「友罪」友罪 erieeさんの映画レビュー(感想・評価)
友罪
同年代の益田と鈴木。
工場の試用期間を共に過ごす。
打ち解けようとせず1人殻にこもる鈴木の異様な姿に同僚達は気持ち悪がる。
嫌われ者の、レッテルを貼られた鈴木だが、酔っ払って倒れている先輩を部屋まで運んだり、DV被害の女性を助けたりと実はいい奴だった。
児童殺害事件が起こる。17年前の事件、少年Aの再犯かと思われたが…少年Aの行方が分からない。
更生施設で少年A(青柳)を担当していた白石は不安に駆られる。そんな時、青柳から連絡があり面会するが、楽しげに友達が出来たと語る青柳に、半信半疑の白石だった。
後輩記者に頼まれて益田は少年Aを調べ始めた。
少年Aの同級生から得た情報で鈴木が少年Aだと知る。
夜の公園で酒を飲みながら過去の罪について語る鈴木に益田は心を開けず、自らの罪を語らなかった。
週刊誌に少年Aの現在の写真が掲載された。それは紛れも無く益田が撮った写真。
友人に裏切られた鈴木…鈴木はまた孤独に…姿を消す
益田にとっての贖罪は中学の友人を虐めから救えず、むしろ自殺に追い込んだ過去だった。友人に対する罪…益田は鈴木にまた同じ過ちを犯すのか。
児童殺害事件の犯人が捕まった。
鈴木とは無関係だった。
鈴木は過去の犯行現場で何を思うのか?
感情の欠落…鈴木は悲しみの感情が上手く表現出来ない。
益田は友人が自殺した場所で絶叫し赦しを乞う。
そこから益田と鈴木の本当の友情に繋がって欲しい。
瑛太は無感情な演技が上手い。
犯罪者である鈴木だが、精神的に幼く白石に甘える姿が少年犯罪者に共通する部分かなと思う。
そんな細かい表情が怪演に繋がる。
作品の中に無免許で児童3人を轢き殺した息子を持つタクシー運転手の家族の贖罪や未成年の妊娠中絶など詰め込み過ぎ。
過失の罪ではあるが人の命を奪う行為は同じ。
答えの出ない重く深いテーマです。