「誰かを守るために誰かを傷つけることは正義か!?」デイアンドナイト 映画野郎さんの映画レビュー(感想・評価)
誰かを守るために誰かを傷つけることは正義か!?
昼と夜。善と悪。すべては表裏一体で紙一重である。
誰かを守れば、他の誰かがが犠牲になることがある。世の中はすべてそういう危ういバランスで成り立っている。
それを中央に集めて再分配する仕組みが、本来の政治であるはずだ。ただそれが機能しなくなっている現代では、自由主義の経済のなかで個人個人がやりくりしなければいけないしわ寄せが来ている。
生きるとは何か?家族とは何か?正義とは、正しいとは何か?
いつも無意識に目を背けている核心を突く問いを投げかけられる作品。
親を殺された男、人の親を殺しその罪を償う男、親を殺されひとりで生きていく女の子、合理的に損得で生きていく男、それぞれの立場から放たれるいくつもの言葉にハッとさせられる。
それらは劇中で感じてほしいが、ひとつだけ。「空は青だけでなく、赤も黒もある。でも、それ以外の色もただ見たことがないだけじゃない?」という言葉に、生きていくなかで固定概念を築き、当たり前を勝手に作っている自分の心が洗われるようだった。
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