ハード・コアのレビュー・感想・評価
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なんだかやみつきになるこの妙演。クスクス笑いが止まらない
平成の奇書とはよく言ったものだ。そんな原作が平成の終わりにまさかの映画化を迎えるのも宿命と言うべきか。この特殊すぎる味わいを損なうことなく、社会の底辺でこだわりと生きにくさを持って堂々と這いつくばる男たちの相貌を色濃く浮き彫りにする。その点、さすが山下監督。深刻になりすぎず、かといってカルトな方向に行き過ぎることもなく、我々は淡々と積み重ねられていくシュールな展開に終始ニヤニヤ笑いを浮かべながら、この不可思議で切ない男たちとロボットの友情にじっくり心を寄せることができるのだ。本作の中では誰もが一笑に付してしまう嘘のような現実が思いがけない展開を見せる。しかもその背後に隠された逸話や理由についてはほぼ黙殺された(というより知る由も無い)状態。果たして話が前進しているのか後退しているのかわかったものでは無いが、その宙ぶらりんな状況できりもみする山田と荒川の妙演がクセになる。とことん珍味である。
哲学的に観る「ハード・コア」
山田孝之、佐藤健、荒川良々。好きな俳優が3人も出ていたら、そりゃあ観るでしょ!右翼の活動家が山奥で埋蔵金探し、見た目はポンコツな高性能ロボット、と設定もブッ飛んでいて、何が出てくるのか予想もつかないお楽しみ福袋感ある。
実際観ていて、これは愛の物語なのか?成長の物語なのか?SFなのか?サスペンスなのか?果たして自分は同じ映画を観ているのか?期待以上のブッ飛び加減はスリリングで、最後まで楽しめた。
で、考えるのである。「ハード・コア」というタイトルに込められた意味、いや意義を。
まずはフツーに「核心」かな?登場人物がそれぞれ持ち合わせている、譲れないもの。
特に右近は顕著で、欺瞞に満ちた世間に全く合わせられない。左近なんかは薄々感じてはいても、なんとか折り合いを見つけて上手くやろうとしていて、それなりに世間からはみ出ない範囲に収められる。でも右近はムリ。
もう一つ、「ハード・コア」とは「貧困層」でもある。最近流行りの「自己責任論」的には、右近は自業自得だが、牛山なんかはむしろ世間から強制的に「ハード・コア」であることを強いられる存在だ。
二つの「ハード・コア」が絡み合い、世間という不確かで気味の悪いものを拒み、拒まれ、なんとか世界のなかで居場所を掴み取ろうとする。
上手く世渡りしていた左近もまた、その違和感に後押しされるように、脱出への道を進むのだ。
それぞれがそれぞれのやり方で、現在構築されている「世間」というエクリチュールにNO!を突きつけ、各人が持ちうる最良の構成を求める哲学的な話である。
社会幻想としての「家族」を拒んだ右近が、ラストシーンで見せる笑顔が素晴らしい。
原作にはないラストだそうだが、脱構築主義の視点で観るとある意味完成されたラスト。
右近のしがらみをブッ壊す手伝いを、最先端テクノロジー搭載のロボオがしている構図も面白い。
そんなに難しく考えなくても、ブッ飛びSFコメディとしても楽しめる。荒川良々の演技を観ているだけでも充分満足の良作だ。
ポスターの空気と作品のチグハグ。
このポスターで打出す空気と作品とのチグハグに不誠実が見える。
細々と本気な世直しの異様と絶望を描くに最適の物語と思えぬ。
快作「マイバックページ」の冴えは何処へ?
山下敦弘では下位だが、次も観る。
康すおんの水割り呑みっぷりだけ印象的。
何なんだ、この映画…でもクスクス
昔のコミックが原作の実写化ということだか、いったい、何を目的に、何を伝えようとしているのかは、意味不明。B級ではあるが、気がつけばハマってしまう作品。
左翼のパシリとして、埋蔵金堀りにこき使われ、世の中の底辺に這いつくばって生きている右近にとって、世捨て人のような牛山だけが仲間。その2人の前に突然現れた、ブリキのロボット。そして、エリート商社マンの右近の弟・左近が絡み合う人生ドラマ。
ブリキロボットは、とんでもない力を発揮し、空を飛んだり、埋蔵金を探し当てたり…。しまいには、喋りだし、仲間の1人となり、チグハグな友情までもが芽生えていく。いったい何処に向かっているのか、わからないままエンドロール。エッ、これで終わりって、思わずつぶやいた。(笑)
しかしながら、山田孝之、佐藤健、ヨシヨシとなかなかの俳優陣で、山田君とヨシヨシとのなんとも言えないやりとりに、クスクス笑いながら、ハマってしまう。
山田君の趣味で、やりたい放題プロデュースしたとしか思えない作品。(笑)
好きな2人ではある
個人評価:3.4
とっても山下敦弘らしい空気感と作風。この監督と山田孝之なら、正直どんな脚本でも作品として成立する面白味がある。ただ中身を求めて見てしまうと、損をするので距離を置いた見方も必要。
山田孝之と佐藤健が兄弟がこんなにハマるとは
R15+なのはエロがあるから。
佐藤健がオフィスの窓辺で立ちバック
山田孝之が首締めにテレホンセックスに即尺
石橋けいって女優さん良いな
弟が一目見て評した女像ぴったり
それ以外も出るキャラチョイ役全て存在感あり過ぎて飽きない。
右翼とAIロボと徳川埋蔵金が絡んでくるのにまるで違和感なく見られるとは思わんかった。
完の後に1シーン
高崎市足利市小山市
とん平
万福食堂
スナックモア
イマドキの映画のルックにしなくて良い話では。
山田孝之の芝居は上手いけどいかにも役者さんがやってますって感じに見えてしまう芝居で、それは一長一短あると思うんだが、山下監督は自分の作家性で勝負したいとは思わないんだろうかなと。
右翼をやってる冴えない青年の話、これは初期の作品と同じようなテイストに持っていける話だったと思う。どうしてカメラがこんなにパンするんだろう。いかにも物語ですよという撮影なんだろう。
昨今のインディペンデント映画の豊作によって、作家性は物語と両軸であれば再び観客に受け入れられる空気が整ってきているように思う。イケてない男を撮る事には独特の感性を持った監督だと思うのでこの人ならではの映画が観たい気がする。
山田孝之の表情がよかった。 ロボ男はそれほど高性能マシンという感じ...
山田孝之の表情がよかった。
ロボ男はそれほど高性能マシンという感じはしなかったがまあ、いいか。
最後、ロボ男だけ壊れて他の二人は生きていたが、何があったのか。
人を選ぶね、私は大好き\(^o^)/
人を選ぶね、私は大好き\(^o^)/
考えてはいけません。頭を空っぽにしてそのままを受け入れましょう。大好物な作品です。数少ない登場人物の演技も好みです。中でも石橋けいさん大好き!シュシュトリアン時代から応援し続けております。
山下監督の怪作。パンフレットの佐藤健のコメントが秀逸
山下監督始め、役者の皆さんがこの奇想天外なSF?作品を実に楽しそうに演じているように見える。特に、荒川さん。
その中で、佐藤健さんが違和感を覚えつつ、演じている感を抱いたのは私だけかな。
<2018年11月24日 劇場にて鑑賞>
ぶれない
「
「世間」それとは違う真実
馴れ合いの世の中
ボブ・デュランやローリングストーンズがそうであったように
そしてブルーハーツのような
狩撫麻礼が永遠に追い求めたものは
天国であり地獄であり桃源郷であり奈落の底であるのだと人に産まれた業なのだと思います
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