「いかにもJ.J.らしい」スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け farさんの映画レビュー(感想・評価)
いかにもJ.J.らしい
1回目:通常スクリーン
2回目:IMAXレーザー2D
いわゆる続三部作(シークエル・トリロジー)全体の総合点をつけるなら、スコアはもっと低いです。
せいぜい★2.0あたりかな。
これまでJ.J.が作ってきた作品のほとんどに共通して言えることだと思っているが、基本的に主要キャラクターに葛藤がない。
葛藤がないから、人として成長もしない。
成長しないから、作品全体に奥行きや深みがない。
人は目の前の出来事や問題に際し、悩み、迷い、葛藤することで内面に変化が生じ、やがて人として成長するものだと思っているのだが、J.J.の作品にはそのような描写がほとんどない。
ただストーリーが進行していくだけ。状況がキャラクターに合わせて変化してくれる運びとなっている。
だからグッとくるドラマ性を感じないし、キャラクターの心の動きや変化がわかりにくい、或いは短絡的に感じられる。
今作でいえば、レイに暗黒面の資質があるのかもと判明してから、その点で少し葛藤しているようにも見えるが、ボリュームはお世辞にも十分とは言い難いように思う。
ポーはパイロットから指揮官へと役割の変更を求められるが、本人が成長していないので「やっぱりパイロットの方が性に合ってるぜ」と言わんばかり。
フィンは脱走兵から戦士へと成長できていたかな。ただ、それも本人による葛藤の末の変化というよりは、状況がそうさせただけとも言える。
キャラクター個人を堀り下げるようなフォーカスの当て方をしない一方で、ストーリーは進行するもんだから、どうしても内容は全体的に薄っぺらくなってしまう。
新作を見ても昔のようにワクワクできなくなったのは、単に私が歳を取ったからというだけではないように思う──こう感じてしまうことが、旧三部作から追いかけている往年のファンとしては残念でならない。