「終わった…堪能した…」スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け CBさんの映画レビュー(感想・評価)
終わった…堪能した…
(以下、スターウォーズをSWと省略しています)
1978年夏、スクリーンの左上隅から現れた宇宙船が、スクリーンを覆い尽くし、それでもなお船の全貌を見通せない...多くの人に言い尽くされたことかも知れないが、「巨大」ということをこんなにストレートに伝えてくれる映画は初めての経験だった。自分はもとより、多くの人か、冒頭のこの描写だけでSW4にやられたのではないだろうか。その上、めくるめく宇宙活劇のラスト。若きルーク絶対絶命のまさにその瞬間、「十分に稼がせてもらった。ここでさらば」と先ほど冷たく別れたはずのハンソロが、「ホッホーイ」という掛け声とともに上空から急降下で現れる! いや、18歳の少年に、それ、反則ですって。もう、誰でもハンソロのファンになってしまいますがな。さすが、宇宙西部劇って言われるだけのことはある!(俺の中では、誉め言葉)
「今後、1年半に一作ずつ作るSW9作が、完結するのは、SF映画の金字塔『2001年宇宙の旅』の舞台である2001年!」今となっては誰が言ったのかもよくわからないこのコメントは、待つことを含めてSWの楽しさとなり、そうして過ごした3作の充実の後、まさかの公開スピードダウン。1983年のSW6から、待つこと16年、1999年公開のSW1は、当初の予想とは大きく異なり、6歳の息子と観ることになった。親子二代でツボにはまった経歴は、再び楽しかった。
こんなSWとのつきあいも、とうとう最終回。SW9を観ました。
感想は、最後にオーソドックスなSWを観た、かな。さらに、ルークはヨーダに習った通りにXウィングを水中から引き揚げるし、SW1のポッドレースを彷彿させるカーチェイスもあるし、諦めかけた危機一髪で昔の彼女が救いにくるのはSW4でのハンソロばりだし、最後は、全ての始まりだった砂の惑星タトゥイーン、と歴史の長いファンには、なかなかたまらないシーンのオンパレード。
自分は楽しかったし、SW8からよくぞここまで持ち直した、と感心もしきり。
若き時代を盛り上げてくれたシリーズ4-6、父親としてみてきた2005年までのシリーズ1-3、そしてまた10年の時を経て俺の壮年時代をを楽しませてくれた2015年からのこのシリーズ7-9。自分が勝手に想像していた話とはやや違う方向に流れ、もはや以前ほど熱狂することもなくなったものの、SWと聞くとやはり血が騒ぐ。今回のSW9を見る直前に書き始めたこのレビュー。冒頭部分を書いてるうちに、18歳だった頃のように、胸がドキドキして来たばかりか、目頭が熱くなってきたのは、やはり俺もフリークのひとりなんだろう。
ああ、終わった。俺の一つの青春よ、さようなら。
観たのが夜時間ということもあってか、客の年齢層は高かった。寂しい気持ちもするが、「スカイウォーカーの夜明け」は「SWの落陽」だったように思えた。
自分が想像していたのとは少し違ったが、9作作り上げてくれたこと。そして、それを全て観たこと。いずれもちょっとした感動だなあ。このシリーズを始めてくれて、ほんとにありがとう、ジョージルーカス!
さあ、これからみんなのレビューを、たっぷり堪能してこよっと!
