デトロイトのレビュー・感想・評価
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やるせないが溢れる衝撃作
60年代のアメリカを舞台に
黒人たちの暴動を制圧する警察官の話。
実話が元になっているけど
本当に実話かと疑うぐらいに
度を超えた暴力、尋問の繰り返し。
罪もない人の命がなくなり
夢を持つ人間の夢を握りつぶす。
これぞ鬼畜の所業。
もうやめてくれという展開が
どんどん続くし生々しい、、、
誰が悪いとかじゃなくて
世の中の不条理さを訴える作品。
エンドロール中はやるせない気持ちで
胸がざわついてた。
あと警察官役のウィルくんが
ほんとに嫌な顔しててキャスティング神。
ナルニアのときより倍ぐらいの
大きさになってて驚いた。
顔は全く変わらんけど。
観ているのが辛い・・・
50年前、デトロイトのモーテルで起こった実話を元にした作品。キャサリン・ビグロー監督らしく、BGMなしドキュメンタリータッチの演出。これがむしろ退屈なことがあって、この映画の冒頭のモーテルまでのシーンも、眠たい。でも、本題に入ってからの緊迫したシーンは、見ているだけで辛くなるほど。
最も憎たらしい警官クラウス役のウィル・ポールターは「なんちゃって家族」の息子役がドはまりだったが、こういう役以外できるのか?と思ったが、決してサイコではないが狂気じみた警官を演じきっていて見事。出演者で最も有名なジョン・ボイエガは、近隣の店舗の警備員で、制服のおかげで黒人でも暴動当事者とは思われないため、第三者として事件に関わる。そんな彼ですら容疑者にされかかるのだから、すごい人種差別だ。
これは1967年のこと。でも2010年代になってもこれに近い暴力が、超先進国アメリカで起こっているとはどういうことか、と思う。もし自分が当事者だったらどうするか、何ができるかを考えたい。
現実だから恐ろしくて救われない
タイトルだけでも内容の推測がつきましたが、これ現実にあったことなんだ、って思ったら本当に怖かったです。
救われるオチもないような出来事で、見ていてつらかったです。
笑えるところがない。
差別する人達、興奮する集団、人々がおかしくなっていく、、、
救いのない事実
1967年にデトロイトとで起きた黒人による暴動の最中に発生した警察官が黒人3人を虐殺したアルジェ・モーテル事件の顛末と裁判の話。
実際の事件を再現した作品であり、事件そのものはドラマ仕立の演出がある感じではないけれど、出来事そのものが衝撃的で、差別主義の恐ろしさと愚かさが生々しい。
事件の前にホテルの一室で再現した黒人の扱われ方とか、撃たないまでも今でもあるんだろうな。
痛い、怖い、悲しい
1967年、アメリカのミシガン州デトロイトで起きた暴動。
もう50年? まだ50年?
半世紀前に起きた事件は、しかし今もなお過去のものとはなっていない。
Black Lives Matterというキーワードは、人種問題に疎い僕ですら知っている。
本作のメインで描かれる「アルシェ・モーテル事件」は、ただただ恐ろしいの一言に尽きる。
もし自分があの場所にいたら、はたして生き残ることはできただろうか?
