女の一生のレビュー・感想・評価
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正直原作読んでないと、ついていくのはつらいだろう。映像はきれいだっ...
正直原作読んでないと、ついていくのはつらいだろう。映像はきれいだったが、この映画を作ることに今日的意義があるのかな?運命に翻弄される女の人生と言えば言えるが、結局この主人公って子ども産む以外は何もしてない(できない)。19世紀前半の貴族社会ってそんなモンかなとも思う。
原作は忘れていました
「女は三界に家無し」を地で行くようなお話でありました...
純粋とは愚なのか
一人称映画 ある女の愛の遍歴
電気の無い時代の物語なので、夜は暗いです。
基本、灯りはロウソクか暖炉の炎。
寝室のシーンでは、オレンジ色の光に照らされた主人公の鼻の形から「ああ、こっち向きに寝ているのね。」と推測して見ていました。
夜中に外に飛び出すシーンは、真っ暗な画面に声だけしか聞こえず…。
こんな演出なのか?
それともスクリーンの端から光がもれているせいなのか?
はたまた非常灯が明るすぎるせいなのか?(^◇^;)
なので、ハッキリ見えた方とは映画の印象が違うかもしれませんが、レビューさせていただきます。
トークショーで「昔の女性は自分の人生を選択できなかったが、現代の女性も人生を選択できると思わされているだけ。」と仰っていたのが印象的でしたが、
どちらかと言うと私は、愛されるより愛したい女が、限られた世界の中で裏切られ続けながらも、愛する対象を求めていく“愛の遍歴”映画だと感じました。
もしかしたら、簡単なあらすじは知っておいて見た方が良いかもしれません。
ねっとり長回しのシーンがあるかと思うと、決定的な映像が無かったり、3つのショットだけで済ませたり(←コレお気に入り)
「すごく面白いけど、なぜ?」と思いながら見ていましたが…
ダメンズに振り回される度に回想シーンが挟まれるところから「これって、一人称の映画なんだ!」と気付きました。
彼女は、最悪な事態の時に、過去のお気に入りのシーンを脳内再生してプチトリップすることで、なんとか現実との折り合いをつけているようで…。
だから、彼女にとって思い出深い情景は長回しで、忘れ去りたい出来事はショットだけで済ませていたのか。
映画そのものが彼女主観で構成されているとは!
そう見ると、唐突に息子の存在がクローズアップされるのにも納得。
残念なことに、溢れる愛をただただジョウロで注ぎ続けたいだけの彼女は、息子を根腐れさせてしまうのですが…それもまた致し方なし。
愛のバランスって難しい。失敗から学ぶことの多さよ。
ラストシーンは次なる獲物にロックオンしていましたが、美しい花に育ってほしいものです。
現代に蘇る古典の世界
モーパッサンの有名な古典作品の実写化は、北フランスノルマンディの美しい自然が心に残ります。
繰り返す四季のなか、ひとりの女性の胸躍り溌剌と過ごした時間、裏切られ絶望しそれでも前を向いて生きる姿、ただただ抜け殻のように悶々と暮らす日々、そして・・・
ほぼスタンダードに近い実写化だと思うのですが、良く言えば品の良い創りながら、演出的な起伏など、もう少し見応えがあったらと思ったりしました。
なかなか壮絶なおはなしなのに、手紙を読むシーンなどの映像がパターンというか・・・
当時の貴族の暮らしぶりは、意外な発見があったりしておもしろいのですが、貞淑さと優しさゆえ、翻弄されながら生きる主人公の姿は、現代に蘇ると、果たして弱い女性と映るのか、それとももしかして強い女性と映るのか、カタチは違えども同じような気持ちになる女性は少なからずいそうな気がします。
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