「暗喩」ウインド・リバー U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
暗喩
色々と暗喩が多いのかとも思う。
物語の軸は、寒村で起こった殺人事件を解き明かすって事なのだけど…この話しが「ネィティブアメリカンの失踪」なんてものからインスパイアされてるからタチが悪い。
それらの失踪事件の統計は取られていないらしく…そんな事から考えると、この話自体が取られない統計の内情にも思え、後味が悪い。
この寒村は限界集落かの如く、閉塞感があり人の出入りが少ない。そんな中、主人公であるハンターはFBIに対し、刑の執行を匂わす。
そして、おそらくならこの刑事が反対するなら見殺しにするつもりでもあったろう。
それが出来る環境と覚悟はあるのだと思う。
物語の中「ハンター」は、執行人かの如く悪を断罪はする。
ところが失踪事件の内情とかを考慮に入れると、コイツが実に不鮮明な立ち位置を醸し出す。
このハンターは、自分の良識の範囲で執行してた。ラストなどはご丁寧に雪山迷彩をして、目立たぬように。
ちょっと、アレコレうがった見方をすれば、奥の深そうな脚本だった。
この寒村がアメリカの縮図とするなら…。
レイプや殺人などをピックアップしてる訳ではなく、それらを事件ごとなかったものにしている「ハンター」が、かなり際どい存在。
実際、事件が粗方片付いた時、彼を連行する組織などはなく、日常が帰ってこようとしてる。
違和感の正体はこれで…当事者が口を塞げば追求できない現状があるという事。
この「ハンター」がアメリカのネィティブアメリカンへの黙殺だったり隠蔽だったりって部分を担ってるのかもと思った時に、インスパイアされたって意味が、ぼんやりと浮かび上がるような気がした。
CBさん
コメントありがとうです。
「そうかも!」嬉しいです。僕も他の方のレビューを読んで「なるほどー」とか「そんな見方があったか」と思う事が多々あります。そんな時は作品を2倍楽しめたようで得した気分になります。
僕が感じてるようなワクワク感をCBさんも抱いてくださってるならば幸いです!
コメントありがとです。
なんか小難しく考えてしまう傾向がありまして…的外れなレビューもあるだろうとは思いつつ、そう感じたのだからしょうがないと開き直ってます😅
ただ、あのテロップを見た時にゾワッとしたのを覚えてます。主人公の正当性が揺らぐといいますか…自分にかけられたフィルターを突きつけられたような感じでした。
深い考察ですね。私は単純に主人公の、魅力に引かれたのですが、確かにおっしゃる通りです。
コロナ以降、「私服なんとか」が流行っていますが、やってることは主人公のしていることと大同小異なのかもしれませんね。