても良かった。
脱出劇はどこかスリリングで有り、彼と結ばれる彼女の淡い恋模様?はどこか愛おしく純粋な心地。
警備主任が迫ってくるラストにかけては緊迫感もあり、色んな映画の色を魅せてくれる。
モンスターも純粋ゆえに時に愛らしさ、時に獰猛な一面を見せるのも魅力的である。
彼女の首の傷が最後にああいう形に結実したのも驚いた。
どこか美しくもあり、愛おしくなるような繊細な映画だったかなと