「あの猫、ただ者(猫?)とは思えぬ怪演」寝ても覚めても かぴ腹さんの映画レビュー(感想・評価)
あの猫、ただ者(猫?)とは思えぬ怪演
観てよかった、期待以上だった。
東出君の関西弁は朝ドラ以来。レビューにある関西弁批判は彼が戦前の関西弁を覚えたせいだろうか。
杏ちゃんファンとしては、唐田えりかとのいちゃつきにちょっと不安。
漫画原作が増えているなか、小説の映画化とあって、心理描写が面白い。写真展が終わった後、山下リオとのやりとり「場を取り繕うだけのために東出君と話していたわけではない」と。ちょっと山下リオともなんかあるのかな?と思ったのが、その後円満に瀬戸康史と。この二人のけんかの件、要らない。
韓流的記憶喪失もの?と思ったのは浅はかだった。
東出君は背が高くて唐田えりかとの身長差が画面上どうなるか。二階堂和美と長谷川博己との映画も抱き合うたびに猫背になって絵にならなかった。ここは階段を使ってクリア、と思いつつ、よく考えるとなんで非常階段から降りる?いくら出入りの業者とはいえ、普通はビル内のエレベーターを使うはず。まあ、美しいからいいけれど。
麦が再登場してからはほとんどサイコホラー。写真展で話しかけたとき顔をさわられて「(俺から逃げ回っているけれど、)よっぽど恐いわ」というセリフが思い出された。
一緒に観ていた友達は「あなたのことはそれほど」をみていたので、涼太を思い出して笑いをこらえていた。私はドラマの評判は聞いていたがみていなかったので幸い感情移入できた。
7年前に消えた前の男とのことをわざわざ「話す」とか、ほったらかしにしていた麦を選ぶとか、この女性作家は私が信じていた女性心理の常識をひっくり返した。もしかしたら原作にはもっと麦とのエピソードがあったのかもしれないけれど。小説の映画化の宿命か。
麦が唐田えりかの手を引いて駐車場を歩いているとき「俺の代わりはいくらでもいる」といって携帯を投げ壊す。亮平は麦の代わりだったのか。
仙台で海を仰いで終わるのかな?と思ったのだけれど、続きがあった。まさか仲本工事とは。無理矢理感のあった震災エピソードはこのためか。海産物のお土産は都会暮らしには多すぎて迷惑。田舎にありがち。
人工呼吸器を見たときはてっきりオートバイ事故で四肢麻痺になったのかと思ったら、なんとALS。
田中美佐子のエピソード。それが違う男だったことは秘密。それが普通だろう、と少し安心。
亮平が唐田えりかを許さないはもちろん、家に入れることすら納得がいかない。ありえない。仲本工事が正しい。
山下リオが早産だったのはあそこで転んだせい?
マナー違反
映画界はちょっと安易に煙草を使いすぎる。原作がそうなのか。無害な煙草なのかもしれないけれど、東出君が心配。
高速道路で携帯を窓から放り投げるのはひどすぎる。自分たちの命を守るためにシートベルトをしているのが釣り合いがとれない。
ビニール傘、川辺に放り投げたまま。
ポスターにもなっているセピア色の画面が印象的でした。