「J.Jは頑張った」スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け オプオプさんの映画レビュー(感想・評価)
J.Jは頑張った
IMAXにて鑑賞。
冒頭からノンストップで話が進んでいき、観てる最中も詰め込み過ぎと思っていたが後半の展開は熱くなる部分も多く完結編としては無難な着地点に収めたのではないかと思う。
ジェダイの帰還はスカイウォーカー親子の行く末、シスの復讐はアナキンがダークサイドに転向する結末に向かって見事に展開されているので、物語の方向性がはっきりしているが、やはりシークウェルトリロジーの3作をまとめて考えると、話の方向性がブレてしまっている為、満足感に欠けるのであろう。
◆レイの出自について
フォースの覚醒時から謎にしていた部分を最後のジェダイで一度無に返すような展開にしてしまったのは痛い。いざ、完結編で明らかになってもこれまでの展開を見てきたファンが後付だと感じてしまうのは避けられない。前作で少しでも、伏線をはっておくべきポイントだった。
◆ジェダイとシス
フォースの覚醒では、伝説となったジェダイと帝国に代わり出現したファーストオーダーの存在が描かれ、最後のジェダイではカイロレンがジェダイでもシスでもない世界を作ろうとレイに手を差し伸べる。だが、今作ではいきなりシスの存在が際立っている為、唐突感が否めない。
◆レイとベン
最後にキスを交わす点が物議を醸しているが、ベンはアナキンが為し得なかった愛する者を救うことができたと考えれば、納得できた。お互い敵でありながらも惹かれていた描写は少なからずあったので、許容範囲と考える。
◆スノークの正体
最後のジェダイであっさり退場したスノークの正体がきちんと明らかになったのは良かったが、パルパティーンが登場するのであれば、ああやっぱりという展開。もう少し捻りがあっても良かった気がするが、これも許容範囲。
◆ルークとレイア
急逝したキャリーフィッシャーがどのように登場するのか楽しみにしていたが、これについては満足な出来だった。チューイが泣き崩れる場面は、現実も相まって涙腺が緩んでしまった。
ルークについては、退場させるのも早過ぎたと確信した。元々はレイアをたくさん活躍させるつもりだったのだろうが、今作がスカイウォーカーの物語の完結になっているのにルークの影が薄い。ルークがシスのアイテム追ってた等の事実が明らかになっても前作で偏屈じいさんになっていたことからも後付感が物凄い。
◆パルパティーン
復活させるアイデアは悪くないが、ジェダイの帰還の焼き直しにしか見えないことは明白なので、プリクエルで示唆されたダース・プレイガスなど使っても良かったのではと思う。
今作の公開前に不安視していたが、全体を通して、3作全体の脚本をしっかり練ってから制作すべきだったと思う。ジョンソン監督を非難するつもりはないが、最後のジェダイの展開が方向性としてほぼ不必要になってしまっている為、つらい。(演出は素晴らしかったが)
以上が見終わった後の感想だが、劇場パンフレットを見て、細かいキャラクターの設定などを閲覧し少し評価が変わりそうである。とにかく、J.Jは頑張った。余力があれば、前2作を完結編と結びつけるための特別編を製作してもらいたい。