-----2020/1/12追記------
自分だったら…勝手な想像。今回SW完結なので、自分が感じてきたことを書いてみよう。
ルーク(4-6)は最初からいい子。いい子がライトサイドで修行。SWの最初のシリーズとして、この展開はよかった。いい子が修行して育つ姿、仲間ができていく喜び、そういう「希望」が4-6の真骨頂だった。
父アナキン(1-3)は、1でのポッドレースが秀逸、一気に引き込まれた。アナキンはジェダイとして順調に成長した後、ライトサイドからダークサイドへ転落。しかし最後の最後には、親子の愛に従う(SW6)。
アナキンがダークサイドに落ちるきっかけは、"ジェダイには、男女の愛は許さない" というわけのわからないルールのせいだった(カソリックの牧師か?)。ジェダイはその後全滅し、ルークの頃にはほぼいないので、この(意味がわからない)ルールも無事に消滅していたようだ。
自分が思い描いていた最後のシリーズの主人公は、以下の通り。主人公は、ルークは知らずに済んだ、"ダークサイドの誘惑" に負けてダークサイドにいったん落ちるが、克服してライトサイドに帰る。その経緯の中で、主人公は、ライトサイド、ダークサイドが、決して二者択一ではないことに気づく。両者は常に対立しているように見えるが、実はお互いに切磋琢磨しながら、人類をより高い領域に引き上げる役割を持っていた、といった感じのストーリー。アナキンは、親子の愛でダークサイドを「ぬけた」が、7-9の主人公は、ダークサイドとライトサイドの「統合」を実現し大団円となる。
...まあ、こんな流れは、誰でも考えつくし、実際にSW9も、フォースの統合がなされている。ただ、7-9の話の流れでは、「統合したと言っても、これじゃ、やっつけだ」と言われても仕方ないところ。
7-9の主人公には3作でこんな流れを見せてほしい。
⑦ルーク同様に、主人公が、仲間とフォースを得て共和国を再興する姿。
⑧主人公は、共和国をさらに安定させるため、フォースの道を究め、全体も個々も含めた幸せといった「理想だが辿り着けなそうな姿」を求め続ける。ところがその結果、熱心だからこその、「何らかの理由」でダークサイドに陥る姿とその恐ろしさ。(残念ながら、自分の頭では「何らかの理由」を具体的に描くことは、できていない。ただ、陥る決め手は、是非とも、亡きはずのベイダーからの、主人公を認める言葉と誘いであってほしい。ラストで、このベイダーは、実はシス側によるなりすましだったと判明する、とかあったら面白くないかな)
⑨ダークサイド支配で安定している宇宙だが、主人公のかっての友人たちは、レジスタンス活動を細々と続けている。そこに自由を求める若者たちが集まってくる。彼等と主人公の対決、そして「何らかの形」での解決・昇華・大団円。(これも残念ながら、自分の頭では「何らかの形」を具体的に描くことは、今回もできなかった。ただ、きっかけは、アナキン、ヨーダ、オビワン、若きルーク(年齢を重ねたルークは、俺にはなんかはまらないんだよなぁ…)からの語りかけであってほしい。4のレイアのようにR2D2が投影してくれたら、俺は泣くな)
ああ、こんな話をいつか観ることができたら楽しいだろうなあ。自分じゃ作ることはできないってこともわかった。思いつかないんだもん… やっぱ、映画作ってる人たちって、すごいわ。そんなことを考えながら、眠ることにします。おやすみなさい…
-------2020/1/15追記
俺の中での各登場人物の立ち位置を備忘のために記す。
<ルーク>
言わずと知れた4-6の主人公!
彼の成長物語こそが4-6の真骨頂。ただ、自分の中でのルークはそこまで。フォースを身につけだが、ヨーダやオビワンを凌ぐまでには至らず(あくまで個人の感想ね)…だから7-9でのマスタールーク?にはめちゃくちゃ違和感。マークハミルの歳のとり方も、失礼ながらマスターではないでしょ、と思ってる。ダークサイドに落ちたらぴったりという風貌と感じてる。4-6の成功の陰に、オビワン=アレックギネスの登用があると思う。オビワンが威厳を、ヨーダが超人性を体現した。ルークじゃ…マークハミルの良さは無垢であり、若さだったと思う。
<ハンソロ>
自分の中で4-6のヒーローはなんといっても彼!主人公ではないが、主人公を食う助演。彼無くして、SW 4-6シリーズの爽快さと人情味は、なかった!
