「EP8からのリカバリー作品としてはOK。だが、物語としては...うーん。」スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け hiroya06さんの映画レビュー(感想・評価)
EP8からのリカバリー作品としてはOK。だが、物語としては...うーん。
20日の0時上映から土曜日の夜までに4回鑑賞をしてきました。
その結果は、チケットを取ったこと自体を後悔させるものでした。
物語としては正直1回観れば理解できるレベルの浅さで、EP7を見た時の「考察のために何度も観る」には至ってませんでした。
自身も比較的古株の、約30年来のスターウォーズファンです。
ただ、結局、ナンバリングの7〜9に関しては存在意義を見出だせませんでした。
(今回のエピソード9を、同じあらすじを骨子とした、エピソード7として持ってきていたら、と考えると面白かったと思います。パルパティーンの突如復活→ルークに修行された、レイとベンがそれに立ち向かう。ただし、最後、ベンがダークサイドに落ちて、次回作の敵として"生まれ変わる"ような形であれば、などなど。そして、今回のあらすじだけ観ると、結局ジョージ・ルーカスが最初に想起した、エピソード7に近い内容になっているのでは...)
なお、ディズニーになってからのスターウォーズに対して、否定的ではありません。
理由としては、反乱者たちやローグワン、直近のフォールンオーダーなど、「普通に面白い、感動できる」作品にも触れることができているいるからです。
RJが戦犯としては大きすぎました。JJはあそこからのリカバリーとしてはよくやったと思います。
脱線しましたが、以下、映画の悪かったところ、良かったところです。
【悪かったところ】
●脚本が雑&驚きはなかった(フォース・ライトニングをレイに使えさせない方が良かったのでは...)
・フォールのプル、プッシュ、マインドコントロール、意思疎通系以外はいらなかったのでは...?(設定上、あるのはわかるが、映画で使用するのは「一般人」にとっては理解し難いのでは?前回のルークのフォース使用と同じく)
・ライトセイバーの殺陣シーン(無双感もなかった。というか、なぜか回想シーン、幻影シーンのライトセイバーの殺陣シーンが全然良かった。そして、パルパティーンがライトセイバー戦を「好まない」のはわかるが、逆に開き直って、パルパティーンとレイ&ベンで一緒に戦わせるくらいはしてほしかった。パルパティーンにはパルパティーンとダースモール兄弟が戦ったときの強さを見せつけてほしかった)
・というか、そもそも最強の悪役を冒頭で出しちゃうのは...(魅せ方として)駄目なのでは...。終盤戦のみ君臨してほしかった。
・ランドの印象づけのためだけに、ストームトルーパーをわざわざ殺したところ。そして、その死体を隠さなかったところ(エピソード5のランドがやっていたのに)。
・ギャグシーンに思えて仕方がなかったキスシーン(本当にいらなかった。「いや、この流れだとするよな?でも、本当に、心からやってほしくな...やってしまったー!!」)
・上陸部隊、意味あったか?普通に戦闘機で破壊すればいいじゃない。
・(映画内のみであれば)結局、ファースト・オーダーの規模感がわからず、「どれだけピンチか」が、本当によくわからない。オープニングロール(遅くともEP8時点)ですべき内容だった。→最後の「全員集合」だって、カタルシス0でしたよね?どれだけピンチかわからなかったから。
・ファイナルオーダー、何したかったの?十分に規模感大きいはずでは?ファースト・オーダー、主要国潰してたわけだし。
・デス・スターの残骸を利用した、謎解きも、雑すぎる。あれだけ荒い海では物体がズレてしまうのでは...。
●撮影が残念。(EP8の評価できる点は、画の作り方は本当に良かったと思う)
・宇宙のシーンは良いのだが、通常のシーンは雑さすら感じた、「下手さ」だった。制作に時間がなかったのは理解できるが、いくらなんでも画にこだわりがなさすぎる。
・ライトセイバーバトルの残念さはもちろん、最終空中戦も正直、コクピットシーンが多すぎて、ライド感がない。
etc...
【良かったところ】
・ジョン・ウィリアムズ(サントラはEP8から続けて最高でした)
・EP8からの持ち直し
・レイのEP7の血統に関する伏線回収(レイがパルパティーンと同じ型を使っていた理由の回収)
・「アナキン/ダース・ベイダー」ができなかったことをする(命を呼び戻す)
・ルークの家(当時のセットに「リアリティ」を感じた)
...エピソード7作り直しませんか?ディズニーさん。ジョージ・ルーカスの案をベースに改善する形で、今回のストーリーを「レジェンズ」にしてしまって。