「絶対的なものの先にあることは?」デイアンドナイト ハンバーグさんの映画レビュー(感想・評価)
絶対的なものの先にあることは?
久しぶりに実家に訪れた主人公が父の死んだ事で色んな事実を知り始める。
父の自殺から窃盗集団と関わる事になる。
元々、自動車の部品を作っていた会社の社長だった父が大手の自動車会社で起きたリコール問題に関与していた可能性が出てきた。
ただその事実を公表する事で正義を貫いた。けれども、それによってその会社から多くのリストラが生まれて多くの人を路頭に迷わせる事になってしまった。
これから起きるかもしれないものを止めようと正義を貫けば、今あるものから悪とされてしまう。
正義とは?悪とは?
この映画では、とても暗い親子関係が描かれているなという印象だった。
今まで向き合ってこなかったから、死んだ後に呪縛のように取り憑かれた姿とても印象的だと感じた。
正義を貫いた父は、果たして正しかったのか?
主人公の葛藤を感じました。
施設に預けられた子供達の繋がる事で自分自身がしている事が正義だと思うようになる。
映像として、昼の場面と夜の場面を交互に入れ替えるシーンは、心理的な描写を描いているなと感じて面白いと思った。
北村さんの妻を殺した強盗を正当防衛とは、いえ殺してしまった。
その人には、娘がいた。
その子には、罪は無いと親の肩代わりとして育てていく事になる。
けれども、その子が大人になっていく中で真実を伝える事、自ら死に追いやる事で贖罪を受けようとしていたのかもしれない。
風力発電の道を走る所が多かったけど、それが何か意味するものがあるのかなと思ったけど、少し分からなかった。
最後、自ら罪を告白する事で主人公は、自らの正義を貫く事が出来たのかもしれない。
けれども、それによって残された家族には、悲しみを与えてしまう事になる。
自らの正義ってどこにあるんだろうと自問したくなるような映画でした。
全体的に写真の様なコマドリが僕的には、好きだなと感じた。
ストーリーとしては、もう少し人物のキャラクターの深い部分を見たいなと思いました。