「ダース・ライアンの罪と罰」スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け moriさんの映画レビュー(感想・評価)
ダース・ライアンの罪と罰
SWファン歴20年のペーペーです。
他のレビューさんも仰っていたが、
つくづくEP8の罪の重さを実感できる作品だった。
僕のレビューには前作という言葉が度々出るが容赦して欲しい。全ては最凶最悪の暗黒卿ダース・ライアンのせいなのだから。
とにかく、ルーカスの下を離れてSW神話を自分達が一から作り上げるという、J・J・エイブラムスの覚悟と、本作でよくここまで新シリーズの最終的な軌道修正をしたという功績に拍手を贈りたい。
SWファンの賛否を甘んじて受け入れると言う監督の姿勢通り、良かった&悪かったがとてもハッキリしてたと思う。以下はとても長いのであしからず。
⦅良かった所⦆
◉レイの素性をハッキリと明かした。
→前作(僕は無かったものだと思ってる)にて、
レイの両親が飲んだくれで借金のカタにレイを売り飛ばしたとあったが、それをパルパティーンの孫という設定にする事で、レイの心の葛藤描写と、強大なフォースの持ち主である事にある程度の説明がついた。きっとエイブラムスも戦犯ライアンの脚本嫌いだったんじゃないかな。
◉カイロ・レンの描き方
→最高指導者となった彼の心情の葛藤が僕は本作で好きだった。母を亡くし、父の幻と心の邂逅する事によって、最終的に祖父アナキンと同じくパルパティーンに立ち向かった。彼の最期の優しい笑みがとても切なく感じた。
◉描写がいちいちSW
→冒頭のファルコンでの飛行シーン、砂漠の惑星でのチェイスや、レイの正体を知っても尚彼女を導くレイア&ルークのスカイウォーカー兄妹(ルークの性格が本来のものになっていた)、ファルコンを駆るチューイと老ランド、、前作で観たかったシーンがやっと観れる事によって、今僕はSWを観てるんだ感が凄かった。個人的に、若かりしルークがレイアにジェダイの訓練をしているシーンが短いながらもスゴく好き。
⦅悪かった所⦆
◉相変わらずフォースの描写がよく分からない
→前作でスノークおじさんの小細工でフォースの繋がりを持ったレイとレンだが、今作でもその描写がいちいち出てきて、身近にないものを取ったり壊したり、戦ったり、その都度ややこしい。あと、カイロ・レンとレイが遭遇するシーンが多すぎて、ライトセーバーバトルが盛り上がらない。(結局この新シリーズで盛り上がったライトセーバーバトルのシーンは一切なかったね)あと、レイのフォースライトニングの描写は正直冷めたよ。
◉パルパティーンの存在
→物語の序盤から出したのは良かった。それによって、レジスタンスが銀河の自由を懸けて戦う意味を持たせ、最期の戦いではそれなりに盛り上がった。ただ、パルパティーンは黒幕のはずなのに、操られてる感が凄い上に、結局自分のフォースライトニングで自滅するんかいとツッこんでしまった。
こうして見ると、結構いい映画に仕上げたんだなって思える。前作のブスとフィンの恋仲になりそうな関係を一掃して無かった事にし、前作でレジスタンスから逃亡者が出てるとか訳わからない事を抜かしてたのを、今作では命を賭して戦う戦士達として描いてた。
結局、僕が言いたいのは全ての黒幕は、
シスの暗黒卿パルパティーンでもなく、SW自体をデス・スター級の威力の特大クソ映画で破壊しようとしたダース・ライアンだという事だ。
エイブラムスが彼を葬り去ったおかげで、
この新シリーズもやっとライトサイドに戻る事ができた。ありがとうエイブラムス。