仮に命が助かったとしても、自分の魂は回復不能なほどに傷ついてしまったのではないか。
映画と分かって観ているのに、ずっと絶望的な気分でいた。
「ああ、もうこれはダメだ」と。
世界から見放された気分。人としての尊厳が全て奪われた気分。
なぜ、こんなことになったのだろう。
なぜ、こんなことをしなくてはいけないのか。
それが人の性(さが)なのか、運命なのか。
ジョン・ボイエガ演じるディスミュークスは、てっきり警官だと思っていたのだが、実際には警備員だった。
のちに彼が容疑者として扱われる展開にも、かなりの恐怖を感じた。
黒人であるというだけで、ここまで不当な扱いを受け続けることになるのか。
50年経って、アメリカは変わったのだろうか。
白人優先主義が、またしても復活しているのではないだろうか。
どこまで救いのない展開は、本当に容赦がない。
ラストシーンであの人物が見せた表情は、どういう意味だったのだろう。
あまりにも過酷な現実から逃れるために、おそらく原始的な宗教が生まれたのだろう。
僕らが生きている「いま」も、こうした悲劇は続いている。
そのことを決して忘れてはいけない。
考えさせられる。
ここまで難しい題材をはっきりと鮮明に描いていて本当にすごいと思った。 拷問シーンは本当に見てる側にも辛さが伝わってくるようだった。
そして最終的な判決は無罪、人権とは何か、差別とは何かを真剣に考えさせられる映画だった。見終わった後の余韻もなかなか抜けなかった。
そしてウィルポールターの演技も素晴らしかった。あそこまで卑劣な役をうまくやりこなせるのはすごいと思う。なんちゃって家族の時とは大違いだと思った。
尋問中の緊迫感、その臨場感
実際にあった出来事を映画化。
しかしその内容は映画なので、どうしても脚色が入るということを理解して鑑賞しなければいけない。
裁判の結果と同様に真実は藪の中。いくら取材したと言ってもね。
しかしながら、なんと言ってもホテルでの尋問シーンは正にそこにいるかのような臨場感、そしていつになったら解放されるのかという緊迫感を持って鑑賞。
どうしても若者達に感情移入してしまいましたが、それは警官を演じるポール・ホールターさんの眉毛のお陰。とにかく何から何まで憎たらしい。「え?」「マジ?」と心の中で叫び、実際には小声でつぶやき鑑賞しました。後半の裁判のシーンは当時の差別が如何に厳かったかを描きたかったのだろうが、いかんせん長い。映画であれば、もう少し簡潔に描いて欲しかったかな。
キャサリン・ビグローの意志がちょっと強くて…。
事実を基にしたフィクションとして描いて欲しかったな。こういう描き方をすると監督の前作であるドキュメント、カルテル・ランドも恣意、忖度が入っていたのではと、予断してしまいます。
但し、最後の歌声にはグッときました。
劇場で2回観ました!!
2回観ました。1回目は、れっきとした戦争犯罪の映画として大きな衝撃を受けました。一体この映画はいつまで続くのかととても怖かったです。あまりにも強烈な体験だったため再び観る事にし、2回目は警察側、特に眉毛が特徴的な警官隊のリーダー、クラウス視点で観てみました。市警だけではなく、州警察や軍の動きも気になるようになりました。クラウス、そして彼を演じるウィル・ポールター自身も、本作の中で最も冷静な人物であると強く感じました。クラウスは良くも悪くも職務に忠実でした(だから許されるという事では決してありませんが)。差別主義者だとまず黒人が警備員をしている事が許せないはずなので、差別主義者と言うよりは、まさにスタンフォード監獄実験(1971年。映画「es」の題材)のように職務に邁進し過ぎたのだと思います。演じるウィル・ポールターは非常に難しい役だったと思いますが確実にこなし、また眉毛と表情だけで雰囲気あるいは不快感を出す、特徴のある良い俳優だと思いました。表向きには歴史、社会問題ものですが、戦争犯罪ものやモーテルでの一夜のサスペンスもの、法廷もの等様々な要素があるのに、モーテルの描写がハードな事以外に構成も特に複雑ではなく、どなたでも観やすいという非常に良く練られた映画だと思います。男性監督だと「体を綺麗にしてやる!!」とか言って無駄にレイプシーンが入ったと思うので、そうならずにバランスが取れていたと思います。どんなに面白い映画でも、2回目以降は軽く流すシーンも多いのは事実ですが、本作は2回目も集中できて面白かったです。
見応えはある
さすがビグロー、見応えのある作品。でも彼女の作品の中では出来は下の方です。最後の法廷シーン演出はかなり下手です。ホテルのシーンで力尽きたのかも。
しかしダークタワーのようなクソ映画を観るならこちらを断然おススメします。並みの映画よりは全然面白い!
