「SWファンとして(星4) 映画ファンとして(星2)」スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け ぬおいやおいさんの映画レビュー(感想・評価)
SWファンとして(星4) 映画ファンとして(星2)
画面の情報量は多いけど少ない。そんな作品でした。
しょっぱなからストーリーのテンポが速すぎるうえに、シークエンスの切り替わりも速い。
いったいどこで、誰が、何のために動いているのかがわかりにくい。
でもそれ以上に、途中からどこでなにをしてても、全く興味がわかなかった。
大量のスターデストロイヤー群が画面いっぱいに登場しても、壮観だな。という感想ぐらいしかなかった。だってどうせ勝つんでしょ?って気持ちが抑えきれず、展開は予想でき、本来ここで抱くはずの絶望感が生まれてこなかった。
ルーク3部作を聖典のように扱い、二番煎じ三番煎じもいとわないという結果だが、果たしてそれは映画としてはどうなのか。
たしかに今作はスターウォーズっぽいのかもしれないが、それといい映画とは全く関係ないはずだ。
ファンはいいスターウォーズ作品を求めているかもしれないが、僕個人としては「新たなる希望」や「帝国の逆襲」のような素晴らしい映画作品が観たかった。
だからこそファンとして納得している部分もあるが、映画ファンとして納得できないのも事実である。
なによりもモヤモヤしてる点は、レイがパルパティーンの血縁者だという事実。
「最後のジェダイ」では、本来は主役ではない人々に焦点を当てていた。
主人公のレイですら、「名も無きひと」の子供にすることで、フォースと血統(遺伝)は別だと提示した。
ただ、それを今回は元に戻した。
力の強さは、生まれながらに決まっている。ただし、どう使うかはあなた次第ですよ、と。
英雄は特別な血統からしか生まれないの?
貴種流離譚みたいに?
時代錯誤だと感じざるを得ない。
よかったのは、やはりカイロレン(ベン)というキャラでしょう。旧作のオマージュは食傷気味でした。
ただ欲をいえば、パルパティーンに立ち向かうのは、レイではなくベンでいてほしかった。
フォースの囁きと共に立ち上がるあのシーンは、一度ダークサイドに堕ちた、ベンであってほしかった。
新しいことに挑戦しなければ、過去の作品は絶対に超えられない。
今作でスターウォーズファンは納得したかもしれないが、映画好きは離れたかもしれない。
一見スターウォーズらしくないローグワンが面白いと評価されている理由を製作陣やディズニーは考えて欲しい。