ルークの若さと無垢に対応するように、彼の(オビワンの威厳とはまた違う)大人=人生経験から来るしたたかさ、がうまく演じられたから、壮大な4の人情劇が完成したんだと思う。
こんな風に感じている自分なので、「若きハンソロ」は、傑作。逆に、のめり込み過ぎているのか、あの作品への批判がピンと来ない。
7-9でも、もちろんハンソロを観たいと思った。ただ、 4-6の頃同様に、法律の境目のような所を生きている彼なのか、はたまた180度転換して、共和国の精神的支柱となっている彼なのか、その点を7-9のハンソロは中途半端にしか描けなかったので、魅力を出せなかった感じはする。
<レイア>
彼女は… 姫、なんだろうな。ルークに助けを求めることで、ストーリーを開始する。(時代を感じるなあ、女性が助けを求め、男性が助ける、か。ま、あの頃は、それが当たり前と思っていたので、大目に見てください)
闘いにも参加する彼女を見て「わあ、かっこいい!」と惚れる。あらためて見れば、顔は皆が言う通りなので、アクションする姫、という存在に惚れてたんだろうな。
そういう点で、7-9で共和国を率いていることに違和感はない。
父と子の対立という4-6の構図に対応させて、7-9で母と子の対立という構図を作ったことも面白い。ただ、演技力豊かに悩むベンの姿が、(比較的単純な)冒険活劇を期待して来る俺たち観客に、どう写ったか。このあたりが、7-9の評価が、映画の重みや演技力を評価する批評家と、冒険活劇とちょっとした感動を期待する観客での評価差に現れているように思う。どっちも正しい。俺は、SWはファンが言うほど深遠な作品ではないと思っている。活劇に、ちょっとした人情噺がくっついているからこそ、その部分が際立って印象的に感じられるのだと思う。そして、それこそがSWの魅力なんだと思う。
<アナキン(ダースベイダー)>
3で誕生し、4-6を、冷徹なる悪役として取り仕切った、偉大なる存在。彼の圧倒的な強さ(強く見える外観・物腰・声あってこそのSW!
それだけの存在だからこそ、何故どのように彼が誕生したのか、だけを知る目的で、1-3という3作も観続けて、それに納得したのだ。
彼が偉大すぎた故に、それに匹敵する存在を作り出せなかった7-9は厳しかったと感じる。無理言うなって話だけどね。
幼き彼は、快活そのもの。若き彼は、熱心・情熱。それだからこその転落。そこには、なんか納得できる流れがあった。
しかし、前にも書いたが、愛は御法度というルールは一体なんだったのだろう?あはは。(それがあるから、このストーリーが成り立っているんだけれどね)
<パドメ>
SWシリーズ唯一の美人(私見です。ごめんなさい、他の女性陣)
だから、彼女とアナキンの恋はすんなり入ってきた。(この意見、セクハラだな)
<オビワン>
4-6では、ジェダイの威厳と落ち着きを若きルークに伝え、7-9では、アナキンと共に冒険活劇の中心を担う、といった大活躍。実は、もう一人の主人公だったんじゃないか、と今になって思うくらい重要な人物!
オビワン、ヨーダという、成熟し安定した(落ち着きのある)、深慮なるジェダイマスター達と、アナキンやルークという、未熟で発展途上な、活動的な(変化したがりな)ジェダイ未満達という関係も、SWシリーズの魅力なのだろうな。若き俺たちは、若いからこそ、未熟なルークの成長に、自分を重ねたのだろう。それでいて、憧れるのはハンソロなわけだ。
終わりに
7-9では、SWがルークとレイアの物語として描かれているけれど、自分の中ではそうではないんだと思う。まあ、マークハミルの歳のとり方が自分のイメージに合わなかったってだけかもしれない。別の俳優使っていたら、また全然違ったこと言ってるかも。
(ずるいけど、観客の特権だから…)
おしまい。
映画では、一応完結という形を取ってますが、配信ドラマなんかで、スター・ウォーズは、まだまだ続きそうですね。
熱い想いを踏みにじらないでくれって、気持ちもチラホラ。
CBさん、コメントありがとうございます。
なるほど、そんな見方があったのかと感心することしきりです。
自分の中でも、漠然とした違和感がモヤモヤして、いろんなレビューを読んで、それなりに納得していたところです。
まぁ、最終作において、今までのスター・ウォーズの歴史をなぞるような終わり方をしてくれたことで大満足だったんですが。
コメントありがとうございます。
ダースベイダーの存在頑張ってとても重要なこと、今更ながら痛感しています。
悪役ではないけれどコナンもたくさんのライバルがいてあれだけの長いシリーズをどんどんパワーアップして継続していますし、バイキンマンがいてこそアンパンマンが引き立つわけですもんね。
CBさん、またコメントありがとうございます!