事件だけでは終わらない
ヒリヒリとした見事なサスペンスでした。黒人差別とは、白人/黒人という、社会的な「立場 role 」に由来したものであり、翻って他の警察や州兵はおのおの違う立場で狂った警官たちに対応していく。
重くのしかかる
非常に重くのしかかる映画でした。
オープニングから人種差別の歴史と事件の起こるデトロイトの街の様子、そして事件の関係者が語られていく中で、不穏で危険な空気が徐々に観ている者を締め付けていく。
モーテルに舞台を移してからは、密室劇に変わる。
そこで繰り返される罵倒、尋問、暴力…
あまりにも凄惨な展開に怒りや悲しみもこみ上げてくるようで、観ていて心苦しいくらいにも感じるほど
こういう観ていて不快に感じる描写もしっかり描かれているし、これが実際の事件というのだから、あまりにも強烈だ。
モーテルでの1件から解放されても、当事者たちの傷は消えず、本人や関係者の人生を狂わせてしまう。
裁判が行われても、真実は明かされることなく、全ては闇の中というのもあまりにも救いが無い。(彼がまた歌っているのは救いかもしれないが)
権力と人種差別の意識が暴走した警察官はモチロン、問題を認識していながら関わらなかった州警察、そしてこの問題を見て見ぬふりをする傍観者たち…
観た者に強烈に重くのしかかる作品だったなと
当事者の証言や裁判記録などを再構築したものなのでどこまでが真実なのかは分からないが、権力や人間の狂気、差別問題に踏み込んだ重いけど素晴らしい作品だった
万人が観る映画ではないだろうが、多くの人に観てもらいたい作品
終始、緊迫感。日本人には信じ難い、驚愕の事実。
荒々しく、緊迫感ある映像が続く。
主人公がいる様でいない話。
衝撃度100%!
「そんな事って、ある!?」ってくらい、
どこにも救いが無いお話…。
実話を映像化する作品って、
ハッピーエンドが多いし、
「こんな事があったんだよ」って
昔話が多い中、
このデトロイトという作品は、
バッドエンドでありまだ続いている話。
人種差別。
行政の不備。
銃社会。
それら全ての問題が社会問題として
今もなお続いている問題。
人種差別や銃の問題など
私たち日本人には想像しずらい
問題ではありますが、
かつて日本でも
学生運動があったように、
誰が
どこで
何をキッカケにして
暴動やテロを起こすのか、
誰にもわからない。
とても恐ろしい話。
でも、きっかけは意外と
子供のイジメの様な、
くだらない事なのかもしれない。
プライドを守りたくて。
遊びのつもりで。
自分こそ多数派であり正義。
強者である奢り。
この作品をキッカケに、
現在、未来をもって
ハッピーエンドに
変えられたらいいよね。
素晴らしい映画だった
本作は「ハート・ロッカー」、「ゼロ・ダーク・サーティ」の精神を受け継ぐキャスリン・ビグロー監督の社会派作品である。
当時の記録や関係者へのヒアリングを徹底的に行い、セットや状況や俳優の演技等を限りなく本物に近づけた圧倒的なリアリティに感銘を受ける。特に本作はビグロー監督作の中でも特に感情を揺さぶられる映画体験だった。
また、本作はシンガーを夢見た男ラリー・リードの物語としても見れるところが映画的な感動を呼ぶ。誰もいないフォックス劇場で1人歌うラリーと、教会でこじんまりと彼の歌を求める人に囲まれて歌うラリー、そしてラストシーンでこちら(観客)を見つめるラリー。ここがドラマとして良い感じに機能していた。
あの日アメリカが失った"大スターになったかもしれない存在"、ラリーは今回の事件がトラウマとなり大衆音楽から身を引き、教会で人のためゴスペルを歌っている。
そのラリー本人が本作を機に、あの日を語り、ラリー役を演じたアルジー・スミスとデュエットをして再び公に歌声を届け(https://youtu.be/vJ6t7ZLXMic)、ラストのレコーディングシーンにこっそり登場しているのを見て涙が出た。
公権力暴走の恐怖
