劇場公開日 2019年12月20日

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「「スターウォーズ」とは?」スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け わんこさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0「スターウォーズ」とは?

2019年12月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

満足できる作品ではありました。
新しいキャラも、懐かしいキャラも登場し、色々な星を巡り…。派手な宇宙船あり、かっこいいライトセーバーでの決闘シーンあり。まさに「スターウォーズしてるなぁ!」という感じ。
何よりも、あのような前作からよくここまでまとめてきたな!と感心しました。もはやEP8をすっ飛ばして今作を観ても、なにも困らないくらいの切り離しっぷりです。それだけ前作が不要な展開だらけだったということでもありますが…。監督のJ.J.エイブラムス氏にとっては、さぞかし難しい仕事だったことでしょう。

さて、ここからはあくまで昔からのスターウォーズファンからの偏った意見であるということをご留意ください。

結果的にはキレイに終わる最終作になったと思いますが、やはり何かモヤモヤするのです。
それは「フォースの覚醒」と同じく、本作も「旧作の焼き直し」のような内容だったからです。おそらく多くのファンもそのような感想を抱くはずです。

しかし、ファンが求めていた新スターウォーズとは、どのような映画だったのでしょうか?

「フォースの覚醒」は「新たなる希望」の焼き直しであると批評されました。しかしまぁ、「フォースの覚醒」はそもそもが旧作ファンを狙い撃ちするような映画であり、31年越しの続編である、というところに価値があったように思います。やたらと伏線を張り巡らせ、三部作の第一作としては極めて優等生的な作品でした。

「最後のジェダイ」はどうでしょうか。この作品は、それまで築いた「映画としてのスターウォーズ像」をブッ壊すような作品ものでした。ストーリー、キャラクター、アクションはそれまでのスターウォーズと一線を画し、ディズニーの下で全く新しいスターウォーズを始めるという意欲を感じさせる映画でした。
そしてファンの評価は…今更言うまでもありませんね。
もちろん「新しさ」だけが批判を浴びたわけではなく、むしろ他の数えきれない部分で不評を買ったことは分かっていますが、とにかくこの「方向転換」だけでも賛否両論だったことは事実でしょう。

そして今回「スカイウォーカーの夜明け」を観て確信したのは、ディズニー社にはファンが求めるスターウォーズを「生み出す」のは絶対に無理だということでした。
この三部作は、あくまでスターウォーズっぽいSF映画でしかありませんでした。というのも、作品を観ててビビっとくる場面というのは結局、過去作を思い起こさせるシーンや舞台、兵器、アクション、音楽などが殆どなのです。焼き直しの部分なのです。

そして、僕はこの新三部作が焼き直しで終わるのは必然だったと思います。
なぜならJ.J.エイブラムス氏にもライアン・ジョンソン氏にも、「スターウォーズの世界」は造り出せないからです。何か新しいことに挑戦しても、ただスターウォーズから離れて、どこかで見たようなSF映画になっていってしまう。
例外は、ジョージ・ルーカス氏ただ1人なのです。

彼が手掛けたプリークエル(EP1、2、3)も、旧三部作ファンから非難を浴びることはありました。しかし、映画自体は正真正銘の「スターウォーズ」でした。男心をくすぐる武器やビークルのデザイン、魅力的な悪役、宇宙戦…それまで見たことのないもの。唯一無二の存在でした。
スターウォーズというものは、ルーカス氏にしか作れないのです。彼が携わらなかった時点で、今回の三部作というのは「スターウォーズ風の映画」にしかならない運命だったのです。

今後もディズニー社は、ゾンビのごとくスターウォーズ風の映画を作りまくることでしょう。しかしそれらは、完成されたスターウォーズという神話を借りた二次創作的映画にしかならないのだろう…と。
この「スカイウォーカーの夜明け」を観たあとの、なんともいえない寂しさのなかで感じたのでした。

わんこ
Tiffanyさんのコメント
2019年12月21日

わんこさんの本当におっしゃるとおりだと思いました!EP9は戦闘シーンだけは迫力がありましたが、EP7~9は、結局作った意味は全くなかったと思います。EP7~9は、フォースで何でも出来すぎて、バカバカしくなりました。何ができて、何ができないのかというフォースの設定をしっかりしないと、子供向け特撮映画よりもひどいですね。帝国の逆襲の秀逸さが本当に懐かしいです。

Tiffany