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自宅(CS放送)にて鑑賞。邪神と説明される謎の生物が入ったタイマー附きの箱に纏わる物語。プロット的に無理があり、突っ込み所満載な穴だらけの描写や展開の連続だが、そもそも設定や背景が薄っぺらく説得力や臨場感に欠ける。共感出来無い登場人物達の言動はもとより、画面や演技を含めたキャスト陣も著しく魅力が乏しい。警察に疑われるから、頭がいかれてると思われるからとせっせと死体を地下室に隠し、遺体に話し掛ける家族達──あなた方は充分狂っており、異常者です。たまたま手にした次の犠牲者へと渡るだけのラストも中途半端で歯切れが悪い。30/100点。
・クリーチャーはどことなく『クローバーフィールド/HAKAISHA('08)』や『SUPER 8/スーパーエイト('11)』に出て来るのを彷彿させるが、シルエットやフォルムはカマドウマに近く、頭部を除き虫っぽい印象。四肢の附き方は、『貞子3D』シリーズ('12・'13)に登場する“貞子”にも似ている。ちゃんと対象者が愛する人から受け取ったかを判別する誰得な能力を持ち合わせるが、物理攻撃は応えるらしく、逃亡する事もある。クライマックスで巨大化する意味や意図も不明で、箱に戻るタイミングもよく解せない。
・例によって便乗商法な邦題かと思いきや、原題が"Gremlin"であった。そもそもグレムリンとは飛行機に纏わる邪鬼の一種とされ、R.マシスンが'62年に発表した短篇"Alone By Night(日本では'72年に『二万フィートの悪夢』、'94年に『高度二万フィートの悪夢(別人による再訳)』として紹介されている)"に登場した。これを原作にTVアンソロジー『ミステリー・ゾーン(原題"The Twilight Zone")』シリーズ('59~'65)のシーズン5 第3話(シリーズ通算第123話)『二万フィートの戦慄(原題"Nightmare at 20,000 Feet")』として映像化され、'63年10月11日に米国で放映された。更にオムニバス映画『トワイライトゾーン/超次元の体験('83)』の一エピソードとして、第四話にTV版と同タイトルでG.ミラーがリメイクしている。その後、これらとは全く関係の無いUMAの物語として『グレムリン』は二作('84・'90)映画化された。本作で描かれるのも飛行機には無関係な上、先述した過去の諸作と何の繋がりも無い。
・鑑賞日:2018年11月7日(水)