1967年のアメリカ・デトロイトの暴動事件を題材にした、クライム(犯罪)ムービー。
てっきり、暴動そのものの推移を追う話だと思って行ったら、違いました。
暴動のさなかに起きた、3人の白人警察官による、黒人への暴行殺人、人権侵害の違法取り調べが題材。
作品では、裁判での証言を元にシーンを再現。
人種差別主義者の恐ろしさ、及び、権力を持った側の暴走、並びに司法を含めた警察の組織ぐるみの隠蔽のおぞましさが如実に表現されていました。
実に怖い。
そういう意味では、すごいリアリティある、素晴らしい作品で、おすすめしたい面白さ。
(リアル、と言わないのは、完全な実話かどうかは私にはわからないから。実際の裁判記録を読んだわけではないので)
これ、トランプが大統領になったから作られたんだな、と思う一本でもありました。
アメリカの人種差別問題は根深いのだな、と。
あり得ない、でもあり得る怖さ
巨大スクリーンのかなり前で見たので前半動きまくるカットと視点にあまり乗れない、、かと思っていたら中盤からグーンと掴まれた。
昔の出来事ではあるが、こんなことがあったのか、というより世界のどこでもありそうな、起こり得ることと思える人間の狂気が生み出すドラマへの驚怖と怒り、切なさ。
相変わらずいいネタを握ってるな、ビグロー。
重いテーマ
黒人たちの不満が爆発して起こった1967年のデトロイト暴動と、その暴動の最中に殺人にまで発展した白人警官による黒人たちへの不当な尋問の様子をリアリティを追求して描いた社会派実録ドラマ。67年、夏のミシガン州デトロイト。権力や社会に対する黒人たちの不満が噴出し、暴動が発生。3日目の夜、若い黒人客たちでにぎわうアルジェ・モーテルの一室から銃声が響く。デトロイト市警やミシガン州警察、ミシガン陸軍州兵、地元の警備隊たちが、ピストルの捜索、押収のためモーテルに押しかけ、数人の白人警官が捜査手順を無視し、宿泊客たちを脅迫。誰彼構わずに自白を強要する不当な強制尋問を展開していく。最後は裁判で警官たちは無罪となる。黒人グループはグループを結成してモータウンでデビューし成功を収めるが、そこにはラリーの姿はない白人のための音楽活動に嫌悪感を持ち、教会の聖歌隊で歌っているのであった。3人の警官はその後復職しなかった。アルジェ・モーテルで何が起こったのかは謎が多く、監督も再現する苦労があったようだ。重いテーマでもありアメリカが抱える根強い人種差別の歴史の汚点とも思われる題材をあえて選んだ監督に是非アカデミー賞を取ってもらいたい。
デトロイト
2018年9本目の劇場鑑賞。
1967年の“デトロイト暴動”のさなかに起きた衝撃の事件を映画化し、
今なお続く銃社会の恐怖と根深い人種対立の闇を浮き彫りにした戦慄の実録サスペンス。
黒人宿泊客で賑わうモールを舞台に、
いたずらの発砲騒ぎがきっかけで、
警察官に拘束された黒人宿泊客たちを待ち受ける理不尽な悲劇の一部始終を圧倒的な臨場感で描き出す。
デトロイト。
ときいて思い出すのは「ロボコップ」。
本作はアカデミー賞最有力と宣伝されてますが、
見事にカスりもしませんでした。
本作はキャスリン・ビグロー監督お得意の緊張感ある、
ドキュメントタッチで描いている。
当時の状況を再現した雰囲気はよく出ていて、
当時の映像や写真を使ってより緊張感を与える演出もいい。
特定の主人公もいないとはゆえ、
差別主義者の警官クラウス演じるウィル・ポールターが主人公と言ってもいい。
上映時間の142分まったく長くは感じなかった。
実話だけに
実話だけに重く事実がのしかかる。キャスリン・ビグロー独特の不安定なカメラのドキュメンタリー的な演出が観客の不安を煽る。
逃げ場のない狂気、振り返れない恐怖、追い詰めた側にも伝染する恐慌…
裁判となったにも関わらず、事実が明らかになっていないというのが最大の恐怖なのかもしれない。
アメリカの闇…
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