正直2作目の方向転換は、過去シリーズの流れからしても、新3部作としても、良い方向には作用してないと感じたので、
「監督として独自色を出したかったのかスタジオの方針かは分からんけど、熱心なファンの多いシリーズなのにやりすぎでは……」と思っちゃいましたね。うーむ。
スゴいレビューですね!しっかり御自身の中でSWを昇華されてる!!SWと共に歩んできた人生の年輪を感じます。
個人的にはアナキン/ダース・ベイダーが好きなので「匹敵する存在がなかった7-9が厳しかった」の御意見には完全に同意です!
小さな西友の5Fかよ!って、拍子抜けしないといいけど。
俺も荻窪、東中野、吉祥寺、目黒、早稲田いずれも初めて行ったときは、ドキドキワクワクしました。いつかは、小さな映画館全部を経験してみたいもんです。
俺もだいぶ背伸び(脚伸びかな?)です。ただ、恵比寿と有楽町は、女性人気が高い映画を見逃さないためには欠かせないっすよね。
スマッシュヒットのハートウォーミングはそこら辺に多いので、泣きたい爺には、必須です
CBさん、レンのスピンオフ計画があればそれで行きましょう!
川崎は109もTHも、チネチッタもあるしいいですよねー🙋♀️私はクラブスパイスがメインで、あとひとつ何足すかで悩んでおります。フリパスがなくなったTHより、もっと特典が多いところにしようかなーと。TCGいいなぁ、、、あ、UC恵比寿ガーデンプレイスは私も好きです。たまに背伸びして行きます(笑)
コメントいつもありがとうございます🙋♀️🙋♀️
ルーカスが新三部作を作ったらトークは、朝まで生テレビでやれそうなくらい白熱トークになりそうですね。おそらくどの展開でも賛否両論かと、、、
私はオビワンが大好きなので、影の主人公論は嬉しいです😊オビワンの最期、ダースベイダーがアナキンに戻ることを悟ったかのように目をつむるところは私の中では映画史に残る名シーンです。クワイガンの最期も、、、あもちろんダースベイダーの最期も、、、なんだありすぎる!
コメントありがとうございます!
レイの物語に関してはやっぱり気に入ってます。
大作映画はダイナミックな展開や画で魅せつつ、繊細な人物描写を両立させたような作品が好きなんですよね。
新シリーズについては……
僕はこのシリーズの熱心なファンでは無いですけど、もしも自分が子どもの時から大事にしている作品が、「売れるから」という安易な理由で大して練り込みもせずにポコポコ量産されるようなら、怒ります。
次の新シリーズに過去シリーズファンも納得してくれるような練り込んだ設定やアイデアがあるようなら、観たいかもですね。そうでなくても結局観るは観るでしょうけど……冷めた感じの鑑賞になっちゃうかもですね。
コメントありがとうございます♪
元々の『SW』の始まりが、ルーカスが子供の頃楽しんだ他愛ない冒険活劇を再び作りたいという思いからでしたからね。
魅力的なキャラも深いドラマも感動もいいですが、やはり『SW』はEP4のようなワクワクハラハラドキドキの冒険活劇こそ醍醐味だと思っています(^^)
コメントありがとうございます。
チューバッカはいつでもどこでも我々と同じ立ち位置にいる気がして好きなのです。
つまり、スピンオフのハン・ソロも含めてこの世界で一番の目撃者・当事者なのに、主要人物とはいつも別れが待っているんですよね。たぶん、何十年か後にはレイのことだって見送ることになるのでは😭😫🥺