「鑑賞記録」スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け ハッピー・ホーガンさんの映画レビュー(感想・評価)
鑑賞記録
「すべて、終わらせる。」
このキャッチコピーが心底嫌いだ。『ジェダイの帰還』で完結した物語を勝手に再開しておいて(9エピソード構想であったことは勿論承知してますよ)、何より、前作『最後のジェダイ』でルークたちの築き上げたあらゆる功績をぶち壊しておいて、なぁにが終わらせるだコノヤロー!!…そう息巻きながらも、公開されるとなればチューイのトレーナーを着て、IMAXで鑑賞したくなるのがファンの性。見届けてきましたよ、銀河の物語の終焉を。
結論としては、思っていたより悪くなかった!というか、普通に楽しめました。以下箇条書きで。
◯テンポの良さ
タイトルロールでしれっと紹介される衝撃の事実。からの、凄まじい手際の良さで描かれるカイロレンのエピソード。ここは本当に良かった。前日に『最後のジェダイ』見返していたため、テンポの差は歴然。アクションに次ぐアクション、そして小出しで出てくるイベント。観ていて飽きませんね〜。流石エイブラムス監督!と言っておきましょう。
◯接待だっていいじゃないか。好きなんだもの。
前作が破壊してきたスターウォーズの定石。これが賛否両論で議論を巻き起こしてきた訳なのだけども、上層部は昔からのファンをとることにしたみたい。それくらい、オールドファンに対する目配せ、サービスがうじゃうじゃ。新しいスターウォーズを喜んだ前作のファンはきっとガッカリしたろうけど、正直、自分自身も残念に思うところもあったけど、それでも「嬉しい!」の方が勝つ、そんなシーンがたくさんありました。第二デススターの皇帝の間のBGM、ダゴバの森のような自らの闇との対峙、数十年間水中に沈んでいたXウィングをフォースで引き上げるルークなど、旧作を匂わせるシチュエーションがつるべうち。
そしてレジェンドキャストの登場。わかっていたランドの登場だってウキウキしてたのに、まさかのハンソロ!これはかなり意表を突かれた…かと思ったらファルコン号の砲撃手にウェッジアンディリーズが!!Xウィングに乗ってて欲しかったけど、第二デススター破壊の立役者が揃い踏み…熱い!クライマックス、レイに発破をかける歴代ジェダイナイト…(誰がどの声かわからんかったからもう一度見たい!)。
まぁ、なにで一番泣いたかってチューイに渡される42年越しのメダルですけどね。本当にね、よくがんばったよチューバッカ!あんたが大将!
・結局の帰着
前作最大の功績と言われている「血族の物語からの脱却」。これがすっかりなかったことにされてしまったのは非常に残念。なんやねんパルパティーンの孫て!結局スペシャルな出自だったんじゃないか…てか絶対後付設定やろこれ…。
あと、ラストね。闇を克服したのなら安心して名乗りなさいよ。それがどうしてスカイウォーカー?ジェダイの代わりに「善」の代名詞になったのですか?それとも勝手に家族に仲間入り?血の繋がりを越えた関係性の構築を数多の映画が描いてきた中(GoGとかデップー2とかさ)、そこでスカイウォーカーを名乗っちゃうのはアリなのかなぁ……。
まぁ何はともあれ、公約通り「すべて、終わらせ」たスタッフには敬意を払いますよ。お疲れ様。ワガママなファンのご機嫌をとるのは大変だったことでしょう!でも、それだけのシリーズなんだってことを作り手だけでなくファン自身も思い知ったんじゃないかな。もう新たな物語とかいいから、どうかこの銀河に永遠の平和をもたらしてあげてください…あ、オビワンのスピンオフは楽しみにしてまーす←