劇場公開日 2018年3月1日

  • 予告編を見る

「半魚人(!?)でアカデミー!このストーリーは!」シェイプ・オブ・ウォーター critique_0102さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0半魚人(!?)でアカデミー!このストーリーは!

2018年3月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

楽しい

知的

アカデミーの最有力ということで見に行ったが、驚いた!
(で、これを書き加えていたら受賞・・・)

いわゆる「半魚人」(!?)でこのストーリーを作るとは恐れ入った。
展開の中に、全部網羅的要素を入れ込んだのに、全くおかしくはない。
縦線と横線が、うまく流れている。

水の中でしか感じないエクスタシー。首の傷。
体を流れる、無形の水。

言っちゃ悪いが、サリー・ホーキンスは決して美人とは言えない。しかし、だからこそ、何かに引っかかる雰囲気が、もどかしさが、自分に自信が持てない女性の雰囲気は、あまりにも上手に描き出されていた。

自分の心を打ち明けられるのは、これもまた周囲から見れば「異」なる者。
誰でもない者は、誰かでありたいと思う者、何某かのものであらねばと願う者の刃の力を、流麗にかわす。

水は形が定まらぬが故に力強い。
不思議な生き物(カテゴライズされない者)は、名付けを拒否した時に、初めて力を持つ。

昨年度のアカデミー。「ムーンライト」に「ラ・ラ・ランド」が加味されれば、「シェイプ・オブ・ウォーター」になるだろう。

だから、これを奇妙奇天烈とは言わず、ファンタジーと言うのだろう。

critique_0102