「血の呪縛からの解放と思いきや…!?」スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け るいこすたさんの映画レビュー(感想・評価)
血の呪縛からの解放と思いきや…!?
悪くはなかったと思う。
レイの出自がパルパティーンであったことには本当に驚いたし、カイロ・レンがベンに戻ること、デススターの残骸での決闘などなど。スターウォーズファンにはたまらない場面の連続だった。
ただこの物語が一体何だったのか疑問に思ってしまう。最後のレイ・スカイウォーカーに全く納得がいかない。
途中レイがパルパティーンの血筋でありながらジェダイとなったことが明らかになったのは、ある種の自由主義というか、血や家の呪縛から解放される物語のように思えた。
ところが、世俗的なものから超越した絆を感じていたように見えたカイロ・レンとは恋愛関係になり、最終的にレイ・スカイウォーカーを名乗る。
あれってものすごく単純化すれば、つまり、スカイウォーカー家に嫁いだってことだよな。スカイウォーカーの血縁者が誰もいなくなり、嫁であるレイだけが残ったと。だから、ここがスカイウォーカーの夜明けだってことでしょ?
そうなるとなぜスカイウォーカー家は残し、パルパティーン家は残してはいけないのか。罪を犯した先祖を持つ家は消されても仕方がないし、功績のあった家は残すという話になる。
そんな古くさい価値観の物語なのか?シスに罪があるわけで、レイに罪があるわけではない。レイは両家を名乗るか、ただのレイでよかったのだ。
フォースとはバランスであるとか、精神性の高い話をしていた割に、結果、家制度という前近代的なシステムの呪縛に捕らわれるという、堅苦しいエンディングになった。
難しいこと考えずに見ればいいのかもしれないが、EP8のようにバカには理解できない作品を見させられると、そのレベルを期待したくなるもの。
まあ、終わらせることに意味がある作品だから、☆は及第点だと思います。