「思い遣りの嘘」婚約者の友人 ホワイトベアさんの映画レビュー(感想・評価)
思い遣りの嘘
婚約者を戦争で喪った主人公Anna、そこに婚約者の友人を名乗るフランス人が弔問に訪れ、物語が始まります。サスペンス風味入りのラブロマンスと言ってしまえば身も蓋もありませんが、しかしこの作品に通底するのは、婚約者の老父母に対する主人公のいたわりの心と優しさではなかったかと思います。凛とした美しさを湛える主人公だからこそかも知れませんが、自己犠牲に満ちたこんな優しい嘘のつき方もあるのか、と感じ入った次第です。この点に関しては、登場人物の心理に自然と目が行ってしまうモノクロ描写の効果も効いていたように思いました。観終わった時、何かとても穏やかで優しい気持ちになれる、そんな作品でした。
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